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嘘吐娘と奴隷の試練

売り買いする喧騒の中、いろいろな商品が飛び交っている王都市場(通称:酒盛市場)どうして、酔っ払い連中が屯しているのだろうか?


「さりゃ、王室顧問卿が小間物屋の店を乗っ取って酒盛したのが始まりじゃないか!自重しろ!この腐れ賢者!おかげで店を乗っ取られたという店主達の苦情をなだめたり、酒盛目的で店を借りる馬鹿が増えて大変だったんだぞ!どうして、俺がやる羽目になるんだよ!弟子だからお前が処理しろとか・・・・・・・・・・・子供に無茶振りする古狸がいるし・・・・・・・・・・」


溜息をつく補佐見習。でも実際巧いこと調整したじゃないか、後見する大人の官僚達はいなかったんか?いないか、ことの当事者達だし・・・・・・・・・下手すれば貴族達も利用しているし・・・・・・・・・・

よく考えたら店の権利を買ったら何をしようが問題ないわけだし・・・・・・・・・・表だって文句は言えないよな。


「市場の方からも貴族に文句言えないし、商売する者が場所取れなくて泣き寝入りしていたし・・・・・・・・飲食場所というか休憩場所を設定して、市場での泥酔行為を取り締まろうとしたら・・・・・・・・その部分だけ綺麗に切り取って提出してくれる官僚達(よっぱらい)。身内が敵という状況に俺は泣くぞ。御前会議できっちり都合の良い様に決定するし。俺は酒盛場所を作ったんじゃなーーい!!」

「この一件でお前が酸いも甘いも噛み分けた解決ができると評価されているんだがな。」

「そんな評価はいらないんだけど・・・・・・・・・ おかげでつい最近まで市場がらみの厄介事は俺の担当になるとか、仕事増やしてほしくないんだけど。ほかにも貴族諸家の出張経理とか仕事増えて休みが取れないのに・・・・・・・・・・・・・」


多分、法務副長と宰相の企みだろうな。

王家からの派遣して色々情報を得たり、恩を売ったり何をしているのやら・・・・・・・・・

って、いうか官僚共を使え!子供に何をさせるんだ!


ぼやきが途切れない補佐見習を横目に官僚共を見てみると、近衛と衛士達に追い回されている。

結構器用に逃げているな。

捕縛命令でも出されたのだろうか?そういえば出したのは私だったな。

所でどうして私と補佐見習のそばに来るのだ近衛隊。


「王室顧問様、王宮への召喚状です。大人しく来て貰えますか?」

「誰の命令だ?」

「宰相閣下です。」

「私は休暇中で自分の仕事を済ませているぞ。召喚に応じる謂れはない。」

「俺もやっともらった休暇だ。邪魔されてたまるか!」

「では力づくで・・・・・・・・・・」


私と補佐見習はお互いに顔を見合わせて準備をする。

「「仕事おしつけるんじゃなーーーーい!!!!!」」


神秘緋金属張扇(オリハリセン)を振りかぶると近衛隊にたたき付ける。

ふべらぼらーー!


私達師弟の一撃(つっこみ)に虹色の尾を引きながら王城の壁に激突して汚い壁画となる。


「またつまらぬ者を打ってしまった。」



「いやぁ、見事な師弟合体攻撃酒盛市場は下手な演芸神殿より見ごたえがありますな老師。」

「はじめてみるがなかなか見事だな王国演芸神殿の大祭司よ。どうして彼等を演芸神殿に招かないのだ?演芸神様だって喜ばれるだろうに・・・・・・・」

「如何も彼等は演芸神殿の者を見ると問答無用で一撃(つっこみ)食らわせる習性があるらしくって・・・・・・・・・」

「あのう、大祭司様に老師様・・・・・・・・・後ろを見たほうが・・・・・・・・」


ごちゃごちゃうるさいなぁ・・・・・ちょいやくの分際で・・・・・・・・・・・


「ほうほう、これが演芸神様の加護深き神秘緋金属張扇(オリハリセン)!師匠の物と比べて弟子が持つほうは若干短いようだが託された神気は・・・・・・・・・・おおっ!なんと素晴らしい!この年になってはじめてみたぞ!二重加護の神器なんて代物は!!おおっ!素晴らしいな少年。我と共に演芸神殿に行かないか?今ならば名誉大祭司の称号付だぞ!」

