期間雇用と条件交渉
あらすじ 罠にはめられた(元)法務官。獲物として狙われた孤児弟。二人の明日はどっちだ?
酒が切れたから話は続くのか?
復職交渉は難航を極めるはずだ・・・・・・・・・・・
私程度の人材であっても切実に欲する王国が私の他に従者としての孤児姉弟などという有能な素材を所持しているとなれば国のためと称して抱え込もうとするだろう。
孤児姉弟が望んでその身を立てたいとするのであれば問題ないのだが王妃の一件以来王国に不信感を抱いている。
どっちにしろ私も隠遁生活を楽しみたいから交渉の席には着いても受けるつもりはない。
いざとなれば亡命もありだろうな・・・・・・・・・・・人族連合は人外がいないし、美しくない・・・・・・・・・・・魔王国か南方諸族連邦、南方都市連合、極北部族連合・・・・・・・・・・後は極東か・・・・・・・・・・・・・
「意外と亡命先はあるんだね。」
「勿論だ孤児弟、金はそこそこあるし知識は政治法文分野だが十分にある。知名度もあるからどこの国に行っても受け入れてはもらえるよ・・・・・・・・・・・・・」
すいません、うちの国に来ないでください。当代の魔王が泣いて震えますから(by魔王国担当地域神)
うちも勘弁願いませんか?もし何でしたら今の王族に天罰下してもいいですから(by南部連合、連邦担当地域神)
来るな!!(by極北担当地域神)
お願いします、世界の王になりたいとかハーレムとか叶えますので来ないでください(by極東担当地域神)
何か戯言が聞こえるが気のせいだな。
「ご主人様神々の御言葉を戯言等と・・・・・・・・・・・」
「気のせいだろ・・・・・・・・・・」
まぁ、条件は
再契約なしの期間契約、復職要求なし、今回は補助業務のみ位だな・・・・・・・・・・・
期間は短ければ短いほど良いし、金額は出来るだけ上げて破綻することを前提に進めるか・・・・・・・・・・
「だんな、金貨10枚くらい請求するのかい?」
「桁が違うよ、孤児弟。金貨100枚が最低ラインだ。」
「げっ!ちょっとした貴族領土の年間予算並みじゃないか?」
「ご、ご主人様・・・・・・・・・・それはいくらなんでも・・・・・・・・」
「勿論一月にだよ。私は仕事やりたくないのに押し付けようとするのだ其れなりの報酬が必要だろう(邪笑」
「うまくいけばいいのですが・・・・・・・・・・・」
「うまくいかないことを前提なんだから問題ない・・・・・・・・・・・」
「勅命で言われたら・・・・・・・・・・・・」
「無視する!」
「命がいくつあっても足りないぞだんな。」
「私が死ねば仕事が滞るだろ(邪笑」
そんなこんなで交渉当日。相手は宰相閣下と財務長、王兄殿下に末王女に王妃がいる・・・・・・・・・・・・
「まず初めに法務官に謝罪いたしますわ。先の事はまことに申し訳ございませんでした。王妃たる意識に欠ける発言にて失望させました事を深くお詫び申し上げます。」
「王妃様、お顔をおかげくださいませ。私自身女性の嗜みに関わる部分で例を挙げた無神経を深く反省いたしております。ですが、隠遁生活は私自身の望みでありますので復職については勘弁願いますようお願い申し上げます。」
「そのような事を言わずにもう一度戻ってきてもらえませんか?」
「お断り申し上げます。遅かれ早かれ隠遁生活を送るのが私の願いでしたので今更戻ろうとは思ってもおりません。本日末王女様のお誘いを受けたのもそれを申し上げるためでございます。」
「条件があるのならば正直に申せ。出来うる限り叶えようぞ。」
「まずは今回の孤児たちの件のみならず民草に無体を強いる貴族王族全ての首。弱者保護のために使われた金貨2000枚の即時保障。これが前提条件です。」
「うーむ、財務長、出せるか?」
「すぐには無理ですな・・・・・・・・・・・・ 首に関しては身代金を受け入れること出来るか?」
「金額と金の出所によりますが・・・・・・・・・・・・ 領地の税を上げて身代金を得ようとかはしないのであれば受け入れることを致しましょう。ちなみに分割払いは不可で。」
「支払いの時期は少々余裕持たして欲しいが王国が保障して払うから信じて欲しい。」
等々・・・・・・・・・・・・・
交渉は長引いたが
・再雇用なしの一月間限定。
・業務内容は後継の育成を中心とした補助業務。
・補助人員については必要な応じて雇用可能。但し、私自身から給与その他は支払う事。
・契約金は金貨100枚。
孤児院や街娼保護に関しても
・保護に要した費用金貨二千枚は一年かけて毎月分割にて支払う。
・その後適時保護を行う為の予算法令を成立させる。但し、現場の意見を反映させるために顧問として協力を願う。その場合の役料は別途支払うものとする。
・前の条項から私に非常勤の王室顧問に任命する。任期は二年、再任は基本的に無しとする。
・孤児院の所属する区分に王族兄妹を近づけない。
身代金に関しても
・貴族家党首の首か王室政府へのある一定以上の能力を持つ人材の拠出、金貨10枚の支払いのどれかの選択性とする。
・なお、先の弱者保護に協力した緒家については免除とする。
・金貨については弱者保護に助力した緒家への補填とし孤児院や街娼保護の費用に充てるものとする。
私の身柄に関しても
・本人の意思を無視した任命は一切行わない。
