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ラブワールド  作者: ササデササ
年下の旦那様
23/64

初友達

 私がリアルスコアを告白すると、待っているのは大笑いだと、経験上予測したのだけれど、2人は平然としていた。


「だいじょーぶだよ! ゲームとリアルじゃ勝手が違うしね」


「こういうのは、楽しんだもの勝ちですじゃ」


 と微妙に気を使わせて入るけれど、すんなり受け入れてくれていた。


 さて、いよいよゲームスタートだ。

 最初はミーナさん。

 彼女はピンを7本と2本で9点稼いだ。


 次は私の番だ。

 右側に投げ、スピンをかけ、ストライクを狙う。

 なんて高度なことはできない。

 ただただ、真ん中真直ぐを狙うのだ。

 事件はこの時起きた。

 胸の前に構え、真ん中真ん中と心の中で唱えながら、私は玉を投げた。

 玉はぶれる事無く真直ぐピンに向かい、見事9本倒した。

 左端のピンが残った。

 2投目。

 私は左端のピンを狙って、左端に球を投げた。球種はもちろんストレート。

 私は、念願の、リアルじゃ滅多に取れない、取った記憶が殆どない、スペアを記録した。


「やったー! やりましたよ!」


 私は思わず叫んでしまった。

 笑顔で迎えてくれるミーナさんに、ハイタッチ。


「やるじゃん!」


 と褒めてくれた。




 以降、私は次々スペアとストライクを記録していく。

 結果、184点だった。 

 ミーナさん119、イチローさん139のなか、私は184点だった。

 2人とも何度も褒めてくれていた。

 まるで、リアルの私の下手さを知っているかのように、大げさに褒めてくれた。


 ゴーダ君が言うように、私はラブワールドの才能があるのかもしれない。

 その後も、1ゲーム100円のボーリングを何度も遊んだ。

 スコアは少しずつ伸び、最後には200点オーバーを記録した。

 私は確かな手応えと、かなりの充実感を胸に、スマートフォンでステータスを確認してみる。

 少し、リアルに戻るのが嫌だったが、そろそろ倒れる時間だったので、ログアウトする事にした。


「そうじゃ。メール交換しましょうですじゃ」


 とイチローさんの提案で、私たちはゲーム内のメーアドレスを交換した。

 何でも、フレンド登録よりは緩い繋がりなのらしいけれど、イチローさんとミーナさんの説明はよく分からなかった。

 私は友達と仕事関係の人しか、メール交換しない主義だ。

 そして、もう、2人を友達と認識している。


 私はメールアドレス交換を快く了解した。

 

 私の予想は当たっていた。

 2人は悪い人じゃなさそうだ。

 こうして、ラブワールド初、私はゴーダ君以外の友達ができた。

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