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ラブワールド  作者: ササデササ
年下の旦那様
19/64

増築したよ。

 三日目のラブワールドは、特に変わったことはなかった。

 あ、あった。

 昨日、お注射レベルが上がったので、早速レベル2のお仕事に挑戦した。

 2本だった注射が、5本に増えただけで、難易度はさほど上がらず、私は67人に注射できた。

 でも、1人単価は倍だった。

 つまり1人に注射するたびに、私は20円を稼ぐのだ。

 ゴーダ君が褒めてくれたのもあって、嬉しかった。

 



 四日目のラブワールドは、家の改築をした。

 なんでも、最初は1万円で改築できるらしい。


「どうする? 横に広げる? それとも二階建てにする?」


 ゴーダ君は私の意見を尊重してくれるらしく、聞いてくる。

 しかし、私には分からない。


「どうして、二階建てにするのと、土地を買って増築するのが、同じ値段なの? 納得できないわ」


「だから、それは、ゲームだから」


「そうだけれど……」


 確かに増える居住スペースはどちらも2倍だけれど、同じ値段なのはおかしいと思う。


 私はお得な方を選んだ。


「土地も家も手に入れるわよ!」


「りょーかい」


 ちなみに、家賃は6000円になるらしい。

 2人で割って3000円。


「お金に余裕があるのも夫婦の特権だよね」


 リアルじゃそうはいかないだろうけれど、簡単に共稼ぎ主婦ができるこのゲームでは、その通りだった。

 しかも、毎月、課金するごとに、ゲーム内でも5000円振り込まれる。

 

 最初からある場所を、キッチンとリビング専用空間にした。

 増えた場所は半分にしきりをして、2部屋作った。

 1つは寝室。1つは書斎。

 こうして、私たちは2つの部屋を手に入れた。

 

 ちなみに、建築業者はいなかった。

 ゴーダ君がスマートフォンで手続きを済ませ、一度ログインログアウトを、つまりは再入場をすれば、もう家は増築されていた。


 お金にはまだ余裕がある。

 私たちは、家具も買うことにした。

 と言っても、ベッドとキッチンテーブル椅子セットを買ったぐらいだ。

 どちらも1000円で、中々に高価だった。


「いや、リアルで1000円で買えるベッドなんてないからね」


 とゴーダ君は言っていたが、その通りだと思った。

 このゲームは、私の金銭感覚を狂わす、恐ろしいゲームだ。

 

 そして、5日目はなかった。

 私が夜勤だったからだ。 

 

 6日目。

 明休、定休、定休の三連休の初日。

 私は、初めての1人きりのラブワールドを体験する。

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