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引退勧告と王室顧問

ふむ、是は孤児姉が私を慕っていることをネタにからかっているのだな。

性質の悪い事だ・・・・・・


私の可愛い孤児姉を困らせる悪い貴族は粛清しないと駄目だな。

しかもその流れで私に仕事をさせようとするなんて万死に値する。


ふむ、そういうことならば・・・・・・・・・・・


「陛下に皆様方、我が可愛い眷属である孤児姉の事を案じていただきまして真に有難う御座います。ただ、彼女は間違って爵位を得てしまったとは言え本質は自由民でありますし彼女が自らの選択として私を選び、私がそれを受け入れるならば兎も角、王命だの周りの押し付けによって番う事になるのは正しい事ではないと私は愚慮致します。(意訳:周りがごちゃごちゃ言うな。)」


「御主人様・・・・・・・・・・・・私だと御不満ですか?」


あははっ・・・・・・孤児姉のほうが食いついてきてしまったか。

可愛い娘よ。お前を嫌うなんて事はないだろう。

だが、結婚するかしないかは別だ。結婚したら性愛神殿通いは出来ないだろう。


「共にある相手としては多少の不満があるが、追い出すほどではない。手放したくないと思う私もいるが、飛び立つことを惜しみながらも祝福を与えよう。我が弟子にして娘よ。私のような道楽者の草臥れた男より、先ある善き男を見つけるなり進みたい道を歩みなさい。私が貴人聖域法(アジール)をもってお前を保護したのはお前を囲うためではなく、お前が飛び立つための踏み台になるためなんだからね。」


「どっちかというと成り行きで保護したように聞いたが。」

「我も護衛官の暴虐から一時的に保護するためと聞いたが・・・・・・」

「あの全裸出奔騒ぎでは進んで付いてきているから進む道は今のところは王室顧問の傍なんだろうな。受け入れてやればよいものを・・・・・・・・・」

「それを思うと不憫でならないんだが。」

「しかし、ある意味愛に溢れているが別な意味で残酷に思える。」

「逃げているようにも聞こえるが・・・・・・」


五月蝿いな・・・・・・・・・・・


「ご主人様はいつもそうですね・・・・・・・・・・・」

孤児姉は力なく微笑み

「それでも共にあることは許してくれますか?」


それならば

「お前には生きる術を与えたはずだが酔狂な事だ。好きにすればよい・・・・・・・・・・・私は私として自由にあろうとするがそれでも付いてきたいならば振り払う腕は持たない。」


「その誓いは我国王が見届けたり。この場にいる皆が証人となろう。皆の者異存はないな。」

「「「「はっ、陛下!」」」」


えっ!な、なにを・・・・・・

「見事に嵌められたな王室顧問。お前は自ら孤児姉に一杯食わされたんだ。」

「宰相閣下、何を言っているのですか?」

「判らぬか?孤児姉の共に在りたいと言う願いをお前は受け入れた。此処までは判るな。」

「はい・・・・・・・・ あっ!」


私としたことが・・・・・・・・・・・共にあると言う誓いは婚姻にも取られるのだったか・・・・・・・・・・

孤児姉の求愛を不精不精受け入れたと取られても・・・・・・・・・・・

陛下とかが証人となれば覆せないだろうし、覆そうとすれば私が悪人となってしまう・・・・・・・・

多分、孤児姉的にはそんな意味合いではない何時ものやり取りのつもりなんだろうが時と場所が効果的だったか・・・・・・・・・・


してやられたな・・・・・・・・・・

「御主人様・・・・・・・・・・・・」

こちらをうかがうような顔をしてみてくる孤児姉、そんな顔をされると余計に私が悪人となってしまうな。

仕方ないな・・・・・・・・・・・・


孤児姉の頭をなでながら、

「言ったはずだ。飛び立つ翼があるのならば自由に飛べと。本当に馬鹿な子だ。だが生憎と私の手は他の事に忙ししくてお前を振り払う事はできない。共に在りたいと言うのならば勝手にすればよい。まぁ、手放したくないと思ったりしているのは事実だがな。」


孤児姉の顔に喜色が灯る。

そして周りが五月蝿い事五月蝿い事。

「ふむ、王室顧問も受け入れたようだし、聖域守護辺境伯家にも通達して事を進めるとするか。」

「そうですな陛下。時間を置くと王室顧問が逃げ出そうとするでしょうしな。」

「ついには王室顧問も捕まるときが来るとは・・・・・・・・・長生きはしてみるものだ。」

「孤児姉よ、逃がさないようにしっかりと捕まえておくのだぞ。」

「はいっ。」


「所で王室顧問、一つ質問だが・・・・・・・・・・・・」

「何でしょう、宰相閣下?」

「お前の手が忙しいといっているが何に忙しいのだ?」

「そりゃぁ、陛下やら閣下に押し付けられた私の担当じゃない仕事ですが!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この場においてもそれを言うのか・・・・・・・・・・」

「でしたらさっさと表の蓑虫を引き上げて仕事させてください!こっちにも苦情が来ているんですけど何とかしてください!」

「えっと・・・・・・・・・・・・奴等引き上げて反省したかと聞くと『まだ反省が足りませんのでこの場で反省しています。』と蓑虫暮らしを楽しみやがっているんだ。お前のところの灰髪の兄妹、彼等に釘を刺しておけ。官僚共に酒を与えるなと!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・わかりました。おとといから王宮に上げないで市場で働かせていますからしばらくしたら酒が切れて抜け出すと思いますよ。」

「そうだな、それならば兵糧攻めとするか。それと王室顧問、孤児姉と二人話すこともあるだろう。今日の所は下がってよいぞ。」

「有難う御座います。孤児姉、ゆるりと市場でも巡るか?」

「はいっ!御主人様。」




駆け引きに勝った孤児姉は私という止まり木を得るのであった。


だが一つ忘れているだろうが、【共に在る事】を認めたが【婚姻関係になること】は認めていないということを・・・・・・・・・・

まだまだ、私は捕まるわけにいかない!世界中の性愛神殿の娼婦達のためにも・・・・・・・・


時間の問題ですわね。(by性愛神)

往生際が悪いですわ。(by恋愛神)

多分周りが許さないだろうな。(by風の神)


不吉な事を言うな神々!


早いか遅いかでどうせ一緒になるのに無駄な抗いを。(by運命神)


断定するな運命神!

あれ?如何してこうなったのだろう?

そうか!最近仕事が増加して酒が飲めていないからだな。


そうだ!酒を飲もう!


と、言う事で今宵は是まで。

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