酒合戦と馬鹿官僚
あらすじ 酒合戦だ!吐くまで飲むぞ!!
はいたらさけがもったいないねー(by酒精神)
酒盛りシーンが嫌いな方は回れ右ね。しばらく酒盛りだけで話が進むから。
数週間後、各国の大使に招待状を出し酒合戦の挑戦状を出した。
挑戦に応じないものの見物にという大使も多く、何故か各国の王族やらなんやらが参加表明したり見物に来たりしている。
こいつら実は暇だろう!
「いえ、国元にいる家臣団が優秀でなぁ・・・・・任せられるんじゃよ。」(by某国国王)
某国の家臣団の涙目が目に浮かぶようだ・・・・・・・・・反乱起こされるなよ。
主催が我が国ということで準備にてんてこ舞いとなっている。
各国から選りすぐりの酒豪が集められ酒盛りが始まっているところがある。
そんな早くから飲んでいたら本戦でつぶれてしまうだろう。
この日ばかりは警備上の理由から市場を閉鎖してしまうことにした。
次の日に平民向けの酒合戦をすることにしているのでそれで勘弁を・・・・・・・・
まさか、王侯貴族ぞろぞろの場になってしまったことに緊張している市場の商店主達……普段は農家のおじちゃんおばちゃんやら小商いの商人たちは緊張してコチコチである。
わからんでもないけどね。とりあえず無礼うちは勘弁してもらうことにする。
「まぁ、平民に礼法とか期待するのが間違いなのだよ。それにこれは祭りだ!」(by聖徒王国第一公爵)
「嫌ならば受け答えは家来にやらせておけば礼儀知らずに関わることもなかろう。」(by綿羊国某族長)
ごもっともで・・・・・・・
酒とかの用意は市場の協力を得ているけど給仕は性愛神殿経営の娼館とか酒場から綺麗所を呼んで応対させている。見物の衆は美人に酌をしてもらって鼻の下を伸ばしている。女性陣の為に美形の酌夫も用意しているからそっちも問題なし!
酒も我が国の酒のほかに各国の酒を用意しておいてある。
この時ばかりは商会公の実力がものを言うねぇ……
さて、私も孤児姉の酌をさせてほろ酔い気分で酒合戦の開始を宣言する!
ちなみ酒合戦のルールは
1、三人一組で誰か一人でも潰れたら負け。粗相や絡み酒も潰れたとみなす。
2、飲む順番や飲み方は自由。一人で限界ぎりぎりまで飲んで交代してもよいし、三人で飲み尽くしてもよい。
3、解毒魔法や薬物その他それに類する方法の使用は禁止。
4、便所で吐いて酒を抜いたりすることも禁止。
5、つまみは持参でも用意されたものでもよい。ただし、前項3に抵触しないものとする。
一応、王家秘蔵の酒一瓶とつまみのセットが優勝賞品として用意してある。
後は大杯!
さて始まりますよ。解説の酒精神様よろしくお願いします。
はいはい、よろしくねー(by酒精神)
まずは果実酒を一樽である。
「さぁ、酒合戦は開始となりました・・・・・・・・解説の酒精神様どこの国が有力だと思われますか?」
そーだねー、酒に強い竜族と鬼族で固めた魔王国とか酒席無双の姫巫女と蟒蛇族を投入した極東国なんかが有力だねー・ あとは、常に火酒を嗜んでいる酔っ払い天国の極北連合なんかもいい成績残すんじゃないかなー?どちらにしてもいろいろ面白い展開になりそーだねー(by酒精神)
「ここで、一気に樽をあけた剛の者がいる!!魔王国の鬼族随行員だ!!すごい!樽を持ち上げて一気飲みとは鬼族の膂力と酒の強さに任せた力技だ!! ああ!鬼族の随行員竜族の大使から殴られている!」
そりゃそーだねー、酒を独り占めしたんだから(by酒精神)
あっ、鬼族随行員正座させられている。
それにしても各国の飲み方はい色々あるねぇ…・
塩をつまみにしているのは西南諸島連合だし、食べ物をこれ見よがしに並べて食べているのか飲んでいるのかわからないのは西部平原国家、美人の酌婦を自ら用意して悠然と飲んでいるのは南方商業連合か?ところで車座になって一人飲んでは次の者に盃を回して囃し立てているのはどこの国だろう?
