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異世界でもサウナ

異世界でもサウナに入るとやっぱり意地の張り合いが勃発するようです。

※斉木視点です。


斉「サウナはあっちか・・・久しぶりだぜ。」

ア「ここのサウナはなかなか我慢強くないと耐えられないぞ。」

イ「今の所最高記録は5分弱だ。脱水症状には気をつけろよ。」


5分か・・・まぁそこそこだな。前に10分近く入ってたことあったから多分行ける。


斉「なるほどな。まぁ水は持っていこう。」

ア「お前なかなか肝座ってるな。最近の若者にしては珍しいぜ。」

イ「そうだな。さっきまでいっしょにいたヒトツバシってのとはどんな関係だ?」


斉「もともと前の世界ではヒトツバシとは同じ仕事をしててよ。同僚ってやつだ。やつは仕事好きだが、オレはそこまででもなかったけどな。」

ア「ウロスも真面目なヤツだからなぁ・・・なんか通じるものがありそうだぞ。」

イ「まぁ、俺達は俺達で楽しくやろうや。まずはサウナ体験ってとこだな。」


しかしコイツラも結構な脳筋タイプだよな。ある意味オレと同じタイプだし、気が合いそうだ。


ア「イーゴはサウナ何分ぐらい入れるんだ?オレはこないだ2分半が限界だった。」

イ「アルブよ・・・・お前忍耐がなってねえなぁ。オレは4分だ!」

コイツラには多分勝てる。

斉「なるほど。オレも4分目指して頑張るか。」

ア「上等だ!記録更新してやんぜ。」

イ「よしお前ら。準備はいいか?」


斉木はスーハー すーはー 深呼吸をする。

しばらくして、一気に空気を吸いこんで・・・


斉「押忍ッッ!!!!」


と大声で叫んだ。


イ「サイキは威勢がいいないい感じだ。俺らもいくぞ!」

3人してサウナに入る・・・めちゃくちゃ暑かった。

あれ?こんなだっけ?

温度を見たら100℃!?

これはやばいかもしれない・・・・


ア「うぉーーーーこの感じだぜ・・・・キックゥゥゥ。」

イ「あちぃなぁおい。相変わらずここは修業の場には最適だぜ。」

斉「ウオーあっつ!なかなか手強そうだな。まぁオレも耐えてみせるぜ。」


ア「しかしサイキはすんなりとこのサウナってのを理解してたし、抵抗感はないみたいだな。」

斉「まぁな、オレのいた世界にもサウナはあったからな。」

イ「つくづくお前らのいた世界に興味が出るぜ。」

ア「たしかにな。しかし尋常じゃない汗がでるぜ・・・」

イ「入ってる感じするだろ!」

斉「新陳代謝は良くなりそうだな。」

ア「なんだそれ?」

斉「体に悪いものを汗が全部洗い流すんだ。体から出る物質を老廃物と言うんだが、汗もその一つだな。

汗を流さないほうが体に悪いんだぜ。」

イ「難しい言葉知ってるんだな。サイキは。アルブなんて最近酒ばっか飲んでたから丁度いいんじゃねぇか?」

ア「あーたしかに。まぁ人生いろいろあるからよ。そういう悪いもんも全て流してくれるってんならここはいいところじゃねぇか。」

斉「随分ポジティブだな。いいと思うぜ。」


ここで話が途切れた。

お互い無言だが、なぜか睨み合っている形になる。

とくに睨む必要はないのだが・・・・


そのうち2分経ったところでだんだんアルブの顔が辛そうになってきた。

ア「体が焼かれそうだ。。。水が欲しくなる・・・」

斉「無理はするなよ。無理して倒れたほうが問題だからな。辛かったら意地はらずにいえ。」

イ「そうだぞアルブ。ここで意地はっても倒れたら元も子もないぞ。」

ア「ヘヘッバレちゃ仕方ねぇ・・・悪ぃが降参だ。オレは降りるぜ。あんがとよ。」


アルブは退散した。

アルブの記録:2分45秒

いままでは2分30秒だったので15秒記録更新だ。


イ「ヤツは見た目とは裏腹に根性がない。」

斉「まぁここは根性ってよりもある意味環境適応能力の差があると思うぜ。熱いの苦手だったら厳しいだろうしな。結局体がなれてないんだよ。」

イ「フッ。やっぱ分かるやつにはわかるか。まぁ、アイツも冒険者家業初めて丸2年だ。オレはもう10年ぐらいやってるが、オレから言わせれば2年なんてまだまだひよっこよ。」