「あのぅ、老師。彼なんですけど・・・・・・・・・王国の男爵位で高名な【傷跡娘の物語】の主役なんですが・・・・・・・・・」

「なんと、あの腐れ文芸神の・・・・・・・・・・少年、悪い事言わないから文芸神なんかよりも演芸神の元に・・・・・・・・・」

「師匠の方もどうですかな?歓迎するが・・・・・・・一度おいでに・・・・・・・・なられては・・・・・・・・」

「あ、あのぅ・・・・・・・・話が見えないんだけど・・・・・・・・・・」

「悪い悪い、自己紹介が遅れたな。我は演芸神殿の大祭司長である。世界中にある演芸神殿の束ねをしていると思っていただければよい。この王都に我等が神の加護を受けたものがいるということで一目お目にかかろうと思っていたのだがこのような場で偶然お目にかかれるとは神のお導きなのだろうかな。我等が演芸神よ、彼らとの出会いに感謝いたします。」


それほどでも・・・・・・・・・・あるよー(by演芸神)


「うるせぇーー!」

ぼぐしゃ!


ふべらばーーー!!(by演芸神)


ふん、お前が出てくると話が進まなくなる!

「な、なんと演芸神様を・・・・・・・・・・・」

「神に一撃(つっこみ)とは・・・・・・・・・・・・なんと非道な!」

「神殿協会から神が泣きついてくると話があったがこれだったか!」

「お前等も五月蝿い!」


どかどかどかどか!!

私は神秘緋金属張扇(オリハリセン)で演芸神殿一同を叩きのめすと彼等は一撃(つっこみ)を受けた場所から盛大に煙を出して倒れる。

倒れ方も芸が細かい・・・・・・・・さすがと言うべきか?


「ううっ・・・・・・・・・・見事な一撃(つっこみ)だ(ばたり」


最後の言葉を発して倒れる自称老師。

この一撃では死傷する恐れがないはずだがなかなか芸達者である。




我が信徒を掠め取ろうとは許しがたい。(by性愛神)

本当に演芸神の分際で・・・・・・・・なにをしているのかしら。(by文学神)

我が神殿を手助けしてくれた子供は我の物だ。(by療養神)

何を言う・・・・・・・・

そこは私の領分だろ!俺は加護を与えたんだ!


だのなんか神々が五月蝿い・・・・・・・・・・

「わざわざ下界にしゃしゃり出て騒いでんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

がつがつがつがつがつ!!


神気をたどって神々を叩きのめす。


神々はうわぁだのキャーだのぶほべらーだの言いつつ飛ばされていく。

そんな神々の悲鳴を聞きつけたのか王国神殿と療養神殿の神職達が、


「王室顧問卿!神器はそのように使うものでは・・・・・・・・・・・・・」

「反省してください!こっちに泣きつかれて大変なんですから!」


だったら、神様何とかしてほしいものだ・・・・・・・・・

そのうちに【神殺し】に目覚めそうで怖い。


「【神殺し】なんかに目覚めないでください!!洒落にならないですから!」

「突込み殺すってどれだけなんですか!」

「ある意味性愛神の忠実な信徒である王室顧問には・・・・・・・ぼくふぁ!」


下品な発言は粛清するとして・・・・・・・・・

って言うかお前等何でこの場にいたのかが疑問だ。都合が良すぎるだろうに・・・・・・・・

「私ですか?療養神殿で使う匙が足りなくて・・・・・・・・うちの神様は何かというと匙を飛ばすから・・・・・・・・」

「こっちは、王国神様が他国の神々に責められて我等に愚痴られるんですよ・・・・・・・・・付き合っていた神殿長が胃痛に悩まされて・・・・・・・・・・消化に良い食べ物と胃薬を・・・・・・・・・・って、王室顧問!あなたが他国に亡命するとか言うから事が拗れたんじゃないですか!!!」

「こっちもつける薬発言を控えてください!匙代が馬鹿にならないんですから!」


なんか神職達に叱られる私であった。


「なんか喜劇みたいに混沌としているなぁ・・・・・」

補佐見習のつぶやきは、いつの間にか復活した演芸神殿の者がおひねりはこちらにとか言いつつ差し出した帽子に小銭を集めて(きふをもとめて)いるざわめきにかき消されるのであった。







