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王室顧問とふざけた一日

あらすじ 我はお笑いと突っ込みの神、演芸神。王室顧問の突っ込みと張扇捌きが気に入ったから加護を与えようとしているのだが中々来てくれない。心が折れそうだよ。突っ込みすると思ったら性愛神殿で女神官の股間相手に突っ込みをしているし・・・・・・・・・・

突っ込みと言うものはこうなんていうか、世界に対して叫びを上げるようなものだと思うのだが・・・・・・・・・・

何か馬鹿な神の声がしたような・・・・・・・・

そもそも神が馬鹿であると言うことはありうるのだろうか?

超越者たるもの我等凡百の者からすれば遥かに超えたところに存在するからそれなりに知性とか色々発達しているはずなのだが・・・・・・・・・・・・


今度神に会うときがあったら聞いてみたいものだ・・・・・・・・


ノーコメントで(by通りすがりに神の一柱)

演芸神と同類にしないで(by文芸神)

少なくとも私は馬鹿じゃない、そして君が信仰している神も(by馬族守護神)








変な夢を見た気がする。

「王室顧問朝ですわよ。」

けだるげに眼を開けるとそこには裸の胸を惜しげもなくさらした女神官がいる。

そういえば昨夜は性愛神殿にて苦行(おたのしみ)をした後か・・・・・・・・・


「何、ぼんやりしているの?目覚めに一発抜いたほうが宜しいのでは?」


女神官は寝ぼけている私に枝垂れかかり私の世界樹の苗をまさくり始める。

女神官の秘儀に応え私の世界樹は天をも突かんとばかりに屹立する。

世界樹の幹をなでる手は知恵の泉に導いて・・・・・・・・・・・



一時後・・・・・・

朝から疲れた・・・・・・・・まさかあの後世界樹の滴を3度流す羽目になるとは・・・・・・・・・・

「あらあら、もう少しいけたでしょうに我慢なさらなくて宜しくてよ。」

「後が怖いわ!」

「あらあら、まだまだ若いのに・・・・・・・・」

「君には負けるよ」

私は優しく女神官の髪に口を寄せて情事の余韻を楽しむ。

くすぐったそうに笑う女神官と寝台で横になりただ温もりを楽しむ・・・・・・・

これ以上は一滴たりとも出て来ないだろうし無理をするよりも余韻を楽しむくらいが丁度良い。


そうしていると朝の鐘が鳴り一日が始まったことを歌う祈りの声が聞こえてくる。

性愛神殿に集まる人々は娼婦やその客だけではなく、苦界において身も心もぼろぼろになって道端に打ち捨てられた者。奴隷として囚われたもの、意に染まぬ経験で苦難の日々を受けざるを得なかったもの。傷ついた者がお互いに傷を舐め合い助け合って生きている。一歩先に進めるものがいれば、弱者達が互いに足場となり踏み台となって飛び立ちなさいとその者の背中を叩き祝福する。

朝の祈りは旅立つ者を祝福して自分等のような苦痛が誰も受けませんようにと馬鹿で無駄な祈りを捧げる愚かで弱い者達の血の叫びなのである。




誰かの褥には幸せな交わりがありますように 

誰かの道に幸いが落ちてますように

誰かの苦難がありませんように

誰かの幸いが誰かの幸いの種となりますように

自分等で苦痛は終わりにしてくださいと・・・・・・・・・・・・



この祈りはかなえられることはなく、叶えるために神官や信者達は誰かの盾となって傷つくのだ。

娼婦達は優しく男を抱きしめて一時であっても温もりを与えるし、解放奴隷達は自らの血肉を持って虐げられたもののために剣を振るう。彼等が求めるのは誰かが幸せになること。

彼等こそ幸せになって欲しい物だ・・・・・・・・・・・・・先の街娼や孤児達の保護の件で裏方として傷ついた者達を必死に看病していた性愛神殿の信者達。


膿んで腐臭漂う傷口に口をつけて膿を吸出し、糞尿に塗れた身体をやさしく洗い、蛆の湧いた傷口を厭う事無く手当してくれた優しき馬鹿者達。挙句の果てに自ら病を得て倒れ臥して尚、誰かを案ずる大馬鹿者。救いようのない愚か者と一緒になりたいと神殿で修行している元街娼も少なからずいる。孤児達の中には初めて知った温もりがこの俗世で生きるには不適当なやさしさとやらしさとやましさを持つ性愛神殿であると言うものも少なくない。


ちゃんと王国からの金が此処まで流れてくるように気をつけてやらねば・・・・・・・・・・


「そんなことは良いのに、賢きおばかさん。」

女神官は私を抱きしめてくれるのである・・・・・・・・・・・・・・・

是が私達の祈りの形、お互いの温もりをもって一つの幸せを分かち合う。

愚かしくも一番最初の幸せの形。


それの名は・・・・・・・・・・・・ なんだろうな?










すっきりして、心満たされて、幸いを得た私は神殿に保護されている者達が息災でいるかを訪ね歩き幸いである事に満足する。

今だ傷がいえないものがいるし、飛び立つ前に倒れ臥し旅立ったものもいる。

せめて今が幸せである事を今際に幸いであったと言う言葉を残してくれた事を喜ぼう。



市場開場の鐘が鳴る時となった。私は神殿を出て、王城へと向かう。

私が性愛神の信者として為すべきを為す為に・・・・・・・・・・・・


成り行きで得た地位を振るって、零れ落ちたものを無くす為に。力を振るえるのは残り二年弱。

どれだけの者を取りこぼさずにすむのだろうかね?



その二年弱が終わったら次の時代に生きる者たちに任せて私は静かに朽ちて逝こう。


傷ついたものの汚れを清めるのは決してプレーじゃないんです。プレーじゃないと信じたいんです。プレーで慣れているのは否定しないでしょうが、プレーじゃないんですと声を大にして言いたいのです。(by性愛神)

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