第六章 1 聖夜の涙
ん……ふぁ〜…
俺はアクビをしながら目をこすり、カ-テンを開けた。今日も晴天なり!
今日は今までにないくらい目覚めが良かった。
誰もが胸ふくらませ、甘い恋の予感を期待させる日…
そう、クリスマス…イブ…
学校も冬の休みに入り、羽を伸ばす時が来た!
24日を祭日にした人……マジ偉い!ありがとう!
そんな事を思いながら出掛ける準備を始めた。
朝からコマキと待ち合わせの約束。今日だけは待たせてはいけない!俺が先に行って待ってなきゃダメなんだ!
鏡の前に立ち、自分の顔を見つめる…
今日…決める!
朝シャンし、歯を磨き、スタイリング。たまに、笑顔の練習をし、何故か筋肉を動かす。ピアスを付け爽やか系の香水をさり気なく!
『蒼太…何してんの?パンツ一丁で…』
俺の行動を一部始終見ていた遥。俺は思わず赤面…
『うるせえな!見んなよ!』
『コマキちゃんでしょ?』
全てお見通し!と言わんばかりにニヤけ、そのままリビングの方へ歩いていった。
俺は気を取り直し再び鏡を見つめた。
サブっ!
裸でいたお陰で肌が冷たく…
何を思ったのかいきなり屈伸をし始めた俺…
そして、思いも寄らぬ出来事が俺を襲った……
バッ!
しゃがんだ瞬間に鋭く、少し切ない様な音…
俺はお尻に冷気を感じた。
やべぇ!
俺はすぐに立ち上がった。リビングの方が少し気になる。遥……絶対にいないでくれ!
恐る恐る見ると、隠れる様に見つめる遥が、そこにいた!
何でそこにいるんだよ……
涙をこらえ、自分の部屋へ戻る事に…
新しいパンツをはき、細めのダ-クデニムと白黒ボ-ダ-のモコモコセ-タ-。かるくシルバ-アクセを身に付け、羽織る上着を腰に巻いた。
準備は整った!
時間が少し気になる…。小走りで階段を下り、玄関でスニ-カ-の紐を結んでいた…
『クリスマスデ-トいいなぁ!』
遥の声がリビングから聞こえてきた…。なんだか不気味な程明るい声…
『遥は?』
朝からパジャマのままの遥。クリスマスにこれじゃ……。
『いないも〜ん!あ、蒼太!パンツ破るなよぉ!あと詰めが甘そうだからシッカリねぇ!』
な!言いたい事言いやがって…
俺は急いで靴を履き………
『クリスマス一人で寂しいな!サンタ泣いてるぞ?じゃ〜な遥!』
と捨て台詞をはき急いで玄関を飛び出した!
さぁ、デ-トだ!
朝の事は忘れて、思いっきり楽しむぞ!