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全裸賢者と孤児院の一日

あらすじ 法務官は王様と対面した。


シリアス分減で下品成分増量となります。

王宮より帰還して数日、私は孤児院に寝泊りしている。

「だんな、ここじゃなくて家借りれば良いじゃない?金ならあるんだろ。」

「今家借りても逃げ出さなくてはならない可能性が高いからな、犯罪者とまではいかないが要注意人物なんだよ我々は。いつでも動けるようにしておくのも生活の一部だ。」

「そもそも仕事から逃げているから追われるんじゃないのかい?だんな。」


否定はしない、でも見ただろうあの宰相閣下の死にそうな顔を・・・・・・・・・・


「あれはだんなが仕事押し付けたから仕事に追われているだけだろう・・・・・・・」

「否、あの宰相閣下(たぬきおやじ)は私以外に人を育てていなかったのが悪いのだ。最低でも2組、出来るなば4組以上の作業班を育てておいていざというときに備えなくてはいけないのだ。部下を持って仕事を教えるというのは自らの後継作りのほかにも自らの職権を任せられるものに育てる事によって自分の作業量が少なくなる意味合いがあるのだ。有能な部下を持ってみればいい。大分楽になるぞ。」

「楽したいからおいら達に文字とか教えていたんだね。」

「その通り、他にもお前達が自活できるようにとの意味合いもあったのだがな。」


あのまま性愛神殿にいてもよかったのだが、私が神官たちと宜しくしているのを見ているのは姉弟にとって精神衛生上宜しくないと諸方から叱られたからであって追い出されたわけではない。その証拠に昨日も神殿では大歓迎を受けて神官達に色々ともてなしを受けていたのだ。帰る事には紅と白粉と女の体臭でなんともいえない匂いになっていたのだが・・・・・・・・・・その匂いは孤児姉はお気に召さないらしくお冠なのはいつもの事だろう。

「孤児姉ちゃんは苦労するのよねぇ・・・・・・」

「いの一番で飛び掛った女神官様とも思えない科白ですな。」




それはさて置き・・・・・・・・・・

孤児院の朝は早い。

ニワトリ代わりに奴隷公の開放奴隷戦士団の鍛錬の音が鳴り響き、荒野の民の祈りの声が高らかに詠われる。

にぎやかなので酒の残っている自由戦士や商会公の傭兵が顰め面をしているのはご愛嬌だ。


朝日が昇り始めるころには皆目覚めて朝食を作るものと街の清掃に向かうものに分かれて夫々の働きをする。

朝食は色々あって保護された女衆の手を借りて慣れない手つきながら包丁を握り、おっかなびっくり野菜を刻んだり卵を殻ごと叩き潰したりしながら作っているのである。あまりに酷いようだと女衆が止めに入ったりしているので一応は食えるものとなっている。これでも孤児達は日頃まともなものを食っていなかったのか旨い旨いとがっつくのだからこれまでの労苦を押して知るべし。

街の清掃に向かう子供達は年長者を頭に数人で組を作って孤児院の近所限定だが回って清掃する。数人ずつで組を作っているのは作業の効率化を図るのが一つ。奴隷商人とかが摘発されたりしているが治安の面からもまとまっていたほうが問題がおきにくいだろうと考えての事だ。清掃は無料奉仕だが住人との関係が良好になるのと孤児達の引き取り先を探すための顔見世の意味合いもある。そんな難しいことはともかく、子供達は遊びの延長として清掃をしている。ちょこまかと働く子供達を見て街の商店主やそのおかみさん辺りからお菓子だのの差し入れが入ってくるので子供達の仕事ぶりに熱が入るのは見ていて微笑ましい。勿論、先に心づけを渡して子供達に差し入れをしてくれと仕込みをしたのは内緒である。でも、渡した額でこれだけの量を買うのは無理だと思うのだが商店主とかの好意と思っておこう。


朝食を食べたあと、部屋の掃除とかをさせて読み書きを教える。

教師は私のときもあれば孤児院に屯している六大公の手の者達が教える事もある。

我が国で主に使われている文字は表音文字で幾つかの例外を除けば文字の丸覚えで十分に本やら何やらを読む事ができる。女衆にも一緒に教えているが子供ほどに記憶力がないから追い越されて悔しそうにしているのは笑い話としておこう。


文字が読めるようになると面白いらしく色々本を読み始める。ここで色々な興味を示して世界が広がるように広い範囲での書物を用意してもらったのだが、

「男は女の(3文字削除)に手を触れその濡れ細った泉を・・・・・・・・・・・君よ君、汲めども尽きぬ聖域の泉より流れ落ちたる蜜の川、口にふくみて小さな果実・・・・・・・・・」

