道楽貴族と森の社
魔王勇者戦役時代
人族連合では【勇者】の召喚が度々行われていた。
呼び出された【勇者】は多種多様な人材がいて当時の担当者は対応に苦慮したと言われている。
体質、戒律、性質・・・・・・・等々
同じ異世界から呼び出したとは思えないくらいに違いがあり、ある者に対して成功した事例でも他の者に対しては逆効果で敵対されてしまうと言った事例もあったという。この事例の積み重ねが時々世界に迷い込んでくる【異世界人】への対応の基礎となるのである。(それでも奇抜なものが多くて大変なのだが)
そんな【勇者】達の物語を挙げれば数多くの逸話とか出てくるのだろうが、ここではとある【勇者】の物語を騙るとしよう・・・・・・・・・・
その【勇者】は後に【|世界の中心で愛を叫んだケモナー《けもっこらばー》】と呼ばれるのであるが・・・・・・・・・そんな彼の話である。
彼が召喚されたのは魔王勇者戦役時代の後期、古盾の王国が形成されたころである。
その頃には古盾の王国を最前線として【魔王】率いる諸族連合軍と【聖王】率いる人族連合の膠着状態が続いていた。戦というものは沢山の難民を生み出しそれを狙う奴隷商人が屯するものである。酷い者になると人族連合軍を一部借り受けて魔王軍からの捕虜を得るためだけの戦いをしていたと言う。
ここで獲た捕虜は戦役奴隷として労働力にされていた。人族からしてみれば所謂異民族、下手すれば動物としてみていたのである。扱いも牛馬の方がましと言う扱いをされ、文字通り使い捨ての存在であった。
彼等の死体は処理されて食肉として奴隷達の口に入れるとか、骨は砕いて畑の肥料だとか・・・・・・・・・古盾の王国の一部地域で取れた食物を異種族達は口にしない不文律があるくらいだ。(現在では鎮霊の地として人が入らないように某王国と聖域守護辺境伯家により管理されている。)
そんな状況に心を痛めた【勇者】達が以外と数多く存在したという。
【勇者】の故郷とされる異世界は数々あるしその異世界一つをとっても地域によって様々な違いが出てくる。平和で知性ある者をむやみやたらと虐げるのを恥とする文化を持っている者もいるだろう。いくら、当時の担当者達が言い聞かせても受け入れがたかったのは想像に難くない。
そんな【勇者】達が否として反抗するのは火を見るよりも明らかである。
ある者は異族連合に降り魔王軍の尖兵となり、他の者は奴隷商人を軍規を乱すと処罰した。担当者達も勇者の機嫌を損ねるのは得策でないと捕虜の奴隷化を控えさせたり、目につく所で行わせないと言った配慮もするようになる。
そんな中、彼の取った行動は一際変わっていた。
彼が戦で功を上げ、褒賞として領地と奴隷を望み一国を立ち上げるのである。
実際に国を立ち上げたというよりは古盾の王国内での自治区といったほうが正しいのだろうが、そこに行けば種族が元で不当な扱いは行われないということがあって、諸異族の中でも戦闘能力に乏しいもの、脱走兵、逃亡農奴、逃亡奴隷等が集まってくるのであった。
勿論、人族連合の方でも不安の芽を摘みたくて軍を派遣するのだが、数だけは多く攻撃するならば諸異族連合軍に降ると言われると一種の非戦条約を結んで懐柔するしかないのだった。
流石に敵対行動だけではなく、保護した緒異族の技とか生産物とかを提供したり人族連合内でも認めさせることを忘れていなかった。
そうして、発展した【異族自治区】は他の【勇者】達の協力もあって人族連合内の
諸異族奴隷の数を減らす事に成功したのである。
この奴隷の減少で人族連合内の生産力が落ちて、古盾の王国から狭間の王国と替わる【叫びの子】の時代になる一助になるのだった。
そして、かの【勇者】が拓いた【異族保護自治区】も【人外公領】として現在の王国の一部となっている。
その勇者が自治区を拓いた時、集まった人族・異族ごっちゃごちゃの集まりで叫んだ演説はあまりにも有名である。
諸君 私は異世界からの漂流物である。
諸君 私は寄る辺無き根無し草である。
私は心の底から欲する。 浮き草のような我等【勇者】が引っかかる故郷を
嗚呼 戦無き世界より零れ落ち 【勇者】なる戦奴隷に仕立て上げられ
数多の血を流し、多くの悲嘆を子守唄にする
私は【勇者】ではなく、誰かの友として誰かの善き隣人としてありたい。
そしてこの世界に疑問を感じてこの領地を切り拓き君達といるのだ。
これは私から世界への質問状である。
私を呼び寄せた魔術師よ、人族だけの正義を訴える神職達よ、剣の言葉しか持たない王侯貴族達よ、我が剣の錆となった襲い掛かる異族達よ、こんな世界を作り上げて無視を決め込む神々よ!
