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ぐぁああああぁあぁぁ‼
「気持ち悪ぃ奴だ。」
残り数メートル。護りの体制をとるのと同時に、真上に突き上げられた。すかさず両手に銃を持つ。
ちぃ・・
銃口をパックリと開いたいる口に向けた。
パンッ・・パンッ・・・!!
2つの銃弾はまっすぐに化け物の額をめがけてとんでいく。
そして・・・・
「ったく・・ちょっと静かにやれよな。アイツ。」
ソーエンは歩みをとめ、後ろを振り返った。
「にしても、人間の悲鳴じゃないよね。」
「あぁ。」
アデルは何をしようとしているのか。
経歴一切不明の研究者ーーー?
そもそも王国がそんな人間雇うだろうか。ソーエンもクレイシーも、これから先の事に嫌な予感しかしなかった。
ドサッ‼
エヴァンが着地すると、化け物は眉間を大きすぎる手でおさえていた。悲鳴にならない悲鳴で痛みに悶えている。その様子を確かめながら、化け物から距離をとった。純銀の弾は確実に脳内を蝕んでいるようだ。
ぅうぅぅぐぁぁああぁぁ
「哀れな魂の成した姿なのか知らないが、無様に召されてくれ。」
エヴァンは胸の前で十字をきった。