道楽貴族と銀の匙
月例療養神殿会計報告書 某王国王都神殿より
匙代 金貨2枚(昨年同月に比べて金貨一枚銀貨78枚増)
「匙代って・・・・・・・・・・・・」
「ああ、ここの所療養神様が匙を投げるのを娯楽として捉えているらしく匙を所構わず乱射するのだ。お陰で治療室は匙塗れだし、どこぞの馬鹿が【馬鹿につける薬】なんて考えるものだから匙が飛ぶ飛ぶ・・・・・・・・・・・」
「それ、心当たりあります。王宮の馬鹿貴族共ですよ・・・・・・・・・あやつら仲間内での馬鹿な行いを見るたびに【馬鹿につける薬】を慣用表現で言うもんだから・・・・・・・・・・本当にあいつ等につける薬は・・・・・・・・・」
びゅ「ないんだから・・・・・・・・・・・」
我が親愛なる神職よ、折角我が匙を投げる用意している所で止めるのは神に対する不敬であるぞ。(by療養神)
「嗚呼療養神様。神殿の財政に不備が出るくらい匙を投げる馬鹿な神様につける薬はないのでしょうか・・・・・・・・・・・」
「「「「ないのでしょうか。」」」」
・・・・・・・・・・・ううっ(by療養神)
森林神殿で子供達は一つ成長した。
それが良い事なのか悪い事なのか?
「賢者様・・・・・・・・男の人って穴があれば何でも良いの?」
難しい質問を・・・・・・・・・
「私は女に飢えた事がないからな、判らん。確かに山羊とか羊は人のそれと具合が良く似ていると言う話を聞くが・・・・・・・・作者はネーザン種がとても具合が良かったと言っていたぞ。」
嘘です。(by作者)
「御主人様、何故羊や山羊をそのように使うのですか?それこそ女性というものはそこらに沢山いるでしょうに・・・・・・・・・・・」
「そりゃ、身近に女性がいないときに催してきたら手近にあるもので済まそうとするだろう。森林神みたいに手当たり次第というのは問題だが・・・・・・・・・・・・・そういう意味では極北神も光明神もか。」
我を下半身で行動しているみたいに言わないでくれ。そりゃ、同時進行とか幾つかの獣人系種族の祖となった覚えはあるけど・・・・・・・・・・(by森林神)
極北娘達をはべらせているのは否定せぬが常に極光神一筋だぞ。一穴とは言わないが・・・・ちょ、愛しき七色の焔よ何をす・・・・・・・・・・・・うぎゃぁぁぁ・・・・・・・(by極北神)
口は災いの元だな。その点我はそのときに一人しか愛さないから・・・・・・・(by光明神)
光明神は見る目がないけどな、なんたって腐った女を・・・・・・・・・
止めてくれぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・・・・(by光明神)
その日世界は光を失いかけた・・・・・・・・・・・
沈み込む光明神とそれを宥める男性神格達が王都近郊で見られたという伝説が後に伝わるのだが、真偽のほどは知らない。
次の日、自主休業を決め込んだ私は孤児院で幼女から神学上の質問を受けていた。
「けんじゃさま。りょーよーしんさまはすぐにさじをなげるけど、さじはどこからくるの?」
ふむ、面白い質問だ。
「幼女はこれを神職達に質問したのか?」
「うん、わからないとか、きにもしたことなかったとこたえてくれなかった。」
「お前が教えているのは王国神、風の神、荒野神、性愛神の神職達だから療養神絡みの質問の答えを持っていないのかもな。お前だって自分の家のことはわかっていても、隣の家のことを全て若手いるわけではないだろう。」
「うん、でも、となりならまだわかる。おじさんがむすめをできあいしていてむすめさんのなかのよいともだちをやみうちしてむすめはやれんとほえていたところにおばさんになぐられていたことくらいは・・・・・・・・・・となりのとなりとなるとむすこさんがつきあっているおんなのひとにえのもでるになってといわれていったら、はだかのおとこのひとといっしょにもでるにされてまくらをぬらしていたとか・・・・・・・・・・・」
えっと、なんて言うか・・・・・・・・・・・・
孤児院のご近所さんを何とかしてください・・・・・・・・・・あまりに教育上悪い。
特に王国地方担当地方神様とか・・・・・・・・・あんたのとこの神職共がくだらないことをしている暇があるならば民草のために心砕けとか・・・・・・・人の事を出汁にして他の地方神との交渉を有利に進めたりすのは止めて欲しいのだがな。本気で他国に亡命するか王国神殿を潰しにかかるぞ。
亡命は良いけど、神殿は勘弁。いくら神職共を潰しても良いから・・・・・・・・(by某王国地方担当神)
うわぁ、酷い・・・・・・これが神か・・・・・・・・
この神殿は一度査察をしっかりとするべきだな。最悪祭神の変更を考えてもらうか・・・・・・・
ちょ、待て・・・・・(by某王国担当地方神)
気を取り直して、今頃療養神殿の神職達が買出しに来ているかな?