斉「そんなこと言ったらオレなんか初心者だぞ。」

イ「お前は見ればわかる。将来大物になって化けるやつだ。」


いきなりそんなことを言われても正直戸惑う。とりあえず理由を聞いてみた。


斉「ほう。何でだ?」

イ「単純に肝の太さだよ。第一印象最悪である俺らの顔を見て逃げなかった。これだけでも十分だが、お前は人と対してもスルッと間に入れる度胸がある。会話してていつの間にか会話に混じってるやつだ。そのスキルは天性のものだな。大事にしたほうがいいぜ。」

斉「まさかここまで褒められると思わなかったぜ。一応礼を言っておくか。ありがとよ。」

イ「素直なやつだな。しかしお前を見てるとサウナとか全く平気そうだな。」

斉「これでも、結構辛いけどな。でもまだ我慢できるぜ。まぁオレは前の世界で経験してるからこれは経験が生きているかな。」

イ「なるほどな。しかしオマエは不思議なやつだ。見た目はひょろいくせに根性はあるんだからな。」

斉「まぁ、隠れた才能ってやつだw」

イ「少しは謙遜しろよ。。。まぁいい。今度オレが直々に鍛えてやってもいいぜ。」

斉「冒険者としてか?」

イ「おうよ。色々ノウハウ含めて教えてやるよ。」


少し考える。ぶっちゃけ悪くない提案だ。俺たちはまだこの世界に来て間もない。まずは冒険者から初めて見るのもありだろう。

正直まだ食い扶持だって稼げてないわけだ。どっちにしろ何かしらの職業にはつかないといけないからな。そもそもこの世界のことについて色々知らなきゃいけないことも多すぎる。