なんか話が脱線したなぁ・・・・・

酒盛している大使達やなんやら、市場の運営について話をしている姫大使と小売婦人、端切れ屋から小物屋に店を替えて買い物を楽しんでいる娘達を尻目に近況を聞いてみる。


「補佐見習、そう言えば何時式を挙げるんだ?」

「俺としては急ぐつもりはないし、実感がわかないんだが周りが五月蝿くて・・・・・・特に女性陣が・・・・・・・」

「母上か・・・・・なんか済まん。」

「旦那が謝ることじゃないんだが、かーちゃんも乗り気で奥方様と色々・・・・・・・・主役のはずなのに俺に決定権がないってなんだろうな?泣けてくる。」


口調も前に戻ってぼやいている補佐見習、少年が言うせりふではないなぁ・・・・


「まぁ、式は女達の為にあるものだからな。あきらめて受け入れな。それとも傷跡娘と共にあるのが嫌なのか?」

「そ、それは・・・・・・・・・・嫌とかそんなんじゃなくて・・・・・・・・・俺でいいのかなぁ・・・・・・・・って。」

「煮え切らない奴だなぁ・・・・・ お前は私の弟子の中で傑作の一つだ!お前は傷跡娘の為に傷跡を消すだけの金を稼いだ!他にも貴族諸家の会計状況を改善させて其処に住む領民達の暮らしを向上させて弱者保護の為に国王に堂々と反論して道をつなぐ手助けをした。劇的ではないがお前がいなければ不幸なままというものも多いはず。お前は胸を張って是だけのことが出来る男だ!文句あるかと堂々とすれば良い。」

「・・・・・・・・・」


くくくっ・・・・

本当に不器用な奴だ。


補佐見習の肩を叩いてやって

「少し冷えたな、酒でも飲んで温まるか。」

「余計に寒くなりそうなんだが・・・・・・・」


文句は言いつつ、私についてくる馬鹿弟子であった。


二人して飲んでいると買い物が終わったのか娘達もこっちに駆け寄ってくる。

手に手に戦利品をもって、賑やかしい。

何時もはあまり買い物をしない傷跡娘も可愛らしい装飾品を手にしている。


「珍しいね、補佐見習が飲んでいるなんて・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・賢者様の付き合い?」

「そんなところだ、たまには男同士で飲むのも悪くないだろう。傷跡娘の酌でないのがこの馬鹿には不満らしいが。くっくっくっ・・・・・・・・・・」

「ちょ!」

「愛されてるねぇ・・・・・・・・」

「其処の魔法使いさーん!」


「つまらないことで私を呼ぶんじゃねぇぇぇぇ!!」


娘達が乱入して一気に場は賑やかになる。

孤児娘達も珍しく酒を手にしている。おやおや飲んだことないのに大丈夫か?

「酔っ払ったら賢者様がお持ち帰りしてくれるでしょ。」

「普通に人を雇って部屋までは運ぶけどな。」

「ぶーぶー かわいい女の子を前にしてその仕打ちはひどーい!」

「それは自称するもんじゃないだろ。」

「補佐見習ひどーい! 傷跡娘ちゃんもなんでこんなのと一緒になる決心ついたの?」

「・・・・・・・・・・・彼なら私が酔いつぶれてもしっかりと守ってくれるし・・・・・・・・・お持ち帰りされたいかも・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・うわぁ、ご馳走様。」「暑いねぇ・・・・・・・・・・」

「まほうつかいさーん!」


「付き合いきれん。」

ぷりぷり怒って帰る魔法使い氏。娘達、彼は一人身なんだから残酷な依頼をするんじゃないよ。



雑談をしながらなれない酒をなめるように味を確かめる子供達。皆して赤い顔をしているのはご愛嬌だ。

そんな中、孤児娘の一人が傷跡娘に質問をする。

「そう言えば式は何時になるの?」

「・・・・・・・・・・・・・なんでもわたしの成人の儀が終わってからと奴隷公様が言っていた。成人に儀はちょっと怖い・・・・・・・・・」

「大丈夫だって、形だけのものでしょう。」

「心配するな、奴隷公家の試練だめでも俺は待っているからさ。何ならば他の家に養女に出て受けなおすのもありだろう。」

「そんなものじゃないと思うのだが・・・・・・・・・・」


傷跡娘ならば多少の事を乗り越えられるから心配はしていないけど。

それに試練に失敗させるなんてことは周りの女性陣が許さないだろうしな。


大変だな奴隷公。

なんか脱線した気がする。

どうして演芸神殿が出てきたんだろう?


酒が足りないのか!そうだな酒だな!

これから飲むとしよう。

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