「幼女よ、市場でも行って見るか?」
「うん、けんじゃさまあたしをなんぱしているの?」
「はははっ、お前は美人になりそうだからなぁ。今のうちに唾をつけておくのも悪くない。」
「御主人様・・・・・・・・・」
「ごめんなさい、けんじゃさまにつばつけられるとこじあねのおねーちゃんがすごいかおしてにらんできてこわいから・・・・・・・・・・・・」
孤児姉、幼女にまで嫉妬するな。
「幼女、折角ご主人様が誘ってくださっているのだからご一緒したほうが宜しいですよ。貴方の答えが見つかる宛があるようですし。」
「うん、いく!」
てくてくてくてく・・・・・・・・・・・
幼女をつれて市場に行く。親子連れに見えてしまうが気のせいだ。
「おや、賢者様。見かけない子だけどどこかで産ませたんかい?」
さっそくそれかよ、どこかに仕込みをしている神でもいるのではないのか?
まさか、神々はそんなに暇じゃないさ。(by仕込神)
本当だ。王室顧問に関わる暇がないし。(by分岐神)
・・・・・・・・・・・
ほっといていこう・・・・・・・・
市場にて
「親方、またいつもの頼む・・・・・・・・」
「療養神殿の神職さん、またかい・・・・・・・・・・・・うちとしては売り上げになるから良いんだけどな。」
「うちの神様どころか治療者まで真似し始めて・・・・・・・・・・・馬鹿共につける薬が・・・・・」
「なんか聞いてはいけない事を聞いた気分だね。」
「別に秘密じゃないから・・・・・・・・・親方、少しとりおきしておいて貰えるか?」
「嗚呼、端数はおまけしておくよ。」
「いつもすまないねぇ・・・・・・・・・・・」
運よく療養神殿の神職と匙作りの親方の会話に出会うことが出来た。
「・・・・・・・・・・・・けんじゃさま。おもっていたよりもじみなこたえだった。」
「りょーよーしんさまがかみさまのちからでびびっとつくってなげているんかとおもった。」
なんか子供の夢を壊した気分だ・・・・・・・・・・・
「おや?王室顧問様でないですか。傷跡娘の予後は如何です?」
「療養神殿の神職殿。久方ぶりであるな。傷跡娘は元気そのものだ。多少避妊薬でも処方してもらうかもしれないがな。折角の私の休みなんだ、無粋で水をさしたくない。今日の所はこの幼女の質問で療養神の匙はどこから来るのかという質問の答えを見せるために来た所だ。」
「おう、ちっちゃい嬢ちゃん。うちの匙は神様御用達だ。まずみてみな、これは薬匙。薬の量を測るための匙だ。療養神殿や治療者がいつも使っているものだ。規格が統一されていて、これ一盛でどれだけの量と言うのがわかり易くなっているんだ。」
「くすりはかるさじなんだ。かみさまとさじのつながりがみえてきた。かみさまはあきてどうぐをほうりなげるんだね。」
「そうそう、よくわかるな。お嬢ちゃん。」
「いくらなんでもしごとがうまくいかないからって、どうぐなげるのはぎょうぎのわるいひとだってこじいんのおばちゃんだちがいっていたよ。かみさまもぎょうぎよくないのかな?」
「わはははははっ!嬢ちゃんは肝っ玉が太いねぇ・・・・・ちげぇねぇや。」
「親方、はっきり言わないでくださいよ。部外者から言われるとへこむから・・・・・・・・・」
はらり・・・・・・・・・はらり・・・・・・・
「幼女質問の答えを貰ったか?」「うん!」
私は親方に匙を頼み、帰途に着く。
その前に何か食べていくか?
「うん!」「はい、御主人様。」
市場の飲食スペースですっかり市場で独り立ちして棒手振りとなった強力兄弟と再会したり、宴会中の大使たちに巻き込まれそうになったのは考えたくない。覚えていたくない。
なんだかなぁ・・・・・
久方ぶりの仕事で疲れてます。いつもは日本酒一升いけるのに・・・・・・・・・・・・
昼間飲んでないから手が振るえる震える。