契約終了とタタミイワシ
あらすじ 立つ鳥跡を濁しまくり・・・・・
契約終了である。
私の可愛い孤児娘達や姉弟も引き上げとなる・・・・・・・・・・・
小売商の息子は法務副長付補佐官見習略して補佐見習となって残る事になったが一度学びなおしたほうが良かろうと私の教育を受け入れる予定だ・・・・・・・・・・・
「私がいなくても十分やっていけるように色々仕込んであげよう・・・・・・・・・・・」
「旦那、お手柔らかに・・・・・・・・・」
「まさか?守るものが増えたんだろう、ビシバシ行くぞ!!」
「げっ!」
貴族並みの教育しかしないのだが・・・・・・・・
その前にやらねばならない事がある。
そう、私に仕事をせざる得ない状況を作った宰相にお礼参りをする事だ・・・・・・・・・・
「だんな、タタミイワシでも奪うのかい?」
「勿論、この時期タタミイワシが入りづらい事も調べてある。タタミイワシ中毒の宰相にとって、タタミイワシを取られることがどれほど苦痛か・・・・・・・・・・・・」
「賢者の旦那、ただの嗜好品だろ。」
「補佐見習、それはそうだが宰相閣下のように重圧の強い立場にいるものにとって嗜好品は欠かしたら精神の安定に欠くものなんだよ。タタミイワシが切れた宰相は書類に味付け海苔の破片を散らばせてとても迷惑なんだ・・・・・・・・・・・覚えて置いて損はないだろう。」
「嫌な知識だな・・・・・・・・・・・・旦那。」
「御主人様、書類に味付け海苔の破片は作業がやりづらいので一緒に強奪して言ったほうが皆様のためになるのではないでしょうか?」
「孤児姉、それは良い考えだ!!」
「物を食べながら書類仕事する宰相府の勤務状況が気に食わないだけでは?」
「補佐見習、諦めろ。だんなはくだらない事に全力で行動する習性があるから・・・・・・・・・・」
「孤児弟、苦労しているんだなぁ・・・・・・・・」
「言わないでくれ・・・・・・・・・・・ へこむから・・・・・・・ 」
そうして、私は孤児娘たちを率いて宰相府に突入するのである。
宰相の執務棚からタタミイワシの束を奪い取ると孤児娘達に運ばせて一枚齧るのである。
「待て、法務官・・・・・・・もとい、王室顧問!閣下のタタミイワシを強奪するなんてなんて非人道的なものなんだ!」
「貴様は鬼か?」「鬼はお前だろう!!」「話がこじれるからその突っ込みは却下!!」
「ははははっ!!この私に仕事をさせた報いを受けろ宰相め!!貴様の大事なタタミイワシを奪い取ってやる!!ついでに味付け海苔も没収だ!!書類に海苔だのイワシだの散らばせるんじゃない!!」
「食べかすで書類の作り直しになったうらみ思い知りなさい!!」
「誤字脱字、計算間違いの処理めんどくさいのよ!!」
孤児娘達も色々思うところがあるようだ。
「さぁ、孤児娘達!タタミイワシを強奪して書類仕事の邪魔をした馬鹿者どもに思い知らしめてやりなさい!!」
「「「は一い!私たちの愛しき賢者様!!!」」」
「なんて無駄に統制の取れた行動なんだ!!」「逆らうな!彼女たちは王室顧問の子飼いの経理部隊だ!!彼女等に逆らうと方々の貴族家の会計担当の二の舞だぞ!!」
「なんて、非道な・・・・・・・・・・王室顧問、其処まで恨みを・・・・・・・・・・・・・」
「そりゃそうだろう、宰相府の仕事回されて毎日の酒盛りが週に一回になってしまったんだから・・・・・・・・・・」
「それは健康的で良いではないか?」
「煩い!私が来てからふた周りほど腹回りがでかくなったのを知っているぞ!そうして奥方に怒られているだろう!!」
「な、何故それを・・・・・・・・・・・・・」
「そりゃ、奥方が君の仕事ぶりを私に聞きに来ているからな・・・・・・・・・・ はとこ同士だし・・・・・・・・・・・」
「そうだったのか・・・・・・・・・・・・・」
何か馬鹿なやり取りもあった気がしたが、無事タタミイワシを強奪した。
官僚室にて官僚どもと畳いわしを食べる、食べる、食べつくす!!