「えっと、何を読ましているのかな?」

「物事を覚えさせるにはエロを絡めるのが一番の早道だと農園公の作付け頭が公の書籍から持ち出した書物ですが・・・・・」

「まてぇい!!子供達相手なんだから御伽噺とかあるだろう!」

「(元)法務官様、(三字削除)ってなに?」

「それは其処の農園公のところのおじちゃんに聞きなさい。」

「おじちゃん、(三文字削除)ってなの? (五文字削除)ってどういう意味?」

「え、えっと・・・・・・・・・・・・それはね、大人になったら自然と判るよ。」

「子供達に変な本を読ませないでください!!」


嗚呼、農園公の作付け頭は正座で女衆に怒られている。

一度書物の選定をしなくては・・・・・・・・・・・ 女衆、早く文字を覚えて不適当な本をはじいてね。

「(元)法務官様、この不適切(えろえろ)な本はどうしましょう?」

「農園公のところに送り返しておきますよ。事の経緯を記してね。」

「やめてくだせぇ!(元)法務官の旦那、そんなことされたらうちの農園公(おやかたさま)の尊厳と地位がなくなります。」


婿養子で奥方に頭の上がらない農園公は尊厳とか地位は無いに等しかったのでは?

「ひでぇ!!」

「そ、それはいくらなんで人でなしの行いだよ。」

「人ではないけど其処まで言うのは同じ男として出来ないよ。」

人族人外諸々の抗議を受けて、取り合えず子供の目に届かないところにおいておくに留めようとしたら、女衆の一人が即座に荷造りして農園公のところに送り出してしまう。しかもご丁寧に奥方宛に・・・・・・・・・・・・・・


農園公、貴方のことは忘れない・・・・・・・・・・・・

男たちは青空に浮かぶ農園公の面影に涙ながらの敬礼を送るのであった。


「ご主人様、農園公様は死んでませんし縁起でもないですよ。」

「いや、この一件で彼は死ぬほど酷い目にあうだろうから間違いでもないだろう。」


作付け頭は未だ正座して反省させられている。多分彼は農園公のところに戻ったら更に酷い事になるのだろうな。

まぁ、自業自得だしほっとくか・・・・・・・・・・・・・

「助けてください!」

うーむ、無理だ私にはこの女衆を宥める力が無いし気も無い。



文字を教わる子供達のそばで文字を覚えた子供達は色々な本を読んで知識を深めたり、私兵達のもとで更に深い知識を得たりしている・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・ここの計算はこうしてこうやって、利益率が一割だと銀貨一枚得るのに百枚作らないといけないでしょう。そこで二割の利益率にすると・・・・・・・・・・・・」

「おしべとめしべがくっつけば花は実をつけるけど、・・・・・・・・・・・・」

「西の国には大きな湖があってそれはそれは塩辛いのだ・・・・・・・・・・・・」

「いえすろりーたのーたっち! これは異界の言葉で私は幼女大好きですが・・・・・・・・・・・・」

「昔々あるところに・・・・・・・・・・・・・・怠け者の法務官がいました・・・・・・・・・・・・彼は怠け者で怠け者で仕事が大嫌いだから、自分の分の仕事を即座に済ませると一生懸命働いているほかのものを尻目に娼館にむかうのでした・・・・・・・・・・」

何か不適切な教えが混じっているが気のせいだよな、気のせいであると願いたい・・・・・・・・・・・





なんだかんだしているうちに昼の時間となり皆で昼食を取る。

昼飯は女衆が交代で作るのだが、なぜか私兵達が共に喰らっている。

確か夫々の主から食料とか供給されているはずだと思ったが?

「いやぁ、食料とか食費は提供してますよ。作るのが面倒だからとかたまには女性の手料理が食べたいなとか・・・・・・・・・・・」

「要は便乗して作ってもらっていると。」

「悪いですか?飯は皆で食ったほうが旨いじゃないですか!」

開き直りやがった、女衆の方も大きな子供を見るような目で笑っている。

そのまま頭を撫でられても違和感がなさそうだ。ここで二組目か?


って、言うか騎馬公の騎馬戦士達!昼間から酒を喰らっているんじゃない!!

「大丈夫だ、これは子供でも飲める乳酒だ!食事代わりの飲むのが今の季節の健康法だぞ!」

「子供達には酒は早すぎます!!あんた達も飲まない!!」

乳酒に手を出そうとする子供をひっぱたきながら騎馬戦士ににらみを聞かせる女衆!

「我々の文化では乳酒は食事であり、長い冬を越えた体に必要な成分があるのだ。こんなにもやせた子供達には滋養のある乳酒で栄養をつけて抵抗力を持たせなくてはならない・・・・・・・・・・・」

クドクドと説明をする騎馬戦士の敗色濃厚で女衆は一歩も引かない・・・・・・・・・・・

「王都の者は我等の文化に偏見を持っているのか・・・・・・・・・・・・・」

でも、騎馬戦士達が飲んでいるのは乳酒でも原液ではなくて蒸留した方だろう、それじゃいくらなんでも説得力は無いだろうに・・・・・・・・・・・・そんなもの飲んだら子供が目を回してしまう!!