・命令の拒否権を有する。
・王族への意見具申において私本人が上奏する限り如何なる危害を加える理由にならない。
・貴族年金については規定通りに支払う。
・前の条項から爵位に関する返上は認めない。
と、なんとか仕事を逃げる算段はついた。年金がつくから爵位からは逃げられないと言うのは仕方ないし、弱者保護に関する王室顧問についても仕方ないだろう・・・・・・・・・・私がまいた種だ。
命令の拒否権とかは意外に難しいが、仕事の押し付けから逃げるのに使わせてもらおう。
意外だったのは業務補助で月金貨100枚と言うのは結構儲けたな・・・・・・・・
「さぁて、地獄にようこそ。法務官。君の仕事はたっぷりあるよ・・・・・・・・・・」
肩に手を当てて語りかける官僚達・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は引きづられるように官僚部屋に運ばれる。その後を呆れたように孤児姉弟がついてくるのだが彼らは知らないどれだけの仕事が待っているのかを・・・・・・・・・・・・・
仕事は数多かったが殆ど経理部分だった。
それの確認で手間取っている、分業が出来ないかな?
私が内容の確認をして姉弟に計算部分を任せる。これで結構効率的に進められる・・・・・・・・・・・・
私の後釜達は死にそうな顔をして仕事をしているが一人一人で仕事をしているから能率が上がらないのだろう。
それ以前に計算能力が絶望的である・・・・・・・・・・って、言うか休みとっていないから壊れているみたいだ。
半日の睡眠と一日の休養を命令して、その間に書類の山を片していく・・・・・・・・・・
民部官も小間物屋を経理部分に使い仕事を推し進めていく。民部官も経理部分が嫌いだったからなぁ・・・・・数字を見ると泣きが入るとか言っていたし・・・・・・・・良い拾い物だったな。
しかし小間物屋がやつれているのは何故だろう?
「法務官の旦那、仕事はきついけど民部官の旦那は金払いはいいし彼女とも世帯を持つことが出来ました。彼女の親に関しては今だ回復の見込みはないのですが、民部官の旦那の厚意で医者に見せて貰ってますし何とか家族6人暮らしていけます。しかし、何ですねぇ・・・・・今こうして王宮で働いているなんて不思議な気持ちですよ・・・・・・・・」
「まぁ、市場の連中も心配していたから後で挨拶でも言ってくるがよい。」
「市場でおれの店を占拠している旦那は変な貴族だと思っていたのですが、本当に偉いお方だったんですねぇ・・・・・」
「見てみるが良い、この姉弟の働きぶりを・・・・・・・・ 引き抜きの話はうそではなかったろう。」
「あの時は失礼致しました・・・・・・・・」
二日後、書類の山を大分減らした我等主従は
後釜達に仕事を任して資料の整理と掃除を行おうと思っていたのだが・・・・・・・・・・・・
全員 逃げやがった!!
あの野郎ども・・・・・・・・・・・
命令書作成・・・・・・・・・・・ 服務規程違反にて後釜貴族10名を生死を問わず
「だんな、だんな、殺したら仕事できないでしょう。」
「そうだった、生け捕り限定で・・・・・・」
法務長、命令書に認可印お願いします。
ぺたり・・・・・・・・・・
近衛兵団と衛士隊に命令書。
後釜貴族の寮や実家に言って迎えにいってもらおう・・・・・・・・・
逃げるなんて許されないぞ(邪笑
なぁ、皆の衆!
ふふふふふふふふふふふふっ・・・・・・・・・・・・
逃亡者には死を・・・・・・・・
書類責めだ・・・・・・・・・・ 椅子にくくりつけてやれ・・・・・・・・
そういえば貴族家廃絶の命令書作ってくれない・・・・・・・・・ いいよぉ・・・・・・・・
戻ってこなければ帰る場所すらなくしてやればよいのだ・・・・・・・・・・・・・
ふふふふうふふううふふっ・・・・・・・・・・・
ぐふふふふふふっ・・・・・・・・・
「皆様方壊れてしまって怖いですわ・・・・・・・・」
「大丈夫だよ孤児姉、君はこの部屋の一服の清涼剤だから皆大事にしてくれるよ。
ほら、お茶を用意して差し上げなさい・・・・・・・・・・」
「はい」
後釜貴族達はすぐに捕まった。半分は泥のように眠って起きれなかっただけなので勘弁するとして、逃亡を図った半数は・・・・・・・・・ ふふふふふふふっ・・・・・・・・・・・
「だんな、貴族様達が怯えているから抑えて抑えて・・・・・・・・・・」
「大丈夫だよ、酷い事はしないから・・・・・・・・・・・・」
「そんなことを言って酷い事にならなかったことある?」
「大丈夫、命まではとらないから・・・・・・・・・」
「その前提条件が間違っているって・・・・・・・・・」
居眠り貴族は身体をしゃきっとさせた後で二三人一組で計算と書類の確認を交互にやらせておく。個人でやるよりも班分けでしている分能率が上がるらしく作業効率が上がっている。何人かで仕事している分相談の出来るし気持ちが楽になるだろう・・・・・・・・・・・
逃げ出した奴はどうしてくれようかねぇ・・・・・・・
拷問だ拷問・・・・・・・・・・ 財産没収で国外追放だろう・・・・・・・
一族郎党死罪と言うのも悪くないだろう・・・・・・・・・・・・
こらこら、皆ひどいことを言っちゃいけないよ!
