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ラブワールド  作者: ササデササ
年下の旦那様
26/64

今日だけは2人が良かった。

 3連休3日目。

 私は朝からログインした。

 肉じゃがを2回作り、お仕事に出かけた。

 最後に、スーパーで食材の補充をしようとした時である。

 私のスマートフォンにメールが届いた。


『お昼頃に帰れそうだよ! 一緒に遊ぼうね!!』


 ゴーダ君からのメールである。

 私はすかさず返信。


『分かったよ。疲労度とか回復しておくね』


 胸がドキドキ。ワクワク。

 私はスーパーで寄り道せず必要な食材だけを買い、家に戻った。

 家について直ぐだった。

 また、メールである。


『今日も遊びませんかですじゃ。カラオケがあるらしいですじゃ』


 これはイチローさんからのメールだ。

 私は断った。

 旦那が帰ってくるので遊べない、と。

 イチローさんは粘った。

 ダブルデートはいかがですか、と。

 3回目の粘りに、私は負けてしまった。


『夫に聞いてみますね』


 そう返信してから、ゴーダ君にメールをした。

 彼の返信は早かった。


『オーケーだよ。みんなで遊ぼっ!』


 全然乙女心を読んでくれない男だった。

 いや、あるいは、というかかなりの確率で、ゴーダ君は私を仮想妻としか見ていない。

 恋愛対象として見ていないのではないだろうか? 

 なんだかそんな気がする。

 いや、それが普通な気がする。

 こっちは、胸がドキドキワクワクしているのにだ。

 中々返信できない。

 いやだ。

 2人きりで遊びたい。

 今日だけは、2人きりが良い。

 私はイチローさんに返信する前に、一度ログアウトした。

 アキコに電話するためだ。

 アキコは専業主婦をしており、この時間、家族が出かけてお昼前の時間は、電話がつながりやすいはずだ。


「もしもし」


 アキコは3コール目ですぐに電話に出た。


「もしもし。私よ。恵子」


「うん。どうしたの?」


 私はラブワールドで、友達と恋人に同時に誘われた事を告白した。


「なんだ。それなら、遠慮なくダブルデートで良いじゃない?

 意外と2人きりより、緊張しないダブルデートの時の方が、距離感縮まるかもよ」


 アキコはダブルデート賛成派らしい。

 かくいう私も、正直、ゴーダ君の答えがYESだった時点で、何の言い訳も思いつかなかった。

 イチローさんの誘いを断る理由を失っていた。


「分かった。ごめんね。お昼前に変な電話して」


「ううん。友達の恋話は楽しいよ。じゃ、頑張ってね!」 


 こうして、私は、私たちは、カラオケに行くことになった。

 私はゴーダ君が返ってくるまで、アバターをベッドに寝かせながら、リアルお昼の支度をした。

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