第一章 1 マジナイハ-ト
『ねぇねぇ、知ってる?マジナイハ-ト!』
『え?何それぇ!知らな〜い』
マジナイハ-トとは、男は水色の紙に、女はピンクの紙に願いや妄想を書いて願う、いわいる魔法のオマジナイ。紙に書いたお願いの紙を二つのハサミでハ-ト型に切り、大切に保管する。
注:ハ-ト型に切った紙を…
汚すと汚れた願いに…
破ると願いが叶わなく…
折り曲げるとひねくれた願いに…
綺麗に残しておかないと思い通りの願いは叶わないのだ。
このオマジナイを広めたのは俺、椎名 蒼汰。
高校二年のバカな男。勉強もしないでカラオケやビリヤード…遊んでばかりの人生をおくっていた。
少し変わっている性格で、妄想癖がある。一人になると自然と妄想して楽しんでいた。
ある時、変な夢を見た。
それは…
夢の中で皆で男は水色の紙を、女はピンクの紙をハ-ト型に切っていたんだ。そして、願を書いて大事な物、思い出の場所にしまい保管していた。
俺も皆のマネをし、アルバムに挟んで大事に保管。
途中、変な人が出て来て…
『汚したり、破ったり、折り曲げたりしないで下さい。思い通りの願いが叶わなくなります。』
願い?
俺は、フッて鼻で笑いながら教室を出ていった。
そこで夢は覚めた。
俺は夢の中で“これは覚えておくぞ”って。いつもは夢なんてすぐに忘れてしまう…のだが、この夢だけは…
この夢…マジナイをネタにして、女友達を増やすか!あわよくば…
そんなくだらない欲望からこのオマジナイは始まった。