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銭湯での会話は意外と重要だったりする

銭湯ではみんな心も裸になっているので、腹割って話すには最適かもしれない。

浴室の中に入ってまず最初に目に入ったのはかなりでかい風呂だった。

15~20人は一気に入れそうだ。

シャワーはないが、手桶があって風呂の湯を体にかけることができるようになっている。

異世界で水は貴重なものではないのだろうか?

魔法もあるから問題ないのかもしれない。

シャンプーとか石鹸はそれぞれ壁側に置かれている。

最初に体を洗うのだが・・・ここであることに気づく。


一「あ、体洗のスポンジとか忘れた。」

イ「あっちに用意されてるタオルを使うんだよ。」


言われた方にいってみると、たしかに新品のタオルが準備されていた。

どこまで準備がいいんだろ。


一「ありがとうございます。助かりました。」

イ「お前らもここの風呂は初めてだろ?まずはこのタオルにこの石鹸ってのをつけて洗うんだ。全身だぞ。」

斉「イーゴさん俺らの文化にも実は風呂ってのはあったんだよ。ぶっちゃけほとんど同じ文化で俺らは結構驚いてるんだ。」

一「まずはこの石鹸で、体洗うんですよね。シャンプーはこれですか?」

イ「そうだ。お前らの世界にもこういう文化はあるのか。通りでさっきから初心者らしくないなと思ってたぜ。」

一「そもそも私達の世界でも風呂があるのは日本だけかもですけどね・・・なのでここは過ごしやすいです」


こうして俺たちは体を洗い、風呂に入ったのであった。

全員体もよく洗い、お風呂に浸かりながら色々話す。

みんな裸でくつろいでいるので自然と心も開いている。


ウ「そういえば異世界人って言うと、最近では英雄サトウ様という方がいらっしゃったのですが、あなた達はその英雄サトウ様と同じ場所から来てたりするんですか?」

斉「へぇ。佐藤さんも有名だったなぁ。。。てか佐藤さん英雄になってたのかよ!」

ア「そうだぜ。ぶっちゃけこの風呂っていう文化もあの人が教えてくれて作ってくれたものだぜ。

もともと俺らは一日の終りに魔法で作った水に火魔法合わせてお湯にして、それを体にかけて終わってたからな。」

イ「もともとここはそのお湯を貯めるだけの場所だったんだよ。」

ウ「それを見たあの英雄さんたちは、このシャンプーってのと石鹸ってのを作って、まずは体を洗ってからそのお湯に浸かるって文化を持ってきたんですよ。」

ア「最初はこのお湯に浸かるって考えはあまり受け入れられなくてな。結構ブーイングがひどかったが、あの英雄たちが素知らぬ顔でそのまま入って、ものすごく幸せそうな顔をしているもんで、おれたちも入ってみることにしたんだよ。」

イ「きちんとみんな体を洗うようになってからは非常に好評でな。今では一日の終りに風呂に浸からないと気持ち悪い体になっちまった。」

一「なるほど。ものすごく納得できました。この風呂の文化は佐藤さんたちが作ったんですね。」

斉「あの人達も何やってんだか・・・でも俺達にとっては大変ありがたかったな。今度会ったら感謝しておこう。」

ウ「皆さんあちらの世界から来られた方は、こっちの文化に色々驚いていましたね。僕らには常識的なこともそちらの世界では非常識とか多そうです。」

斉「そうだなぁ。そもそも俺らの世界にはさっきも話したが、魔法がないからな。それも自分の手から魔法が出てくるとか俺にとっては憧れって感じだな。」

一「魔法って言葉自体はゲームとか物語の中の世界だったけど、こうして目の前で見ると、異世界に来たんだなって実感しますね。」

イ「お前たちの世界で魔法がないってことは色々不便じゃないか?火をおこしたり、明かりつけたり、水が好きなときに出せないだろ。どうしてるんだ?」

一「さっきも少し話しましたが、魔法が無い代わりに科学が結構進んでるんですよ。今上げた火と明かりについては電気で賄っていますね。水は川から組み上げたりしていますけど、地下に水道管が張り巡らされているので、その水を電気の力で汲み上げてます。」

