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最近、毎日の様に夢を見る…オマジナイの夢。
また、変な人だ…
『皆さん!一度しか言いません。これは一度きりの願いです。くれぐれも慎重に!』
一度きりのチャンスか…
『あのぉ…』
また途中で目が覚めてしまった。夢の続きを見ようと、二度寝をしても違う夢…
その日は遅刻してしまった。
夢の事を考えながら歩いていた…
『マジナイ ハ-トでしょ?知ってるしぃ!』
ヨソの学校の制服…。マジかよ!
うちの学校だけじゃなく、他校にまで広がっていたんだ!
そんな時…
ホ-ホケキョ♪
相変わらず間抜けな着信音が鳴り響いた。その相手は隆弘。
『んぁ!どしたん?』
『どしたじゃねぇ!出たんだよ!』
『はぁ?意味意味!主語がねぇ!』
『マジナイだよ!叶ったってよ!』
『はぃー!』
マジナイが叶う?んな訳ねぇ…。まぁ、たまたまだよな…。
少し気になり急いで学校へ向かう事にした。
教室に入るとクラス全体が騒がしかった。俺も急いでその輪に飛び込んだ!
『おぃ!おはよ。隆弘?』
『蒼汰、普通に遅刻すんなよ!』
『しょうないじゃん、二度寝しちゃったし!んで誰なん?』
『綾だょぉ!めちゃすげくない?』
綾は、ピアスをチラつかせていた。半年位前からずっと探していて、ほぼ諦め始めていた。そんな時、ハ-トに心を込めて書いた…みたいだ。
『一週間もしないうちに見つかったよぉ〜!めちゃ良かったぁ!』
…あ、なんか可愛い。
ピアスか…まぐれだな。たまたま見つかっただけだよな…。
『また書いちゃお!ねぇねぇ、春菜?どうしよっかぁ!』
『あ〜や!私まだ書いてないんだけど!でも、マジ効くんだね…このオマジナイ!』
そう言えば夢で一度きりのチャンスって言ってたな…
『なぁ綾!このマジナイ一度きりだぞ!』
『はぁ?何それぇ…ダメじゃない?』
『そんなん言われたってしょうないじゃん…。』
『だってピアス……マジありえないじゃん!蒼汰バカ!』
な、なんで俺なんだよ…。
文句言いながらも願いを書く綾。ギャル集団は願いが叶うオマジナイを本気で信じ始めた。