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扉を開くと店内は薄暗く、独特な香りが漂っていた。
店内をゆっくりと歩いて廻っていた。そんな時…
『蒼太、蒼太!』
後ろを歩いていたコマキ。何か見つけたみたいだ。
俺は『ん?』って振り向き…
『わっ!』
コマキは、赤い毛糸で巻いたおっきな人形を顔の前に突き出した。
『何だろねぇ、これ…』
不思議そうな顔をするコマキ。でも、何だか楽しそうだ。人形の手足を動かして遊び始めた。
『なんかコマキに似てんな。』
『そぉ?……ありえないけどぉ!』
笑みを零すコマキ。人形を元の位置に戻し他の人形に手を出す。
俺は、その人形を手にし棚を見た。
……何か書いてある。
アジアで人気のポッポア-ジュ…
ポッポア-ジュ?
なになに?これを身近な所に置いておくと幸せになれる……
んな訳……
その人形を置き、周りの人形を見回した…
あれ?いろんな国の人形…。それも、幸せになれるとか願いが叶うって言う歌い文句ばかりだ!
……ん?もしや…
『蒼太?どしたん?これ、可愛い……蒼太!』
俺は、コマキに話しかけられても気付かないフリをし、あるものを探していた…
そのあるものとは…
ここは…フランス。
ここは…ブラジル…日本は…
……あった!
俺が手にした物、それは…
マジナイハ-ト関連のグッツ。
マジナイハ-ト用色紙やハサミ。
ハ-ト保管ケ-スなんてのもある……それも可愛い!
ん?これも何か書いてある…
日本で一番人気のマジナイハ-ト!誰もが叶うオマジナイだよ!知らない人はもういない!皆で幸せになろう!
おいおい…ガセだぞ!それに俺が考えたマジナイ…特許申請しときゃ良かったよ……
いてっ!
後ろから物を投げてくる……コマキ!
『蒼太!コマキをほったらかすな!』
『ごめん…コマキ、これ!』
俺は、マジナイグッツをコマキに手渡した。
『あぁ!マジナイだぁ!それもピンクいねぇ!めちゃ可愛い!』
コマキは、ピンク色のハ-ト模様の写真立てみたいなケ-スを微笑みながら見つめていた。そして…
『蒼太…これ、可愛い!』
『……あぁ』
コマキ…その笑顔…ずるいぞ!
このパタ-ンは買ってくれって言うサイン…。
俺は嬉しそうにしているコマキを見ていると幸せな気分になる……でも、今は見てはいけない時なんだ!
『うん、可愛いね!良かったね!じゃ行こうか!』
俺は即座に店を出ようと…
…は、早い!
シャツを掴む手…。こういう時のコマキはとても素早い!陸上選手でも勝てないだろう…
『蒼太?』
可愛いく微笑むコマキ。その笑みは可愛いくもあり怖くもあった…。そして買わされる事に…
でも、噂だけにとどまらず、商品化するとは…。
確かに周りでも叶う叶わないと言う噂は耳にしていた。
まさか…ホントに叶う……のか?