♪それ何某のちょっといいとこ見てみたい♪
一気一気一気一気・・・・・・・・もういっちょ!
そらのめやれのめのみまくれ~♪
あれはねー異世界人の組だねー
飲むときに掛け声をかけてそれに合わせて飲むのが彼らの流儀らしーよー(by酒精神)
「なるほど、さすが酒精神様。酒に関しては万全ですねぇ…・」
それほどでもあるよー。孤児姉ちゃんこっちにも頂戴ねー(by酒精神)
この様子を見ている各国の王族も我等も負けじと騒いでいる。ところで金貨が回っているけど何しているの貴方達。
「もちろん最初に潰れる組を賭けているのさ!因みに我は西部平原国家が最初に潰れると思っているのだが・・・・・・・・」
「つまみもなしに飲んでいる洛陽国の呑兵衛達もすぐに潰れそうだがなぁ・・・・・」
「慣れない果実酒で苦戦している極東もつらそうだな・・・・・・・・」
「それでも極東は蟒蛇の青年が楽しんでいるねぇ・・・・・歌い始めたよ……」
そして我らが官僚達は?
えっと、何しているんだい?
果実酒のつまみに火酒?つまみはそれなりにあるけど………お前ら馬鹿か!!
「だって酒精が足りないから・・・・・・・・」
「いやぁ、久々の酒だし・・・・・・・・なぁ、近衛文官。」
「そうだとも、しかしこの酒は旨いなぁ・・・・・どこの銘柄だ?」
突っ込み所満載な非常識な酒盛りに唖然とする各国の代表たち。
それについていけるのは蟒蛇族のいる極東か魔王国位なものだろう?
官僚達はあるちゅうだからねー(by酒精神)
あちらこちらで酔いが回り始めている者たちがいる。
参加表明した西南交易都市国の老王と大使達は早々と白旗を上げているし、東南緩衝地帯国の色黒の随行員は便所に駆け込んでいる・・・・・・・飲みすぎだろう。大使達はほとんど色づいていないから若さに任せて彼に一気飲みとかさせたのか?
参加している代表の中に医者に酒を止められているのに飲んでいて・・・・・・・・あれ、大使の奥方とそのお付らしいのに見つかって説教されているのが見えるが・・・・・・・・あれは霜降国の大使だったかな?
随行員と本国から呼ばれたらしい酒豪氏は大使を放置して歌いながら飲んでいるし・・・・・・・・・酒の肴にしてないか?これは反則負けかなぁ?
一人潰れているも当然だから負けだねー(by酒精神)
「でも、大使を放置して飲んでいる二人は?」
いいんじゃないー、飲む分にはー(by酒精神)
そうこうしているうちに時間が来て果実酒の時間が終わる。
その時点で飲み切れて居ない組、戦線離脱を表明した組とかが三割ほどいる。
ちなみに一番最初に潰れたのは東南城塞都市伯国の組で転んで樽をぶちまけてしまい反則負けとなってしまったのである。
「ううっ、酒が飲めなかった(涙」(by転んだ東南城塞都市伯国随行員@簀巻き)
「大使、客席で飲み直しますか・・・・・・・・」
「そうだな、この馬鹿随行員は放置しておいて」
酷いなぁ・・・・・
酒合戦は次の局面に続く。
お酒は楽しく適量を、ちなみに異世界人の囃し歌は一気飲みのコールです。
一気飲みは危険ですのでやめましょう。