序章がわりの思い出話
(`□´)「再発せよ、中二病」
ι(`ロ´)ノ「さらけ出せ、黒歴史」
(`へ´*)ノ「これが作者の思い描く世界(の設定)だぁぁ」
と、言うわけで。
ヽ( ̄▽ ̄)ノ「前ふり(なんなん話)は約二千前後、本編(話数付き)は八千前後で書き直しました」
「魔術…んー、一般的には魔法かな?あとは魔導とか呼ばれたりもするね。けど、やっぱりお母さんは魔術ってのが一番好きかな」
少女の母が優しく少女の頭を撫でながら話して聞かす〃魔術〃の御話。少女は母が話してくれるこの話が殊更好きだった。ただ普段と違っていたのは今日はいつもの母の体験談では無く、魔術そのものに関する話だった、ということだ。
それでも構わないと、今日も座っていた母の膝の上を陣取ってねだったところだった。
そして、母は少女の名を呼び問いかける。
「魔術はどんなものか覚えてる?」
「火とか水を操るすごい力」
母は苦笑し、首を横に振った。少女は傾げて「ウーン」と可愛く唸る。
ますます笑みがこぼれ落ちそうになる母は堪えるために髪を手で溶かし始めた。もし、堪えきれず笑ってしまったら少女が膨れっ面になるのが目に見えているからだ。
「儀式とか魔法陣とか使うヤツ」
閃いたように、自信に満ちたように少女は言った。
「あー、魔法陣ってのは少し違うよ。けど、儀式ってのはいい線いってる。さっすが私の娘」
グリグリと頭を撫で回した。少女も嬉しそうにキャッキャとはしゃぐ。
「精霊とかの力を借りる……とか」
さらにうろ覚えの知識を母に褒めてもらおうと少女は言葉を紡ぐ。
「おっ、精霊か…正解。借りたりするよね。あとは魔獣とかね」
母がフフンと鼻を鳴らすように付け加えた。
「いやぁ、先生やあの人に見られたら親バカ言われそうだけど……やっぱ賢いわぁ、私の娘」
母が頬擦りしてくる。少女はそれを喜んで受け入れた。触れた肌の温もりがとても愛しく感じる瞬間が少女にとって最高の幸せだった。
「そんな賢い我が娘に魔術とは何か教えてしんぜよぉ」
「しんぜよぉ」
嬉しそうに母の言葉を繰り返す。
「魔術とは簡単で、単純で、純粋なもの」
互いの額を当てると母の優しい声がより一層近くで聞こえた。
「自分の意思で魔力を使うこと」
そう、それこそが魔術なのだ。
少女はこの日、魔術の真髄を教わった。
────
「今日から私、高校生なんだよ。お母さん。行ってくるね」
朝、畳部屋に構えられた仏前に供えられた花を差し替えて、写真の中で笑う母に挨拶をした。
あれから時の流れと共にいろんなものが変化した。
大好きだった母を失い少女は泣き崩れた日々を過ごした。
大好きだった母を失ったあの日から少女の世界は暗闇に包まれていたようだった。
しかし周囲の人々の優しさと、持ち前の心根の強さが少女を立ち上がらせた。
何よりも。
自身の中で確かに脈打つ〃大好きだった母〃から受け継いだ〃魔術〃が少女の根底を支えた。
「お母さん。私は最強にはなれないかもしれない」
俯けながら語りかける。「けど」と強い意思をもって顔を上げ、
「最高の魔術師になってみせるよ」
そう微笑んだ。
初期からの変更点。
①内容②内容の設定