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自分の教室に戻ったのはいいんだけど、隆弘のヤツ休みやがった…
こんなんなら学校休みになりゃいいのにさ…
『おはよ!』
『はょぉ!休んだかと思ったじゃん!』
こんな日でもちゃんと学校に来るんだな…。
綾と春菜は化粧をしていた。時間がなかったらしく学校に来て、二人楽しみながら自分の顔を改造!
朝のニュ-スでは、明後日には関東に直撃するだろう。注意してくれだと…。たしかに天気予報を見ると一目瞭然。南から大型台風が北上。まさに映画並みの大接近だな…
ヤスのヤツ、今日から準備か?人の気も知らないで…どうなっても知らないぞ…。
外は強風。窓がガタガタ…今にも割れそうな勢いだな…。
昼休みになり、コマキと屋上の階段ホ-ルで飯にした。
『はぁぁ…すげぇ風ですなぁ。』
『……そうですなぁ。』
二人ポォ-っと口を開けながら外を眺めていた。
『俺の後輩のヤスってのが、明日波乗りやるとか言ってんだよ。』
『えぇ?ヤバくない?良く分かんないけどぉ…。』
コマキが作った弁当を食べながら外を見る。
『やべぇよな…。』
コマキも箸を口にくわえたまま頷き、外を眺めていた。
『俺…やっぱ帰るわ!』
『うん……え!蒼汰…帰っちゃうのぉ?やだやだやだ…。』
『嫌だ言われてもなぁ…。静と遊べ!』
『シ-ちゃん休んだもん……はぁ…寂しいなぁ…。』
『イジケ虫!』
『だってぇ…え〜ん。』
泣きマネをするコマキ。そんなコマキを可愛いと思ってしまう俺…
『あ!携帯!TELすればいいじゃん?』
『お!』
何で気付かなかったんだろう…。電話すれば全てが完璧におさまるじゃん!
プップップップッ…電波の届かな…ピッ!
『出ねぇし…。』
『嫌だ!帰らないで!』
困ったな…。ヤス心配だし、ワガママ姫はダ-ダ-言うしで…疲れるぜ…
隆弘に電話してみるか…
……テュルルル
早く出ろよなぁ…
『あぁ?どうした?』
『で…た!どうしたじゃねぇよ!今何処いんの?』
『今?ヤスん所。』
マジ!奇跡じゃん!俺のおかげじゃん!
『マジ!ちょっとヤスに変わって?』
『お!』
『はぃ!どぅしました?』
『どぅしましたじゃねぇよ!親の心子知らずってのはお前の事だ!』
『すんません…。』
結局、俺の努力は報われず明日の朝、海に向かう頑固なヤス。何かあったらヤバいから時間と場所を聞き、現地で待ち合わせする事になった。






