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国境地帯とデブ兎

もふもふ


国境地帯の平原にはウサギが一心不乱に草を食んでいる。

歩くたびにつんと良い香りがするからこれが麝香草なのだろうか?

肉は食べ物の香りが付くという、烏の肉が不味いのは食べ物が上手くないせいだという説を聞いたことがある。となると異世界英吉利人に肉は異世界日本人に比べ・・・・・・・・(危険思考かつ差別的表現に付き削除)


こら作者!危険すぎる地の文を綴るんじゃない!


もっと不味そうなのは亜米利加人とか・・・・・・・・・・・(by作者)

作者の場合は夜を共にして楽しめなかった人種を言っているんじゃないの?(by性愛神)

酔っ払いの癖して、色々と買春しているからねぇー(by酒精神)




話がそれた。

平原一杯に枯れ草だか新芽だかが生えていて、それを食べてウサギが肥えるのだと警備隊員が言っていた。しかし、私の足元で草を食んでいる兎。どう見ても大きさが違うだろう。

普通兎とは片手で持てる位な物だと思っていたが、子羊くらいの大きさをしている。

是ならば食べ応えがありそうだな。そもそも野生の生き物が人になじみすぎているのはどうかと思うぞ。



すぴすぴ もふもふ


「・・・・・・・・・・・・・もふもふ。」

「うん、凄く懐っこいな。人参食うかな?」

「・・・・・・・・・・・・・・・食べてる。ウサギって以外と可愛い。畑を荒らす害獣だと思っていたんだけど。」

「そんなものか、俺も肉屋でぶら下がっているのしか見たことないんだがな。」


兎を前に二人の世界を造っているのがいると思えば、


「わー!かわいい!」

「逃げないねぇ・・・・・」

「きゃ!そんな所に顔を突っ込まないでよ!」

「なつかれてるねぇ!」

「私は何も持ってないから、えさはもってないから!」


兎にモフられている娘達。


「だんなぁ、兎ってあんなにも大きかったっけ?」

「口調が戻っているぞ孤児弟。まぁ、私もこんなに大きな兎を見たことがないな。普通兎といったら片手で持てる位だと記憶しておるが。」

「しかし、こんなに人懐っこくて野生動物としての自覚はどうなっているんだろう?」

「ふむ・・・・・・・・・・・」


西方国境地帯伯領の平原、名物がないといっていたがこの兎は見物ではないか。

地元の者にとってありふれた光景なのだろう。王都の数(つがい)送ったら、女子供に人気が出るだろうな。


もふもふ


物怖じしない野生動物を撫でつつ、私は仕事の合間の息抜きを楽しむのであった。




伯の城館にて・・・・・・・元々は国境地帯の兵を詰める砦が元であったらしいのだが、街自体を防壁となるように設計しているので伯爵領の行政拠点として現在利用している。

伯家の居住する屋敷は別にあるらしい。

伯の奥方曰く


「城館とか軍事用としては良いのですけど住み心地がねぇ・・・・・」


堅牢な石造りの建物は冬場は寒く夏は暑いからなぁ・・・・・・

漆喰とかで断熱したりするけど限度があるし、風通しが悪いから・・・・・・・・・

居住性よりも防御地点としての意味合いを重要視しているから仕方ない面もあるだろう。



隣国である化蝶国、だだっ広い平原に畑がずらり・・・・・・・・・・

農奴と共に奴隷を使っての農業が盛んである。

近隣諸国も似たようなもので、桃笑国も鷹化国も農奴の下に奴隷を置いて農奴達の不満を逸らす政策をしている。ある意味、奴隷を用いて農奴の血が近くなりすぎないように管理しているのだろう。

ついでいえば、奴隷上がりの農奴も多数いて待遇が改善されたと地主領主に忠誠を誓うものまで居る。


始めに落として屈服させて待遇を良くして崇めさせる。

上手くできたものである。

ただし、我が国の民を用いるのであれば話は別だが・・・・・・・・・・・・


「王室顧問、近隣諸国の国主達に話をつけて我が国由来の奴隷とその関係者を保護する事の許可を得たぞ。」

「我が友、民部官。少々時間が掛かりすぎではないか?」

「なぁに、商会公の隊商達が村々に寄るついでに調べているから漏らしはないさ。お前のところの孤児(ちび)達、アレは凄いなぁ・・・・・立ち寄った村で地元の子供達と仲良くなって公式じゃない情報も色々手に入れてまとめているぞ。間諜として使ったら恐ろしい事になりそうだな。」