財務官如何するのだ?
そりゃ、部屋に閉じ込めて仕事してもらえばいいじゃない・・・・・・・・・・・・・・・
終わったら家に帰ってよしといって・・・・・・・・・・・
おおっ!それは良い考えだ。さすが財務官・・・・・・・・・
以上、官僚部屋の古参達の会話でした・・・・・・・・
可愛そうに逃げ出そうとしたばかりに・・・・・・・・・・・・
この五人に関しては私は感知しない、やぶへびになるからね。
「そりゃご主人様が逃げなければ後釜様達も地獄を見なくて良かったのに・・・・・」
「それは違うよ孤児姉、私が居なくなったから彼らは仕事を得て立身出世の道を開いたのだ。私と言う存在は上を目指そうとする野心溢れる若い貴族達にとって目の上のたんこぶだったのだよ。だから、官僚となって上を目指す野心溢れる若者たちは機会を得たのだ。それを生かしきれないのは本人の資質の問題でだろう。」
「ご主人様の理屈は正論に聞こえるから性質が悪いですわ。」
更に三日がたって書類の山が無くなり机が見えてくる。
ここまで来ると交代で休みを取る余裕が出てくる。そんなときに見つけた一枚。
【護衛官釈放依頼書】
王妃様の年齢分の祝杯を捧げた不敬なる護衛官を恩赦とし釈放することを許可する。その後は原隊に復帰し云々・・・・・・・・・ 期日は?3ヶ月前?
「おーい! 誰か護衛官を見ていなかったかい?」
「そういえばここ数ヶ月見てなかったなぁ・・・・・」
「不敬罪で捕まって、処刑されたものだと思っていたが違うのか?」
「宰相閣下彼の処遇は?」
「すっかり忙しくて忘れてた・・・・・・・・・・」
「ここに釈放依頼書があるのですが、心当たりは?」
「大分前に作った覚えがあるのだが、どこに隠れていた?」
「書類の山の一番下・・・・・・・・・・・」
「「「「あはははははっ・・・・・・・・・・」」」」
「馬鹿野郎!早くこれに印鑑押して貰って釈放してもらえ!」
「護衛官無事でいてくれ!!」
「何で誰も突っ込まないんだ!」
「だって、王妃様関連の不敬罪だぞ。私刑になったと思うだろう!」
「近衛隊!地下牢に言って早く護衛官を保護してくれ!!」
「って、言うか護衛官の所属は近衛だろ・・・・・・・近衛文官忘れていたのか?」
「すっかり忘れていた・・・・・・・・・お前らだって忘れていたろう!!」
どたばた・・・・・・・・・・ 数時間後地下牢から助け出された護衛官はすっかり壊れていた・・・・・・・・・
「あははははっ・・・・・・・・・・・・・ 皆忘れるなんて酷いなぁ・・・・・某は死ぬかと思ったよ・・・・・・・・・・・ あははははっ・・・・・・・・・・」
「戻ってこーい!! ごえいかーーん!!」
そういえば、私を連れ戻したものには金貨100枚と言われていたがあれはどうなったのだろう?
「法務長、財務長私に掛けられた懸賞金はどうなったんですか?」
「あれは末王女様が交渉につかせたのだから私の手柄といって持って行ったぞ。」
「でもワシが、仕事をさせることに成功していないから金貨10枚なら手数料として払うといったら喜んで貰って行ったぞ。君を交渉の席まで着かせる手管は見事だったな。」
「あの糞餓鬼・・・・・・・・・」
「でも、王妃様に見つかって子供に大金は宜しくないですからと持ってかれたなぁ・・・・・」
「大方いろいろな事に消えるのでは?」
「哀れな・・・・・・・・・」
「三人とも人聞きの悪い事言わないでください。ちゃんと毎月のお小遣いとして与えてますって。全部無駄遣いで無くしそうでしょう。そうでなくても、法務官のところの黒髪の従者に奢らせて当然な顔をしていたのですから甘やかしちゃ駄目ですよ!」
「「畏まりました、王妃様。」」
「そういえばうちの孤児弟に奢らせた分はある程度補填してもらえるので?」
「それは仕方ないですわよね、末王女付侍従官にも言われてましたし・・・・・・・」
「うわぁ、金貨!」
「これで足りるでしょう?釣りはいらないわ。」