女衆の剣幕に酒樽を持ち出そうとしていた傭兵やなんかも後ろ手に酒を隠す。



「大人しく野菜の煮物食べてなさい!」

「にんじん嫌い・・・・・・・・・・・」

「食べなさい!!」

どこまでも、女衆は強かった。





昼食後、午睡を取るもの、書を読むもの、私兵たちと一緒に遊ぶもの、私兵に訓練をつけてもらうものなど夫々に過ごす。交代で夕飯の用意をする子供もいる。

そんな子供達のお気に入りの遊びが【奴隷狩られ】である。

わざと薄汚れた格好で、裏道を歩き人攫いをひきつける。そうして攫おうとした人攫いから逃げる振りをして跡からついてきている私兵達のところに誘導するのである。そうして捕まえた人攫いを散々弄んだ跡で衛士に突き出す遊びだ。

この効果は結構あって、平民の子供でも人攫いに会うことも少なからずあったが人攫いが鳴りを潜めつつあり、子を持つ親からも感謝されている。しかし考えてみるといい、子供を攫ってウッハウッハだと狙ったところで人外公の隠密兵がぬっと出てくるのである。子供を庇うように身の丈大人より頭一つ大きい筋骨隆々の鬼族が睨みをきかせて、逃げようとしたら口を大きく割いて鋭い牙を見せて笑っている狼頭の戦士だの毒が塗っているらしきぬらぬらとした短剣をいじくっている小鬼族、後ろには紅い目だけを爛々と光らせている黒いローブの男。助けを呼ぼうにも偶然を装って解放奴隷戦士達の一隊が囲んできたり騎馬戦士達が短槍や馬上弓をしならせていたりする。ある意味人攫い達の自業自得とは言え私兵達のリンチにあい、子供達から落書きだのやーいやーい人攫いの駄目人間とはやし立てられる声とか落書きに心が折られてから衛士の元に送り込まれる。少しえげつないだろう。


「おいらの弟達ながら良くヤルヨ。これに味をしめて性格がゆがまなければいいんだけど・・・・・・・・・」

「それ以前にこれって、おとり捜査・・・・・・・・・・」

「大丈夫ですよ、我々が後ろから悟られないようについていますから。結構、人攫いの懸賞金は我等のいい小遣い稼ぎになりますし・・・・・・・・・・・・・」

「後で話をしようね。」


私兵達の小遣い稼ぎかよ!

まったく油断もすきも無い。


そのやり取りも女衆にばれてこってりと絞られる私兵達。人攫いにあった経験のある子供達は人攫いに遭うのは僕達だけで最後にしたいと協力しているんだと庇うのだが火に油。子供ともども絞られている。

こいつらからどれだけ油が取れるかな?


「ご主人様、そういう問題ではない気がしますが・・・・・・・・・・・・」

「私の居ない間になんか孤児院が迷走している。」

「否定はしませんが・・・・・・・・・性愛神殿にこもってお楽しみを続けていたご主人様に言う権利はないと思われますが。」

最近きつくなってないか孤児姉?



なんて事をしているうちに夕刻となるのだが農園公の奥方と作付け頭の奥さんが農園公配下の若い衆を連れて作付け頭を柱にくくりつけて連行しているのは見なかったことにしよう。作付け頭の犠牲に敬礼!!

夕刻の茜色の空に浮かぶ作付け頭の歯はきらりと光っていい笑顔を浮かべている。ありがとう作付け頭。さらばだ作付け頭!!男にエロスは必要だ!!それに準じた君は今世の勇者だ!


夕飯前、薄汚れた子供達を風呂に叩き込もうと騎馬戦士(モヒカン)

「汚物は消毒だぁぁぁぁ・・・・・・・!!」などと子供を追い掛け回して捕まえていたりするのはなんかが違う気がするけど私の気のせいか?


汚れたガキを風呂に叩き込んで磨き上げた後、夕飯となるのだが如何して私兵達君等まで(略)

「そりゃ、一緒に作るから材料よこしなと女衆に言われたら断れないでしょ。」

「まぁ、我々としても楽できるからお任せしているのですが・・・・・・・・・・」

「細かいことは言いっこなし! だんな、皆で食べたほうが旨いじゃんか。」

口々に勝手なことを言う私兵達。その手には酒の入った杯があるのを見逃さない。出来上がっているな。

女衆を口説こうとして肘鉄食らっている。あれは農園公のところの若い衆ではないか。微笑ましいのぅ・・・・・・・・・・・・


女衆の中にも酒が入って私兵達と笑い会っているのがいる。何組目だ?


馬鹿笑いしながら、楽しく会話して食事をする。

まぁ、悪くないか・・・・・・・・・・

私は孤児姉に酌をさせながら杯を開けていくのである。



院長は?

孤児院の運営に関する書類仕事に終われてましたとさ・・・・・・・・・・・・・

「(元)法務官様、書類手伝ってくださいよ・・・・・・・・・・・・」

「嫌だ。」

冷凍の塩鮭きっていたら手が痛い。200きろは切りすぎか?

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