ア「なるほど。電気ってのはそれだけすごいんだな。やっぱそれぞれみんな色々考えるんだなぁ」

斉「逆に俺たちは魔法がないから、非現実世界を題材とした小説とか漫画、アニメやゲームはすごい人気なんだぜ。それが自分たちの身に起きるなんてなかなか新鮮な体験をしていると思うぞ。」


イ「小説や漫画はわかるが、アニメ とか ゲーム ってのはなんだい?」

一「アニメはそうだなぁ・・・漫画がわかるなら、パラパラ漫画ってわかります?」

ウ「絵を描いた紙をパラパラめくってまるで動いているように見せる。。。アッ!?それを大々的に作品にする?」

斉「そのとおり。それを30分とかの動画にして一つの作品にするんだぜ。」

ウ「そんな事ができるんですか!絵が動くってすごいですね。」

ア「それはちょっと見てみたいな。お前等できるのか?」

一「俺は絵を描くのはちょっと・・・」

斉「俺も絵は苦手だ。」

イ「それは残念だ。まぁこの世界でも絵を得意としているやつはいるから、そういうやつに教えてくれると色々面白いだろうなぁ。」

ウ「なるほど・・・今度友達で絵が上手い人紹介します!」

斉「ぜひ紹介してくれ。少しは助言ができるかもしれん。」


ア「あとはゲームってのはなんだ?」

一「そうですねぇ・・・簡単に説明すると遊具ですね。」

イ「なんだただの遊具か。遊ぶものならこっちにもあるぞ。的あてとか、輪投げとかだな。」

ウ「でもそんなの子供だけがやっていて、大人がやっている遊びはあまり有りませんよ?」

ア「たしかにな。大人7になって輪投げとかはやらないよな・・・」

斉「ふむ・・・これはもしや、めちゃくちゃチャンスなんじゃないか?」

一「あーたしかに。後で色々考えてみるか。」

ア「大人でも遊べるものがあるのか?」

斉「いくらでもあるぜ。むしろ子供より大人向けの遊びもある。」

イ「それはすげぇ。。。めっちゃ気になるな。」

ウ「やっぱり異世界の人は色々面白いことを知ってますねぇ・・・」


一「例えば簡単にこちらでもできそうなのは、リバーシですかね。」

斉「確かにボードゲームならこっちの世界でもできそうだな。」

ア「リバーシ?聞いたことねぇな。」

一「ルールは簡単ですよ。まず用意するのは簡単なマス目を描いた紙と、白石、黒石。白石、黒石はそれぞれマス目の数分用意しておけば足りますね。」

イ「ふむ。」

一「後はそれぞれ黒石か白石のどちらかを持ち、黒と白を交互に盤面へ石を打つ。相手の石を挟めば自分の石になるので、最終的な石の個数を競うっていうゲームです。 」

イ「うーむ・・・説明だけ聞いてもわかったようなわからないような。。。」

ウ「なんか陣取りゲームみたいな感じですね?」

斉「そうだな。まぁでもこればかりは実際に見せないとわからないと思うぜ。」

ア「なるほどなぁ・・・お前たちのニホンだっけ? そこは娯楽がめちゃくちゃ多そうだなぁ。すげー楽しそうな国だ。」

一「たしかに。我々の世界は、娯楽の数はめちゃくちゃ多いと思いますよ。今話したようなゲームはボードゲームというジャンルですね。他にもたくさんあります。」

斉「最近もボードゲーム結構流行ってたからなぁ・・・それだけを売りにしているカフェもあるぐらいだ」

イ「なるほど。。。今度お前たちでそれを作ってくれよ。」

ウ「私達もやってみたいですね。」


斉「今でも簡単にできるやつがあるぜ。」

イ「お、実演してくれんのか。」

一「ん?どうやるんだ?」

斉「○☓ゲームさ」

一「あーこれなら簡単だな。」


ここでおもむろに斉木はくもりガラスの上に「#」を描いた。


斉「よし。俺丸やるから、一ツ橋お前バツな」

一「わかった。」


斉木が真ん中に丸を書き、俺が左端にバツを描く。

それを交互に繰り返して・・・


斉「よし、3つ揃った!オレの勝ち!」

一「負けた・・・ とまぁこんな感じの簡単なゲームですよ」

ア「なるほど、たしかにこれならすぐできるし、意外と簡単だな。」

