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『おはよー!』
深刻そうな顔をしながら綾が近づいて来た。何やら雲行きが怪しい…
『蒼汰!何か願い叶わないょぉ…。』
『はぁ?』
『「は」じゃないし!』
『だって願い叶ったじゃんさ!』
『そうだけどぉ…綾の気持ち分かってないっしょ!蒼汰バカ!』
だから…何で俺バカなんだよ。
俺は言われるがままに…。綾にしろ春菜にしろ疲れるぜ…。
そっとその場から離れ席に着こうとした…
『ハァハァ…蒼汰さん!隆弘さん!ちょっと…』
ドアの所で息切らして俺達を手招きしてるヤツがいる…
海藤 泰16歳 中学からの後輩。サ-フィンやフットサルで鍛えてるスポ-ツマン。
『ヤス!どうしたん?隆弘、ちょっと!』
『なんだぉ!』
話を聞くとマジナイハ-トの話だった。ヤスは、願いに“ビッグ ウェ-ブに乗るチャンスをくれ”って。でも、端っこの方少し折れてしまったみたいだ。
『ヤス?マジナイ信じてんの?大体、そんなデカい波…来るわけねぇじゃんさぁ!なぁ隆弘!』
『え…でも台風近いらしいぜ!』
『そぅなんすよ!それで願いマジ叶うかもって…そしたら折れてるんすよぉ…あ〜!』
『マジ!でも何で俺に言うんだ?』
『蒼汰、何かヤケに詳しいだろ?俺、皆に言っちゃったもんよ!分からない事あったら蒼汰に聞けって……まずかった?』
隆弘……バカ!
『そぉっすよ!大丈夫かなって…俺結構オマジナイとか信じるタイプなんすよ!蒼汰さん。』
こいつらマジうぜぇ…
『大丈夫じゃん?知らないけど…。って言うか俺、神様か!』
俺は急いで廊下に出て、思い切り言ってやった。
『皆、聞け!俺は神様かぁ!知らねえもんは知らねえ!』
はぁ…スッキリした……はぁ!
気付いたら教室から出て来る者、窓から顔出す者…皆見ていた。
『蒼汰!どしたん?』
小真希なんか隣のクラスから走って出て来た。
『ん?まぁ気にすんな!』
頭を軽く叩いて教室に戻って行った。
教室に入って少し気になる事が…
それは…
綾達が小真希の事を見ていた。
この時は何見てんだって位だったが…