私はこの戦が間違っているとここに宣言する。
私の傍らに居るネコミミ娘を見るがよい。彼女の猫耳はこりこりとした感触でハミハミしても良いし、天駕繍のような肌触りは触り続けて飽きが来ない。猫尻尾もしなやかな動きで私を魅了する。尻尾で巻きつかれてしごかれたら私は一溜りもなく彼女の魅力に負けを認めざるをえない。
もう片方にいる犬耳の少年を見るが良い。彼の耳は・・・・・・・・・・・(この発言を発しようとしたら彼の【勇者】は彼の愛する者達による粛清を受ける。)
・・・・・・・ううっ(【勇者】は起き上がり)
この子達の素晴らしさは集いし君達が自分で知るが良い。
私はこの小さな村を質問状として、諸族融和の実験場として、弱き者の聖域として・・・・・・・・・・・そして、零れ落ちた者達の故郷として切り拓いた。
そして、君達と言う素晴らしい隣人と傍らにいる家族達を得て私はこの世界にきた幸せを知った。
私は【勇者】としてではなく、ここを愛する一人として剣の代わりに鍬を取り、殴る代わりに抱きしめて活きていける世界が出来る事を示して生きたい。
さぁ、零れ落ちた諸君よ。我等は手を取り合って幸いにいたれることを示して行こうではないか!
因みに彼の死因は【腹上死】であったと伝えられている。
権勢を誇り、様々な種族のものから慕われた彼だが、好意を寄せてくる者達を拒まず受け入れすぎたのは彼の業というべきか優しさゆえなのか?
公式には関係を持ったのは34人子供は48人と言われているが非公式だともっといるのだろう。
とりあえず、もげろ!(この一文は読者の落書きであるのだが筆者やその他読者の代弁だと感じたので記す。)
森林神殿 人外領成立記より抜粋。
たまには森に行きたくなるときがある。
人ごみを離れて一人になりたいと・・・・・・・・・
それが古書の積み重なった書斎だったり、荒海に浮かぶ小船であったり、清冽な空気が胸に突き刺さる山々であったり・・・・・・・・
私の場合だと一人飲む酒が孤独を齎す結界の役割になるときもあるのだが、孤独を楽しみたくとも酔客に阻まれてしまうこともある。
そうでなくとも孤児姉が常に付き添っている。
それ自体に文句を言うわけに行かないのだが、あれの好意を受けることができるというのは喜ばしいことであるが・・・・・・・・
とはいえ、私が行くところには常に付き添っている気がする。(但し、性愛神殿の個室除く)
今日も王都近郊にある森林神殿に向かうときにも付いてくるのである。
本当に忠義の過ぎる者というのは・・・・・・・・・・
正確には思慕だね(by性愛神)
忠義というのは可愛そうだよねぇ・・・・・・一発だいてあげな(by恋愛神)
ある意味孤児姉が不憫だと・・・・・・・・・(by風の神)
いえてる・・・・・・・・・(by某王国地域担当地方神)
私が悪者なのか?
勿論(by神々)
気を取り直して森林神殿に・・・・・・・・・・
「御主人様、今日はどこに?」
「孤児姉か、王都を離れた森に森林神殿があるのだが行くだけだ。」
「道楽ですか?」
「・・・・・・・・・・・・・そういうことにしておこう。」
森林神殿に向かう馬車・・・・・・・・・・・
何故にお前らがいるのだ?子供達よ・・・・・・・・・・・
「そりゃ、だんなが面白そうなところにいるから便乗しに・・・・・・・・・」
「仕事多すぎだろう・・・・・・・・誰だ、孤児全部を会計査察に投入した馬鹿は!」
「・・・・・・・・・補佐見習がいるところが私の居る場所・・・・・・・・・・・って、いうか着せ替え人形扱いは勘弁。」
「賢者様、と遊びたい。」「書類仕事飽きた。」「孤児姉と情事のつもりだった?」
「・・・・・・・・・・・・・・・///」
そこで赤くなるな孤児姉。私の立場が悪くなる。
仕方ない、行くか・・・・・・・・・・・・
王都近郊の森。元々は魔王・勇者時代には激戦区だった場所の跡地である。
旧王族としてはこの地を偲んで酒の一つくらい捧げてやらんとな。
そうして酒を捧げ、森林神殿に遊びに行く。
神殿には色々な捧げ物が届けられている
豊満で清らかな乙女?
・・・・・・・・・・・・処女牛(肉用肥育)でした。
清らかだよな、豊満だよな
多数の男を手玉に取った?
・・・・・・・・・・・雌山羊でした・・・・・・・・・・・・・
私は説明しないぞ。
親子で楽しめます?
親子の猫・・・・・・・・・・・・・可愛いけど、親もなつっこくて良いけど・・・・・・・・・・
とても貴重なものです。
うん、貴重だよな。魔獣はめったにいないよな。
そこにいたのはおびえている魔獣。これも森林神の餌食に?
「所で賢者様、何で雌ヤギが男を手玉に取る事出来るの?」
私は説明したくないぞ。するつもりもないぞ。
「それはね、小さなお嬢チャン達・・・・・・・・・・・・・・」
その日子供達は広い世界の扉を一つ開きましたとさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はい、適当に綴ってみました。
眠たいです、明日から仕事です・・・・・・・・・働きたくないで御座る。