法務官と全裸賢者
あらすじ 法務官は裸で出奔。
いつもどおりに下品な感じ
いやならば、回れ右して旧約聖書でも読みやがれ・・・・・・ あれも下品だが、そもそも基督教が上品であったためしがない
裸でいると腹が冷えるのだ。
取敢えず孤児姉弟と共に寮に戻って着替えと小銭を取りに良くのである。
まぁ、小銭といっても金貨にして数十枚、これは自力で手に入れた金だし(主に貴族との仲立ちとか紛争仲介とかの意味合いで)着替えに関してもその金だと思えば・・・・・・・・・・・・・・・・
あと、自宅に仕事持ち帰ったときの用意として法務官印(偽造)を持っていかねば・・・・・・・・・・・・
宰相印とかもあるがこれも処分しないと・・・・・・・・・・・・・色々面倒だからってはしょっていたのがばれてしまう。
寮につくなり
「服着ろ!」
寮母のきつい一言・・・・・・・・・・・・・
「馬鹿には見えない服を着ているのだ私の世界樹が見えるとは寮母、馬鹿だろう!」
「黙れ椎の実!!」
泣いていいですか?
「ご主人様のは立派です、世界樹とまではいかないまでも千年樹位の」
姉よ、そのような慰めは・・・・・・・・・・・・・
「大丈夫です椎の実だろうと不能だとしても私のお仕えする主はご主人様一人です。」
余計にダメージが・・・・・・・・
「そもそも、ふざけた法案で爵位を逃げようとする魂胆が丸見えなんだよ。」
「仕えるに値する主でなければ、けり捨てる程度であったし。」
「で、あんたはどうするのだい?」
「都落ちして、魔王国にでも入るかねぇ・・・・・・人族連合は腐りきっているし・・・・・・・・・」
「そうかい、二人は任せていきな」
「願おう」
そうして一人行こうとするのだが、馬鹿が二匹がついてくる。
仕方がないので孤児院に行って、王室からの嫌がらせに注するように警告をして困ったときに頼る先を伝えにいこう。もっとも私のせいといわれればそれまでだが。
ちなみに服はまだ着てない・・・・・・・・・・・・
着ようと思ったが全裸で都落ちというのも嫌味がきいていて王室の格を下げるにちょうどよかろうと・・・・・・・・・・・
服は孤児弟に持たせて、孤児院へと向かう・・・・・・・・・・・・・
王都では私の話が流れているらしく、孤児のためだけに意見して追い出されたとか、全裸で追い出されたとかうわさが流れる・・・・・・・・・・・・・・
衛士が止めようとしても、市民が壁になって私の行方を妨げない・・・・・・・・・・・
何故だ? 全裸の変態がいるならば市民は通報して袋にするだろう、民度を疑う!これでは極東半島のヒトモドキがあいごーあいごー泣いているのを鑑賞しているのと変わりないではないか!
そんなこんなで孤児院に着くと、六大建国公の手下達が屯している。
聞いてみると王妃の報復で孤児院が狙われる可能性があるから夫々の元に保護しに来たと・・・・・・・・・・・・・・
普段は見捨ててこのときとばかりに行動を起こす六大公の軽率さにあきれ果てて涙が出てくる。
まるで子供という資源を争奪している図にしか見えない・・・・・・・・・・・・・
怒りに駆られて私は語る
「この馬鹿者どもが!孤児たちを保護する積りでいさかいを起こすとは何事だ!!そのために孤児たちが傷ついたらどうするのだ!!判っているのかこの脳筋ども!!それでは護衛官と同類だ!! そもそも困っているものは他にもたくさんいるだろう、孤児院だってここのほかに貴族主催孤児院あるのだが、そこでは孤児たちが売られているのだぞ!!知らなかったとかいうのは許さない!! 大人が困らない、親がいれば困らないというのは間違いだ!そこの奴隷公配下の戦士!!お前の幼馴染は親である王宮士爵が病気のため薬代のために花を売っている事実を知っているのか?そこの農園公配下の農園主!君の馴染みの娼婦は子供を養うために泣きながら体を売っているのだよ!!それを知らないなんてどうかしている!!そこの商会公配下の傭兵!!君の友であった者の子息は親がいないことをいい事に親類の下働きになっている事を知っているのか!お前等考え違いしていないか!この孤児院だけが不幸の塊といわないで、この国!否、この世界の不幸に憤れ!!」
「「「法務官様!!」」」
「元だ! どうせ自ら栄達の道を捨てた身だ、一つお節介をしてやろう。ここに紙があり、偽造法務官印とかある。これで王都中、いや、国中の不幸なものを掻っ攫って幸せにしてやれ! 先に挙げた者達だけでなく、そこから芋づる式に不幸の連鎖を叩き潰せ!」
書き書きぺたぺた・・・・・・・・・・・
六大公爵私兵団宛依頼書 依頼者:法務官
・王都にて寡婦、貧困者の子女等が止む得ず私娼化しているので、それを保護し更生の道をつけてほしい。尚、遠因として王国功労者年金の支給不備等があれば合わせて調査されたし。
・王室孤児院以外の貴族孤児院での実態調査、衛生・栄養環境について不備があれば報告されたし。尚、孤児院自体に問題ありと判断されたときは強制的に孤児等を保護し安全等確保されたし。
・孤児等の養い先に対する追跡調査。孤児等々が養い親の元で適切な養育を受けているか調査されたし。尚、虐待等の疑いあれば保護をお願いしたい。
上記の案件について必要とあれば適切な武力・逮捕権の行使も容認する。但し、要報告の事。
「法務官様、官印の偽造は死罪と聞いてますが・・・・・・・・・・・・」
「元より出奔して無事でいられるとは思っていない、ならば死ぬ前に嫌がらせの一つでもしてやろうと思ってやっているだけだ。君たちは私に騙されて命令されたといえばよい。君達の主人は度量が在るし力もある。悪いようにはしないだろう・・・・・・・・・・」
「法務官様?死ぬ気では?」
私は答えない、彼らに重荷を背負わせる気はないし死ぬつもりはないから・・・・・・・・・・・・・・
せめて私に従うこの姉弟の先だけは誰かに頼めないものか・・・・・・・・・・・・
騎馬公の戦士がいたか・・・・・・・・・・
彼も首を横に振り好きにさせろという・・・・・・・・・・・そして自分もと・・・・・・・・・・・・・・馬鹿がいる。
奴隷公の戦士も農園公の小作人も商会公の傭兵も人外公の隠密兵も庭園公に恩がある自由戦士も・・・・・・・・・・・・・・
ついてくるなどという。
「必要ないからついてくることはないよ、できれば助けた人たちのために助力をお願いしたい。」
取敢えず、実行されてから人道的な行動を偽命令といって取り消すことは出来ないだろう。
したら王室の権威が失墜するし、受け入れて体面を取り繕う事しかできまい。後々、消しにかかることもあるからそれに対する保険として彼ら六大公の戦士達にお願いしたいのである。
「全裸賢者様・・・・・・・・・・・・・・」
だまれ! そんなへんな称号で呼ばれたくはない!!
少なくとも、王都の不幸の一欠位は救う手伝いが出来た事に満足して王都を出るのである。
しかし、王都と嘔吐は似ている言葉だ、吐き気がするのまで同じなどとは笑い話だな・・・・・・・・・・・・・・
今日は印度鮪を解体していたのだが飽きた