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田舎貴族と事務官長

あらすじ 王妃をどついて反省中、孤児たちは後始末で涙目・・・・・・

あの後、酷い目にあった。

宰相閣下と国王陛下にいくら王妃が(公の場でかけないような表現)で(国家機密)な(作者による自主削除)だからって張扇を振り回していい理由にはならないと懇々と説教された。

隣で王妃が王妃付事務官長保護命令書を書かされているし・・・・・・・・・


えっ!その前に捕獲命令を出したって?

早く取り消せ!!


そんなことしたら事務官長の安全が・・・・・・・・・・


「王妃様、事務官長を捕獲いたしました!」

部屋に入ってきた武官が王妃に報告する。

「で、事務官長はどんな状態だ?」

「少々旅の疲れがありますが健康です。一応貴人牢に捕獲してあります。」

「うわぁ!!早く釈放してやれ!!出来ればここに連れて来い!」

「はっ!」


武官が急ぎ足で回れ右をする。牢番に無体されなければ良いけど・・・・・・・・

奴は男でもイケル口だからなぁ・・・・・・・


こんなことが王妹殿下(へんたい)に知られたら・・・・・・・・

ぴきーん☆ ネタの神様が降りてきた(by王妹殿下(へんたい)



暫くして連れてこられた王妃付事務官長、旅の垢を落とす暇もなくやつれている・・・・・・・・

ひでぇ、誰だよこんな過酷な事を命じた馬鹿は・・・・・・

その場にいる者が王妃に視線を送れば、王妃は視線をそらす。


「王妃付事務官長よ、体のほうは大丈夫かね?」

「はい、陛下体のほうは疲れてはいますが大丈夫です。何故に呼ばれたのかお教え願えますか?私自身の身であればいくらでも覚悟出来ておりますので。」

「そう、鯱ばらずとも良い。君に無体をしいた事を詫びたい。」

「陛下、頭を下げる必要は御座いません。悪いのは其処にいる王妃様でしょうから!」


うわぁ、温厚な事務官長が怒っているよ。どんな事したら彼をここまで怒らせることが出来るのか知りたいが知りたくもないな。

「事務官長、王妃が嫌ならば宰相府に戻らないか?」

「閣下田舎に引き篭もりたく存じます。」

「王室顧問と同じ反応だな、王室顧問説得は出来ないか?」

「私も心情的には彼と同じですので無理です。せめて王妃の首でも持参出来るならば別ですけど。」

「そんなものは要りませんので帰してください!」

「だめですね、私より頑なになっています。」


そんな物扱いされた王妃はへこんでいる。たまには良い薬だ。

「陛下、とりあえず事務官長を休ませましょう。」

宰相閣下の良識的な意見は即差に受け入れられた。


「陛下、王妃様のやり口はあまりに酷いのでうちの子達を引き上げさせて宜しいでしょうか?流石に後見として受け入れがたく存じます。」

「・・・・・・・・・・・・仕方ない、後王妃が連れて行った分は王妃化粧費から出させる。」

「わかりました後で計算して請求書を回します。」

こっちの意見も受け入れられた・・・・・・・・・ 今すぐ回収に行かないと・・・・・・・・


事務官長を連れて王妃執務室に向かう・・・・・・・・・王妃付の侍女や女官は謹慎させられているから、誰も作業する人がいない・・・・・・・・・・其処に取り残されている孤児達が心配だ・・・・・・・・・何処かの貴族達に狙われないかが心配である・・・・・・・・

事務官長も自分がいない間にそんな状態になっているとは露知らず不安げについてくる。

「事務官長、とりあえず旅の疲れを癒しながら奥方と子供に手紙でも書いて安心させると良い・・・・・・・」

「そうですね、あの連れ去られた状態で妻子が不安がっていると思いますので。」

「隠遁生活できると思ったのに残念ですな」

「明日から思い切り引き篭もります。」

「羨ましい限りだよ・・・・・・・・・・」

「王室顧問だって暫くしたら抜けるのでしょう?」

「そうではあるが子供達が育たなくてねぇ・・・・・」

「おやおや、親バカですか?」

「そういう事務官長だって娘さんが可愛くて仕方がないという話を延々としていたはずでは・・・・・・・・・・・」

そうなんですよ、と親バカ丸出しの発言をしている事務官長に相槌を打ちながら王妃執務室につく。


そこは・・・・・・・・・・


いくらやっても減りそうにない書類を相手にしている孤児達の姿であった・・・・・・・・・・・


「うわぁ、これは酷い・・・・・・・・・・・」

事務官長の悲嘆は書類に向けられているのか、孤児達に向けられているのか?

「おーい、子供達これはほっといて帰るぞ!!」

「旦那、いいんですかい?」

「陛下の許可は取った。これは王妃の責任で片付けるそうな。」

「・・・・・・・・でも、これ放置しておいたら国民生活に影響のある案件もありますよ?」

「外交文書は下手すれば戦争すれすれの部分がありますし・・・・・・・・・・・」


どれどれ?

うわぁ、酷い・・・・・・・・・・傷病貴族軍属遺族年金が放置されてるよ・・・・・・

こっちは? これって国外の奴隷商人に対する逮捕状だし、なんで期限の過ぎた舞踏会への招待状が放置されているんだ? どう考えても国際問題になりかねん代物だな・・・・・・・・・・


とりあえず仕分けだけしておくか・・・・・・・・事務官長手伝ってくれる?

「はぁ・・・・・・少しだけですよ。」

しぶしぶながら手伝う事務官長・・・・・・・・・そういえば、事務官たちは大丈夫なのだろうか?壁の染み残しているけど・・・・・


壁の染みの見覚えのある人影に事務官長も引いている・・・・・・・・・

そりゃそうだろう自分を守るために犠牲になった者達をこれでもかと主張されているのだから、部下思いな事務官長の心中は如何程の重荷を背負っているのだろう?