斉「ふむ。悪くない提案だ。ただ即答はできない。一応オレにも仲間がいるからな。流石にこういったことは相談させてくれ。」

イ「まぁそりゃそうか。まぁオレも本当に指導するとなったら二人に言わないとだが・・・まぁアイツラならお前らのこと問題ないと言うだろうな。」

斉「お前らって、3人全員かよ。まさかこんなところで勧誘受けるとは思わなかったぞ。」

イ「まぁぶっちゃけオレもそこまでするつもりはなかったぜ。ただお前らこの世界来て日が浅いんだろ?どっかで必ず食わなきゃならんだろうしな。」

斉「そこなんだよな。まぁ改めてその件はこんなところじゃなくてまた改めて相談させてくれ。」

イ「まぁそうだな。てか勝負中だったな・・・・気抜いたら一気にフラフラきた。悪いがオレはもう出るぞ。てかちょっと限界きてるわ。」

斉「大したやつだ。まぁオレもそろそろ出るかな。」

イ「オマエには負けるよ。またな。」


そう言ってイーゴはサウナを出た。

なんと記録は5分30秒。

人をパーティーに口説きながら平然とした顔をしていた。流石である。


そして最後に斉木が出る。

記録は6分。まぁこんなもんか。

そんなわけであっけなく斉木が優勝した。


まぁ優勝してもなにもないわけだが・・・

とりあえず異世界人には勝てたという名誉?と、日本人の尊厳?が守られた気がする。

最後に軽く汗を流して風呂場を出た。


風呂場を出た脱衣所のところにはイーゴがいた。

イ「いよぅ。もう少しして出てこなかったら先に帰ろうかと思ってたとこだ。」

斉「待っててくれたのか。悪かったな。」

イ「いいってことよ。まぁさっきの話の続きでもしようぜ。」

ア「オレもいるぞ。ってか二人で何楽しそうな話してるんですか。」

イ「オマエが先に出ちまうからだろうが。まぁ改めて話すぞ。」

斉「早速か。ここで大丈夫か?」

イ「どうせこの時間だ。誰も入ってこねぇよ。」

ア「今何時だ?え?22時?意外と時間経ってたんだな。」

斉「んで?さっきの話だが本当に俺たちを冒険者として鍛えてくれんのか?ぶっちゃけ返せるものはなにもないぞ?」

イ「なんだ。そんなこと気にしてたのか?」

ア「そんな話になってたのか。てかオレがリーダーだぞ。オレからも正式に話をさせてくれよな。」

イ「わりぃ。つい我慢できなかった。」

ア「まぁ気持ちは理解できる。正直オレでもお前らは口説きたいと思ってからな。

理由は単純だ。異世界の住人ってだけで正直ものすごい威力だからな。」

斉「ほう。そんなにか。まぁ悪い気持ちはしないな。」

イ「ぶっちゃけるとだ。俺らはもうお前らから報酬はもらってんだよ。」

斉「ん?どういうことだ?」

ア「さっき風呂場でマルバツゲームとかリバーシの話してただろ。

それだけでもう値千金の価値があるぜ。」

斉「あんだけのことでか?ただゲームについて話してただけだぜ。」

イ「でもその情報は俺たちにあたらしいアイディアとか価値観を与えてくれたんだよ。だから先にもらってるってわけだ。」

斉「なるほど。そう捉えるとたしかにすごいことだな。なら遠慮なくお世話になろうってもんよ。」

ア「まぁこういった情報はギブアンドテイクだろ。」

斉「なるほどな。まぁそんなこと言ったらまだお互い知りたい情報が山ほどありそうだぜ。

なにせ俺たちは今日この世界に来たんだからな。ぶっちゃけると、わからないことだらけだ。」

イ「そうだったのか。今日が初日とはそれは驚きだねぇ。。。この世界に来て初めてこういった日常のこと話せたんじゃないか?」

斉「そのとおりさ。正直この世界のことについては、俺たち3人は何も知らない。本当に右も左も分からない状態からスタートなのさ。正直怖いぜ。」

ア「3人ってことは、サイキと、ヒトツバシってやつ以外にももう一人いるのか。」

斉「あーそうだ。オレの後輩で玉谷って女性がひとりいる。今度紹介してやるよ。」

イ「ああ、頼むぜ。まぁこれからいろいろ話し合っていけばいいじゃないか。こういうのは一気に解決したらつまらないしな。」

ア「そうだな。次回あったら、そのときはウロスもいっしょだな。」

斉「まぁ明日また話そうぜ。オレも今日は色々あって、流石に疲れたぜ。わりぃけどもう寝るから、部屋戻るぜ。」

イ「おう。色々とありがとなー。おやすみ。」

ア「また明日な。」

斉「おやすみ」


こうしてイーゴとアルブの二人と別れた斉木は部屋に戻った。戻る途中で、斉木は一ツ橋の部屋に行ってみたが、中には誰もいなかった。

もう23時過ぎてるが、まだどこかへ出かけているみたいだ。


玉谷に関しては女性なので誘うのも悪いかぁと思いとどまりそのまま部屋に戻る。

しばらく布団に寝っ転がってしばらくすると、一ツ橋とウロスの楽しそうな声が聞こえてきた。


一「・・・こういった魔法のこととか色々話せて嬉しいです。とても勉強になりました。またよろしくお願いいたします。」

ウ「いえいえ。私も魔法使いの一員ですから。こんなことぐらいだったらいつでも。」

一「ではまた明日。」

ウ「おやすみなさい。」


そんな会話が聞こえてくる。どうやら一ツ橋とウロスは魔法談義に花を咲かせていたらしい。

みんなよろしくやってるんだなぁと思いまた布団に入った。


そして気づいたら朝を迎えていた。

------

一ツ橋とウロスの会話は需要があれば短編にでもしてかいてみます。

勧誘されちゃいました。

このあとも三人組との絡みは出てくる予定。

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