一「こういったことからゲームは生まれてくるんだと思いますよ。」

イ「よし、ウロス!オレと勝負するぞ!」

ウ「望むところです。イーゴさん手加減なしですからね!」


この会話がこの世界のマルバツゲームブームのきっかけとなるとは・・・

このときは全く誰も想像もしていなかった。

娯楽がない世界だとこんな簡単なゲームでもバズるのである。

異世界の知識は偉大ということだ。


一「さてと・・・そろそろ私は体温まったので出ますね。」

斉「おう。俺はもう少し浸かってサウナの方に行ってから出るわ。」

ア「俺たちもサウナの方行ってみようぜ。」

イ「そうだな。誰が一番堪えられるか勝負だ!」

ウ「僕は遠慮しておきます・・・では僕もヒトツバシさんといっしょにお先に失礼しますね。」


一ツ橋とウロスは先にお風呂から出た。

部屋から持ってきた部屋着に着替える。

意外ともこもこしていて温かい。

ウロスさんが着替え終わったのかこちらにやってきた。


ウ「いやぁ。有意義な時間でした。ありがとうございます。」

一「こちらこそ。やっぱり異世界は楽しいですね!」

ウ「こうやって会話すればするほど予想もつかないようなことがあるから私達も新鮮ですよ。」

一「こんなことで良ければいつでもどうぞ。」

ウ「あ、そうだ。大事なこと忘れてました。フレンド登録をお願いします!」

一「フレンド登録?そんなのどうやってやるんですか?」

ウ「そっか、まずはそこからですね。まずフレンド登録をしておくと、お互いどんなときでも会話をスタートできます。」


オンラインゲームのフレンド機能と全く一緒か・・・


一「なるほど。でも忙しい時とかもあるんじゃないですか?」

ウ「そんな時でも大丈夫です。勝手に来るものはそのまま無視してれば問題有りません。自分のペースで返信してくれればいいので。」

一「なるほど。。他には?」

ウ「フレンド登録していると相手がどの街にいるのかがわかりますよ。ただその情報は、開示するか、しないかの選択もできますので安心です。」

一「なるほど。それは便利ですね。」

ウ「あとは、アイテムとかもプレゼントみたいな形で送ることができますね。」


GPSつきのメールみたいなもんか。

アイテム送るのは添付メールだな。


一「なるほど。ありがとうございます。ウロスさんがよかったらぜひフレンド登録をしましょう!」

ウ「逆にこちらからお願いしたいぐらいです。登録の仕方はお互い手をつないで、フレンド!と叫ぶだけです。」


ちょっと登録方法には抵抗を覚えるな・・・まぁでもそれがこの世界の標準なら仕方ない。


一「わかりました。ではお願いします。」


二人は手をつないだ。


「「フレンド!」」


すると頭にピコンとメッセージが飛んできた。

これがフレンドか。なになに?


--------

ウ「よろしくおねがいしますm(_ _)m」

一「顔文字とかあるんですね・・・こちらこそよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ」

--------


ウ「これで無事登録できましたね。」

一「色々と教えていただきありがとうございました。」

ウ「いえいえ。これからもよろしくです!」

一「ではまた~」


こうして二人は別れた。

なかなか斬新なフレンド登録の方法だが・・・

まぁ、こうして一人フレンドができたのであった。

後でスマホを確認してみると、連絡先のところにウロスの名前が入っている。

なるほどここにも反映されるんだな。

後で斉木にも話してみよう・・・


オレはそのまま自分の部屋に戻った。

異世界でリバーシネタ。

定番ではあるけれど、多分マルバツゲームは定番じゃないって信じてる。

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