6 前進
数日後、「小さな翼の会」の部屋でオオゲラと かあくんはいました。他の鳥はいません。
「どうにかしてまた飛びたいんです」
オオゲラは黙って聴いています。
「でも、翼はあのレースには耐えられない。それもわかっています」
かあくんは俯いたまま。
「どうにかして空を翔けることはできないんでしょうか?」
オオゲラは考えました。
翼でなくて空を速く飛ぶ方法なんてあるのかしら?
その時、いきなり部屋の扉が開かれました。
「あ、先生」
「おお!あかぼうしくん」
入ってきたのはカラスでした。もうくちばしのつけ根が白くなりかかっているかなりの年老いたカラスでした。
「あ、かあくん。こちら、会の面倒を見てくれている ずみ先生」
「はじめまして」
かあくんは頭を下げました。
オオゲラはぽんと翼を鳴らしていいました。
「そうだ!先生。翼でなくても空を自由に飛べる方法って何かありませんかねえ?」
「無理じゃないか。あんなに自由自在に飛ぶ方法はないよ」
「そうですよね」
かあくんはがっくり。
「実は、かあくんはレースの元選手で・・・」
「ああ、なるほど」
ずみ先生はかあくんの右の翼をちょいっと摘みました。
「痛い」
「リハビリさぼっとるじゃろう」
ずみ先生は翼を組んでいいました。
「いいツボ師を知っとる。今度来なさい」
かあくんは、今更リハビリなんて、となげやりな気分になりました。