「あまいな、その情報は私にも来ている。一応住民名簿は揃っているといってもよかろう。以外とあの子達は年寄りの気を引くのが上手いから可愛がられて昔話みたいな形で年寄り達の来歴も手に入れている。くっくっくっ・・・・・・・・・上手く立ち回れば近隣諸国から農奴奴隷が居なくなるな。」

「おおっ!友よ!その名簿を俺に呉れないか?」

「勿論だとも、別に関係者の保護までが我等の役割だろう。農奴というならば保護しないといけないからなぁ・・・・・・」


私達から遅れてきて、近隣諸国に渡りをつけてきた民部官と共に悪巧みをするのだった。


「御主人様、傍から見ると悪役のやり口です。」

「ねーちゃん、諦めなよ。だんなは仕事増やした王室とか隣国とかに意趣返ししたいだけなんだから。」


孤児弟、覚えていろよ。


その後、奴隷商人達からせしめた金を元手に奴隷達を買い戻す作業に掛かる。

少なくとも売値で買い取れば、雇った期間分だけの労賃を考えれば得をしたと納得してもらえよう。

既得権で利益利益という輩には王権からの命令と反対領主の地域からは商会公の隊商その他が寄らないとか品物が入らないように封鎖する旨を申し出たら渋々とだけど受け入れてくれた。

そこで目端に聞くものなんかは農奴、奴隷達を賃金労働者として雇い入れる技術秘訣(ノウハウ)を欲しいと買戻しの金額を差し出すもの出たが、彼等のようなものには私のもとに教えを請いに来いと丸投げしやがった。

お陰で近隣諸国の貴族や家令なんかが私の元に教えを請いに来る。

この国境地帯で無駄に講習をする羽目になる。


くっくっくっ・・・・・・・・・全部、傷跡卿に施した聖域守護辺境伯家式に仕込んでやろうか・・・・・・・


それはやめてー(by啓蟄地域担当地方神)


神よ、お前たちが自らの子供達に対して行った教育の誤りを正してやろうというのだありがたく受け入れるが宜しかろう。


私自身はこの地にて近隣諸国の貴族地主豪族達の指導をしている。

王国で買い戻した者達を賃金労働者として雇いなおしたい者達を指導するだけ。

ちゃんと利益になるように協力する。

彼等が奴隷のほうが利益になると思ったらまた同じことの繰り返しだ。

商会公からの投資を得てとある地主家で行おうとしたら、他の諸家もと五月蝿い事五月蝿い事・・・・・・・・・・・


諸王家の許しを得て(一応他国の事柄であるから)

私も身銭を切って行うこととなる羽目となった。


諸家の者は私が身銭を切って指導するということで信用してくれるらしい。

一応は投資という形なのであるがそれでも利益になればよいかなということだろう。


因みに子供達は受け入れ作業の傍ら、受け入れた者達に読み書き計算を仕込んで同じく奴隷となったときに更に価値が増すようにする。そうすることで奴隷として買い戻そうにも自力がある奴隷ということで買い戻しづらくなる。奴隷になるならば価値ある奴隷に・・・・・・・・・・・・


王国の奴隷は価値があると思われているのだが更に価値をあげてやれば・・・・・・・・・・・・・

買いづらくなる。更に王国自体が奪還行動をするとなれば・・・・・・・・・・・・言うまでもないだろう。

買い手を選ぶ商品となる。そうすれば選ばれた買い手を監視すれば十分回収可能になるから何とかなるはずである。


そうすること数ヶ月、新たに教育を受けて雇い直された元農奴や元奴隷達は稼げば金になることを知って地主達と控えめな交渉をしつつそれなりの待遇を得るのである。


子供達の教育をそのまま受けたとなれば・・・・・・・・・・・・

ちょっと応用を利かせれば地主達の懐具合を推測できるだろう。

其処から提案とか改善(toyotasiki)とかできるから無碍に出来ないはず。


さて、どこまで出来るかな?

出来なかれば私が食い荒らしてやるだけだが。


「御主人様、投資を願い出てきている地主諸家が居るのですが・・・・・・・・・・・」


私にも投資の機会が・・・・・・・・・・・


因みに王家に送った兎は夕飯に化けて王室顧問に

「美味かったのでお代わり求む」

といわれるのであった。




一升瓶抱えながらつづるのは楽しいね。

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