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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

音のない歌詞

離れないで

作者: 渋音符



 ねえ。わたしから離れないで。

 放したくないよ。ねえ、手を繋ごうよ。


 無線のイヤホン、片方つけて。

 もう片方は何処に行ったっけ? 忘れちゃった。

 高価な指輪、売っ払っちゃって。

 こんなもの何処で買ったっけ? 忘れちゃった。

 無人の公園、意外と穴場。

 どうやって此処を知ったっけ? 憶えてないや。

 広い寝室、寂しい空間。

 どうしてこんなに寂しいの? 分かんないや。


 何かが足んないの。分かんないの。

 何が足りないか。分かんないよ。


 ねえ。わたしから離れないで。

 放したくないよ。ねえ、手を繋ごうよ。

 あなたがいないとわたし一人なの。

 何で、逝っちゃうの? 教えてよ!

 

 さ迷いながら、泣いてるわたし。

 あの人は何処へ旅立った? 知りたくないや。 

 呻吟(さまよ)う言葉、脈絡がない。

 脈搏(みゃくはく)が零になっちゃった。覚えてるでしょ。


 姿が見えないよ。分かんないよ。

 あなたの身体は、胡麻胴乱。


 ねえ。あなたから枯れないで。

 話したくないの? ねえ、口を開こうよ。

 あなたがいないと、楽しくはないの。

 何処へ行っちゃうの? 教えてよ!


 ねえ。わたし一人にしないで。

 置いていかないで。ねえ、連れていってよ。

 あなたがいないと、意味なんてないの。

 手を引いて。何処にも行かないで!


 もう、一人きりは嫌なんだ。

 寂しすぎるの。ねえ、姿を見せて。

 あなたがいないこんな世界なんて。

 全ていらないの。壊れてよ!

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