5 本当の気持ち
皆、仕事中の事故だったり、事件に巻き込まれたり、またまた生まれつきだったり、色々な理由で片方また両方の翼が不自由な鳥たちでした。
そして、ハヤブサはなんと、かあくんと同じ元競争選手でした。
名前を聞いた時、かあくんは心がどきどきして心臓がばくばくいうほど、有名な選手だったのです。
今まで知らなかっただけで自分と同じように苦しんでいる鳥がいることを、かあくんは初めて知ったのでした。そしてかあくんは少しずつ勇気がでてきたのです。
久しぶりにカーテンを開いて、鏡を見てかあくんは笑ってしまいました。ひっどく不細工なカラスがいるんですもの。
かあくんは念入りに羽繕いをし、足に銀輪をつけました。恥ずかしいけどちょっとしたオシャレ。
一番親身になってくれたハヤブサが今日「小さな翼の会」を退会するのです。いつだって顔を出してもよいのですが、ちょっと遠いところに引っ越すからってけじめをつけたいそうです。ハヤブサらしいです。
レストランを貸し切って、ハヤブサのお別れ会が開かれました。いつもしかめつらしているハヤブサを前に、歌を歌ったりマジックしたり料理を食べたりしました。最後並んで、皆一羽ずつ握手をしました。
最後かあくんの番。かあくんは、
「本当に本当にありがとう。わしはずっと翼が、思う存分飛べないことが苦しくて仕方なかった。救われたんだ」何度も頭を下げました。
ハヤブサの表情がほっとしたように緩みました。
「皆さんにあえて本当に良かった。一番速く飛べる選手なのにと言われいつも傷ついていましたが、飛べなくてもぼくは幸せです」
(違う)
皆と一緒に拍手している中、かあくんは思ってしまいました。
(わしは飛びたい)
かあくんは自分の思いに気がつきました。
(やっぱりはやくはやく飛びたいんだ!)




