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 隆弘も静もいない。珍しく二人で帰る事に…



 いつもと少し違うシチュエーション。心なしかお互い意識してる様な気がした…




 そんな時…




『あの〜先輩…。』




 俺は振り向いた…。そこにいたのは坊主頭のチャラチャラとシルバーを付けた男が一人立っていた。



 何だこのガラの悪い坊主頭は…。女もいるし、もぅ年なんだから…もめ事はヤダよ!



『蒼汰?ゲーセン行こ?』


『……うん。』


 気を効かせてなのか、邪魔されたくないだけなのか、コマキは俺の腕をグイグイと引っ張り店に入ろうとする。



 こんなヤツと関わるよりかは…良いかもな。俺達は店に入ろうとした。



『椎名先輩…ですよね?俺、有弥って言います。ちょっと話が…。』


 麻生あそう 有弥ゆうや16歳 外見は危険な香りのするタイプ。坊主にピアス。シルバーアクセを全身に散らばしてる男。




 話?絡むんなら他にしろ!俺は忙しいんだよ!







『ゆ〜う〜やぁ!』



 ……ん?誰か遠くから大声だしながら走ってくる……俺は目を細め……げっ!特殊系女だ!



『有弥早いしぃ!ねぇ?椎名先輩だったでしょぉ?』


『ハァァァ…疲れたぉぉ。椎名先輩こんちゃ!』



 なおに沙耶…だったっけ?



 ってか…このパタ-ンは…コマキが…俺は恐る恐る横目で……



『あぁ!なぉちぃじゃぁん!』


『こんちゃ!コマキ先輩!』



『はぁ?何だこれ…。』




 コマキとなおは同じ中学出身で、昔から仲が良かった。




『んじゃミクロキッズ…コマキをよろしくなぁ!コマキもミクロキッズかぁ!じゃあなぁ!…あれ?』



 シッカリと俺のシャツを握っていたコマキ。絶対逃げられない…そう思う一瞬だった。


『蒼汰!プリ撮るからねぇ!』


 目が笑ってねぇ…


『…はぃ。』


『コマキ先輩めちゃカックィィねぇ!椎名先輩……頑張ってね!』



 ……どっちだっけ?……あぁ!なおだ…何か人事だよな…。俺は奴隷か!



 結局プリクラを撮る事に…。店を出ると外には有弥が…。終わるまでずっと外で待っていた…。余程の訳って事?どうしたんだろ…。



『ずっと待ってたんか?』


『はい!』


『どうした?』


『椎名先輩…ヤスの事なんすけど、明日止められないっすかね?かなりヤバいっすよ!』



 そういう事か…。心配…だよな。



『有弥って言ったっけ?…悪いな…俺も出来るだけの事はしたよ!ヤスの頑固は知ってんだろ?明日、俺も行く!何かあったら必ず助けるから……。』



『マジっすか?俺も行きます!絶対行きます。』


『沙耶も行くぉぉ!』


『なおもぉ!』


『コマキもぉ!』


『な!』



 どさくさに紛れて……。まぁ…マジナイだってガセだし、遊びに毛が生えた様なもんだろ!何も起こらない!




 そぅ願うしかない…




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