命はあるようだし後で見舞いにでも行こう・・・・・・・


そろそろ終わったかな?

可哀想に子供達はなまじ責任感あるから投げ出せずに進めているし・・・・・・・・・・・不器用な奴等だ。


「大雑把に終わったら飯でも食いにいこう!子供達今夜は好きな物奢るぞ!!」

「やった!」「じゃあ遠慮しないで食べるわ!」「楽しみ・・・・・・・」

「だんな、おいらは肉ね!」「御主人様いいんですか?」

口々に勝手な事を言う孤児達に苦笑しつつ、事務官長を見る。

「事務官長もどうだい?部下達の思い出を偲んで。」

「いいですな。」


やっと事務官長の笑みが見れた。後は無事に帰すことを考えるか・・・・・・・・

そばにいた近衛を呼んでこの手紙を彼の故郷に届くよう手配して夜の酒場街に突撃するのであった。




あのぅ、俺達まだ死んでないから偲ぶとか縁起でもないんだけど・・・・・・・・・(by王妃付事務官その壱@ただいま療養中)

田舎貴族の屋形の前に私兵が数名屯している。

私兵といっても村の青年団みたいなもので普段は家業を手伝いながら持ち回りで見回りとかする程度なのだが・・・・・・・・・


「さぁ、出陣だ!!済まんなお前達、こんなわがままな主人を持って。」

「いえ、あの奥さんと子供の嘆きを見たらほっとけないでしょう・・・・・・・旦那。」

「それにおれっちの又従兄弟殿だしな。」

「違いない!」

「ご主人様、近隣の領主達も兵を率いてこっちに向かっております。」

「そうか、いざ王都へ!われらが兄弟分を救出するために!!」

「「「おおっ!」」」



其処に集うは時代遅れな鎧姿の騎士が十名程に彼らの私兵がその数倍程度・・・・・・・

武装は貧弱だが意気は高い・・・・・・・・

槍とかが主武器なのだが間に合わないのか大鎌とか熊手を担いでいる者も見受けられる・・・・・・・・・

「近隣緒領十数家、義によって参戦いたす!」

「申し訳ない、個人的な案件につき合わせて・・・・・・・」

「なぁに、貧乏な田舎貴族同士助け合わんとな。」

「それに親類が苦難にあっているのにほっとけないだろう・・・・・・」

「義弟に無体するならば王族であっても意地を通させてもらう!これは某の問題でもある!」


「旦那方大変です!御屋形様がこちらに向かっています!その数200!!」


彼らの間に冷や汗が出る。御屋形様は彼らの本家筋に当たり、地主に毛の生えた程度の貧乏田舎貴族である彼等の兵力を軽く数倍する私兵団を擁する近隣の顔役なのである。

間もなく軍馬の響きが彼らを囲み老傑の怒鳴り声が響き渡る!!

「この馬鹿者共が!!何コソコソ企んでいるかと思ったら王家に弓引くなんて何たる不忠!!じっくり説教してやるから覚悟して置け!」


近隣の領主達にとって本家筋で実力があるばかりではなく貴族教育を受け持ってくれた恩師に当たる存在だから頭が上がらない・・・・・・・

詰んだかと皆思ったのだが・・・・・・・・・


「この馬鹿者共が!!お前等が王妃付事務官を助けようと兵を集めているのはしって居るのだぞ!!それなのにワシに何の相談もなく馬鹿なことをやるんじゃない!!その装備はなんだ!」

「熊手です。」

「熊手で近衛兵団相手に取れると思っているのか!ああっん!!」

「いえ、それでも意地を張らねばならない場面ですから!」

「だったら!意地を張るにふさわしい得物で来い!!馬鹿もんが!!」

「・・・・・・・・・・・・・」

「御屋形様、我等を止めるのですか?」

「当たり前だ!お前らはワシの可愛い息子みたいな者だ!馬鹿なことをしたら親として止めるのが当然だろう!!」

「では、僭越ながら押して通らせてもらいます。」

「ひよっこがほざき居るわ!!そのケツについた殻を取り外してから言いやがれ!!」

「糞爺が隠居でもしやがれ!!こっちは友を助けるんで時間が惜しいんだ!!」


ごすっ!

一撃でのされる田舎領主!

「さぁ、そんな馬鹿な装備で村の青年団を連れて死地に向かうんじゃない!!ワシだって鶏冠に来ているんだ!王族相手の喧嘩を見せてやるからついて来い!!」


おおっ!!と歓声が上がる!

「ワシだって可愛い息子分が無体されて孫みたいな者が泣いているとなれば重い腰を上げざる得ないだろう!!さぁ行くぞ!救出までは時間が勝負だ!ちんたらしていると置いていくぞ!!」

「「「「はい!御屋形様!!」」」」


「その前に・・・・・・・・・・王妃付事務官長の妻子はいるか?」

「はい、ここに。」

「貴様等は士分の妻子で身分的には平民だろう!可愛い嫁御分とその娘に我が保護を与える!! 貴人聖域法(アジール)の名の下に!!」


「「「おおっ!!」」」

「これで名目は成り立った。我等が保護するは王族に無体された者の妻子。その夫が被害者ならばこちらで保護してやるのが我等貴族の役目であろう!さぁ、派手に行くぞ!!馬鹿息子共が!!」


辺境領主連合 総兵力300 

頭首 麦秋地方辺境伯 以下辺境貴族十数名が連名。

王妃付事務官長の苦難を救うために王都に向けて進軍中。



おれ殴られ損?(by田舎貴族)

「いや!ワシが頭に立つために見せしめになっただけだ!」

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