「いただきます‼」
アレナは元気な声で言った。アデルも手を合わせると、カチカチとフォークやナイフのこすれる音が響いた。
「アデルはお食事のときも手袋をするのね。」
「これですか?」
アデルは革製の黒い手袋をみせた。
「僕は毎日薬品を扱っているので手袋を使うんですが、なにぶん研究室にこもる事も多いもので、していないと落ち着かないんですよ。」
「そうなの。研究は順調なの?」
アレナは両肘をテーブルにつけ興味心身で聞いた。アデルは口元を拭くと言った。
「その件についてなんですが、女王陛下。試作の戦闘員の事でお話が。」
「戦闘員?どうしたの?」
「実は危険対象であると判断し弾圧致しましたテイバ達が、我々に復讐をと近々王国を襲撃するとうような情報が入りました。」
その話にアレナの顔に緊張感が見えていた。
「つきましては、先程申し上げました私の試作品を使わせて頂きたいと。」
「彼等を殺すの?」
しばらくして、アレナは口を開いた。
「・・・いえ。少し痛めつけてやるだけです。」
「そう。それなら構わないわ。でも、出来るなら暴力的な解決がいいわ。」
アレナは安心したように口元を緩めた。
「かしこまりました。では今晩、テイバ達の拠点へ参ります。」
アデルはその言葉を聞くと、残りの食事を手早く済ませ食堂を出て行った。
意識がもどってくるーーーー
私は一体どうなってしまったのだろうかーーーー
自分の身体を動かしてみると、随分動かしていなかったせいか違和感を感じた。周りを触ると、透明な入れ物に入れられているのだろうか。不意に自分の両手を目にした時だった。自分が知っている手じゃない。もっと小さかった。
これはーーー