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ココノツバナシ  作者: 高岡やなせ
怪の公式 編
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会議 ─ルックファミリア─

 



 霊的粒子・『マテリアル』とは。


 通常の感覚では捉えきれない物質。一般的に『気』と称されるものと違い、質量と形状、それによる反応と運動力が生じられるとされる形ある物。人間を構成する物質の塵のようなものてある可能性もある。


 現段階では、超能力と言われる力はこの霊的粒子マテリアルによる三種の運動反応と仮定される。


 同時に、それらと全く違う異種多様な力が存在していることも認めている。しかし、それらとの関係性は現段階では把握しきれておらず、研究対象としては遅れている。





 原動力・『エンジン』とは。


 俗に超能力と呼ばれる物を総じて、研究のうえでそう呼称する。あくまで仮定的な名称、呼称であり、ESP、サイと呼ばれる力と差異はない。依って、超能力者を原動力者エンジニアとここでは呼称される。


 また、霊的粒子マテリアルの項目でも見られる通り、原動力者エンジニア以外の異種多様な能力者については、原動力エンジン以上に不明な点が多く、ここでの記載は省く(別項目参照)。


 原動力エンジン三種五段階トリプルファイブに分けられる。



 第一種。テレキネシス。通称・『タイプA』。


 霊的粒子マテリアルの循環、反発による摩擦、衝撃などからなる、現象を操る能力。また物質に直接影響を及ぼすのもこの能力である。



 第二種。テレポート。通称・『タイプB』


 霊的粒子マテリアルの分散、拡散する性質と再結、固定される性質が引き起こす能力。未来予知と呼ばれる不確定不明細の因果率を感じとる思われるのもこの能力。



 第三種。テレパシー。通称・『タイプC』


 霊的粒子マテリアルの共鳴、融合する同一性反応の及ぼす能力。この人間の生きる物質界にとって、全ての物に『気』があるとされる以上、もっとも研究対象として最優先項目である。しかし、対象としての能力者を厳選するのがもっとも困難である。





 ──他。





 ─────





「くっそぉ。段々項目が増えてきてるじゃないか、トーノキ!」


「はは、そうでしょう、そうでしょう。これも全て、貴方を始め、皆の努力の証だと私は嬉しく思います」


「…………うん。皆が頑張ったから。…私も、皆の力になれるように頑張る」


「いえいえ、シャオシンさん。貴女は十二分に力になってくれていますよ。この国の言葉もよく覚えてくれました」


「…………トーノキの教え方が、すごく、上手いから」


「なんとなんと。この老いぼれに、そんな言葉をいただけるとは…とても誇らしく思えます。涙もちょちょ切れるとはこの事でしょう」


「…………ちょちょ切れる?涙、流れる。悲しい?トーノキ」


「ああ、ああ。ちょちょ切れると言うのはですね…」


「黙っててくれないか、二人とも!俺は明日の講演の為に頭に入れなくちゃならないことが、見ろ!山のようにあるんだっ」


「おやおや、モアさん。お疲れのようですね」


「ああ、見ての通り、聞いての通りだよ。疲れてるんだ、せめて静かにしてくれよ」


「それはそれは、いけませんね」


「…………いけないの?ちょちょ切れるより悪い?」


「シャオシン、頼むから…」


「そうだ、そうだ。この間いただいたお菓子があるんです。甘いものを摂ればイライラもおさまるはずです」


「お菓子?甘いもの!…食べたい。食べよ?モア」


「………」


「はてはて。どうしました?」


「お前ら…わざとか?」


「…………わざと?何?」


「シャオシン…だぁ!もぉ、わかったよ。茶を飲むんだろ。わかったからトーノキ、さっさと持ってこい!俺のぶんにはお前のとったおきの酒を一滴垂らしてこいよ」


「ええ、ええ、了解です。さてさて、シャオシンさんは何かご要望はおありですか?」


「…………ううん、大丈夫。…トーノキのお茶は美味しいし、モアと飲むお茶は楽しいから」


「ではては、ご期待に応えなくてはなりませんね、モアさん」


「…ったく。俺は別に普通だよ。うまい茶を飲むんだ。誰だってそうだろ?」





 扉の向こう。部屋をえた三人の会議はいつも騒がしい。


 ただ、いつも。同じ過去を共有し、同じ未来を想像していた。


これにて『怪の公式』編、終了です。


次回からは呪術師たちのお話になりますので、よろしくお願いいたします。


では、ではでは。


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