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……冷たい
額に何か冷たさを感じた…
気持ちいいな…
俺は意識が朦朧とする中、ゆっくりと目を開けた…
視界がぼやける…
誰か俺の額に手を乗せてる……コマキ?
『蒼太…』
そんな訳ないか…俺ん家、来たことないし知るわけもない…
俺は再び目を閉じた。そして、深い闇へと…導かれて行く。
……今の声
お?また変な人だ!何で金髪になってんだよ!
それに今日は俺一人かよ!
いつも沢山の人に囲まれていた。何故か今日は俺一人…
『もうすぐアナタはいない人!願いが叶う意味を知る。』
いない人って意味がわからねえよ!
『おい!何なんだよ!マジ願い叶うって事なのか?いない人ってなんだよ!』
夢にしか出てこない人物。俺を見つめながら何も話さない…
『何とか言えって!この夢って……あ〜ムカつくなぁ!おめぇぶっ飛ばすぞ?』
『私はアナタとしか会う事が出来ないのです。そう、アナタは私なのです。』
はぁ?俺がお前?
……はぁ?
『んじゃとりあえず顔、ちゃんと見せろよ!』
『アナタが私の姿を見る時は、アナタが消える時です。』
えぇ!
んじゃ見なくていいや…
今日は結構喋れるな…。何話して良いかわからねぇ…
俺は、何処の空間かもわからない場所に座り込み、ジッと見つめていた。
『俺……どうなっちゃうの?』
……あれ?
目を開けると何故か闇。まだ…夢?俺…死んだ?
夢と現実の区別がつかない…
まだ、多少のだるさは残っていた。
俺はベッドから起き上がり、闇の中を歩き始めた…
ガッ!
痛っ!くぅぅ…
テ-ブルの角に小指をぶつけうずくまる俺…
痛みを感じる…俺…生きてるじゃん!
壁を頼りに電気のスイッチを探し、電気を付けた…
明かりが部屋を照らす。
いつもと変わらない部屋…
時計を見ると4:20…
ベッドに座り、ため息をついた。
いない人……。もうすぐ俺は消えるって事か?
ん?夢の人が言ったって事は誰かがそういう願いを書いた……って事か!だとしたらまだ、諦めるには早すぎる!
良かった…
コマキの事、家族、仲間……そして、自分自身…
生きてるなら諦める必要はない!今、出来ることから始めよう!そう誓い、部屋を出た…
まずは…腹ごしらえ…
『遥!腹減った!』
この時は、まだ気付いていなかった。隆弘からの電話とあの手紙の重大さに…
そして…夢の人の言葉の意味…
イブまで……後2日