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1 カラスのかあくん
カラスの かあくんは空飛ぶ競争選手です。
どんなカラスよりも早くお空のコースを駆け抜けます。
「かっかっか。今日も一位だ!!」
林の一番高い木の上で かあくんは春一番賞レースの優勝トロフィーを掲げます。
「わしに勝てるカラスはいない!」かあくんは自信いっぱいでした。
ある日のこと。
「青嵐賞レース開催いたします」
春まっさかりの青山峠は名前通りに青々と若葉が茂っています。
多くの鳥達が集まって、レースを今か今かと待っていました。
「第3番レース、カラス級!」司会者が大きく声を張り上げます。
「かあ号!」「かあ!がんばれ!」「絶対勝て!」
観客からの大声援に応えて、ゼッケン7番のかあくんは鍛え抜かれた両翼を高く高く上げたのでした。
「パン!」
スタートの合図とともに飛び出したかあくんは皆の先頭に躍り出ました。
峠を一直線!はやいはやい!!
(ふっふっふ、もうこれは誰も追いつけないな!)
後ろはもう見えません。
そして前をはっきり見た時でした。
ドン!!
なにが起こったかなにもわからないまま、かあくんは気を失ってしまいました。




