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結局、コマキと静は俺達のいる屋上には来なかった…


俺達はチャイムと同時に階段を下り、教室へと…



途中、B組の前を横切る。少し通りずらいな…


隆弘はお構いなしに歩いていった。




そんな時…一人の男が窓からコッチを見ていた。




あれ…さっきの奴…また見てる…




180ない位の背丈の男。短髪で爽やかなタイプ。如何にもスポ-ツやってます!って顔してるよ!




まぁ、相手してもね…


隆弘も全く気にも止めない感じで前を素通り……止まった!



『お前よぉ、あんまなめんなよ?俺…敵に廻したら怖いよ?』



隆弘は前を見たままスポ-ツマンに聞こえる様に呟いた。そして教室に入っていった。



後ろから見ていた俺は、隆弘とスポ-ツマンの異様な空気をビシビシと感じる…


そして、ビビるかと思えば笑みを浮かべていた…







下校時間になり…



結局、コマキと会う事はなかった。




今日は久々に隣の街に繰り出す事にした。


何故って?正直言うと、コマキと静に逢ってしまうと気まずいから…



電車で五分。改札を抜け、フラフラと歩きながら話していた。



『なぁ、静は?』


『ん?喧嘩!いつもの事だから。』



隆弘は俺に微笑みながら話始めた…



『俺達はしょっちゅう喧嘩してるし、こんな事はマジしょっちゅうなんよ!ただ、今回は俺がやりすぎたって…。俺が謝るまで口利かないってよ!』


『はぁ…。』


『静にもコマキの事は言ってねぇ!』


『……謝らないん?』


『はぁ?男がんな簡単に頭下げて…バカだなぁ!』


『バカじゃねぇし!』


『蒼太は絶対に尻に敷かれるタイプだな!』


『うるせぇ!』



『っていうかさぁ、ここ…何処?』


『……さぁ!』




いつも通ってる街とは違い、久々に来たってのもあり少し迷子気味の俺達…



来た道を戻ってみたり、冒険してみたり………ドツボにハマったらしい…



気づくと空は真っ暗に…。歩き疲れ、俺も隆弘も足が棒に…



そんな中、同じ学校の制服を着た人を発見!



『蒼太、うちの奴等じゃん?女もいる!行こうぜ?』


『…女はいらねえけど…早く帰りてぇ…』



ショップの前で商品を見ているらしい。俺達は疲れた体に鞭を打つように歩いた。




いくら歩いてもたどり着かない…。まるで砂漠を歩いてる心境…



徐々に距離が縮んでいく……!



『何だよ、男連れかよ!それも、随分とでけぇなぁ!』


隆弘は残念そうな表情を浮かべながら歩く。


『……おい、蒼太!あれ…』



隆弘は思わず生唾を飲んだ。


俺もすぐに気付いた!その制服を着た人達は、コマキと三橋だと…




『やっぱりアイツが三橋だった!』


隆弘の歩くスピードが徐々に加速していく!今にも殴り掛かりそうな勢いだ!



逆に俺はどんどん失速していった…



『隆弘?……もういいや…』


『え?』


隆弘は驚いた表情で俺を見つめた。




所詮、噂話……

心の何処かで信じてなかったんだろう…




コマキがそんな事…




実際に自分の目で見てしまうと……諦めも付くかな……




俺はコマキを目の前にし立ち止まった。そして何も言わず引き返した。




こうしてコマキとの距離が徐々に遠ざかっていった…



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