4 小さな翼の会
「郵便です!」
ポストに封筒が入れられた音がしました。
むくっと、かあくんは起き上がりました。
起き上がったかあくんは、まあ!
緑や紫に輝くばかりの美しい黒い宝石のようだった羽は毛羽立ってぼろぼろ、くちばしにも艶がありません。
かあくんは右の翼で封筒を取り出しました。
しばらく居留守に居留守を重ね、新聞も取るのをやめたせいか、誰も訪ねてこなくなったので、久しぶりに自分じゃない声を聞いたのでした。
「小さな翼の会のお知らせ」
封筒にはそう書いてありました。
半月後、変な鳥が街中を歩いていました。ひどく太った鳥で白なのか青なのか赤なのか緑なのか。
不思議な色をしています。
その鳥は、太ったブナの木のうろにおぼつかない足取りでぴょんぴょん跳ねながら入って行ったのでした。
「ああ、来てくれたんですね」
オオゲラは穏やかな微笑みを浮かべて、変な鳥を抱きしめました。
「かあくん」
シュルシュルシュル。変な鳥の変な羽の色は色々な色の布切れでした。
かあくんはぼさぼさ頭をかきました。
「ずいぶん悩みました。でも来たいと思ったんです」
「ありがとう。こちらです」
案内された部屋には大きなテーブル、そして多くの種類の鳥がいました。
同じカラスもいましたし、スズメ、ヒヨドリ、カモにハト、シジュウカラ・・・そしてハヤブサまで。
オオゲラが翼を叩きました。
「はい、みなさん」
そして周囲を見回しながら、
「今日から「小さな翼の会」の会員になりました。カラスのかあ・くろーさんです」
鳥たちがざわめきました。
「え?あの」「選手の?」「どこにいったのだと思ったら」「ここに?」「サイン欲しい」
かあくんはいきなり肩身がせまくなりました。
(ああ)のどにかたいものがせり上がり、涙が出そうになりました。
「うるせえ!!」
一瞬で部屋の中は静まり返りました。ハヤブサです。
「ここじゃあ、飛ぶのが速かっただの何だの意味がねえんだ!バカみたいなことで騒ぐな!」
かあくんはやっと席につけました。ハヤブサが怒鳴ってくれたおかげで、なんだかすっきりしてしまった かあくんは、輪になって今まで言えなかった弱音をたくさんたくさん吐き出して、また皆の弱音や今の気持ちをたくさんたくさん聞いたのでした。