「これって酒が欲しくなるよなぁ・・・・・・・・」
「ぽりぽり・・・・・・・・・・・・魚がこんな食感になるなんて不思議。」
「ばりばり・・・・・・・・・・・・これの破片が書類に挟まって手間なんだよなぁ・・・・・・・・・・・・・」
「わたし、これの破片で数字の読み間違えしてやり直しになったのには泣き見ましたよ。」
「二日ががりの仕事をだめにされて泣きが入ったよなぁ・・・・・・」
「あれは酷かったですわ・・・・・・・・・・・・・・ がりがり・・・・・・・・・・」
「二枚重ね食い!!なんて、剛毅な!!」
「負けてらんないな!こっちは三枚重ねだ!!」
うちの欠食児童どもと口寂しい官僚どもがバリボリとタタミイワシを腹に収めていく。
小魚は骨の成長に良いからもっと食べな・・・・・・・・・・・
孤児院のおやつにこれは良いかもな・・・・・・・・・・・・・小さい子供もいるし大きくなれよと!!
「それって、おいらへのあてつけか?」
「孤児弟、お前はまだ成長期だろう?まだ伸びるから気にするな。」
「あんまり小さいと幼く見えて王妹殿下の触手が・・・・・・・・・・・」
「ああ、それは切実だな・・・・・・・・・・・」
「ばりぼり・・・・・・・・・・・孤児弟があまり大きくなるとキスするとき届かないから嫌だ!」
「うをぉ!!末王女様。何時の間に・・・・・・・・・・・・」
「勉強がつまらないから抜けてきたのだ!王室顧問も今日で最後だろ。そのまま孤児弟を引き上げるだろうから引き抜くならば今日が最後だと思って。」
「イランとこだけは知恵が回るな・・・・・・・・・・・・・ぼりぼり・・・・・・・・・・・・でも孤児弟はやらんぞ!」
「賢者様、孤児弟は逆玉なんですか?」
「それはないのだろう・・・・・・・・・・ 孤児弟を便利な財布代わりに考えているだけだろ。役にたつし気がきくから。」
「ああ、成程」
孤児娘が納得して孤児弟を見ているが、その孤児弟は末王女におされ気味である・・・・・・・・・・・・ばりぼり
「末王女が押し切るか孤児弟が耐え切るか世紀の一戦であるな。王女様の押し切りに銀貨一枚。」
「孤児弟が耐え切るに銀貨一枚。」
と、賭け事を始める官僚達、小さな女の子に押される孤児弟を眺めてキャーキャー言う孤児娘達。
「・・・・・・・・・・・・あれは獲物を狙う女の目。孤児弟は身分こそないけど賢者様を後見に持って知性面でも下手な貴族より優れているし人格的にも無鉄砲な面があるけど下のものを守ろうとする親分肌だから悪くない優良物件。下手に降嫁するならば彼を射止めたほうがましという判断でしょうか。顔も並以上だし唾つけようとする貴族の令嬢も出始めていますからね、ここで見せ付けると言う意味では末王女の作戦勝ちでしょう。」
「解説の傷跡娘さん、ありがとうございました。って、おおっっと!末王女強行手段に訴えようとしています!顔を近づけて既成事実を作ろうと!!唇を抑える孤児弟!耐え切るか?逃げ切れるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・時間の問題・・・・・・・・」
「孤児弟、逃げようとするが末王女に押し倒されて転んでしまう。それでも末王女を怪我させまいと自分の身体を緩衝材にしている。末王女、自分のしたことに気がついて涙目になるが孤児弟は頭をなでて慰める・・・・・・・・・・・・・・末王女の顔が赤いぞこれはどういうことでしょうか?解説の傷跡娘さん。」
「これは孤児弟の必殺技能【なでぽ】・・・・・・・・・・・・ 頭をなでた異性に照れを呼び起こし好意度を上げる無自覚技能!!これは末王女の決意が高まるから逆行為な気がしますが・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・御主人様、なにをなさっているのですか?」
「実況ごっこ。」
「そうですか・・・・・・・・・・・・・それは兎も角、陛下がお呼びだそうですがいかが致しましょう?」
「なんだろうな。一度挨拶しに行きますか。」
「孤児娘達も連れてこいとのことですが・・・・・・・・・・・・・」
「なんだろうな?行くぞお前等!!」
こうして畳いわしを残してわれわれは謁見に向かうのである。
書類仕事するときは食べながらはだめです。