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傷跡娘と王宮雀

さて参ろうか子供達 盾の末裔(すえ)なる男の誘い

孤児に奴隷に娼婦の息子 名乗り挙げんと戦の地

剣交わさぬ筆戦 白き山々積みあがる黒き言葉の群れ崩す


政道(まつり)の戦ぞ 呆けるなかれ!

君の一文字民草の 一年かけた重みがあるぞ

ふざけるなかれ 欲張るなかれ

民興亡の一戦に 我等は正しき秤とならん

我等は官僚酒飲む貴族 全てに恨まれ全てを助ける


剣持たずに筆を持ち 国に世界に戦を挑む

大海一つに匙の塩 君は無力と笑うなら

匙は一つでありはせず 匙は幾度も塩投げる

何時しか海は塩辛く なること君は知るだろう


傷跡娘に娼婦の子 筆を進めて民の為

命削りし親の為 路傍に朽ちし子の為に

腕の痛みを抑えつつ 胸の痛みを抑えつつ

自分の無力を嘆きつつ 男の期待を身に受けて

政道(まつり)の戦に身を投じ 刻んだ決意に身を削る


そこに現る貴族の子 己が非才を棚に上げ

少年少女を馬鹿にする

我は貴族でお前等奴隷 どちらが偉いか判るだろう

無能な子供は外に行け 我の才にて国支え

汚い子供は朽ち果てて 腐った賢者は国を出ろ


無体に怒るは男の子 傷跡詰る貴族の子

親の思いを知らないで 娘が痛み知らないで

更に鞭打つ非道の言葉 拳は何時しか握られて

怒りの叫び抗う力 子供は貴族を打ちのめさんと

力を籠めて立ち向かう


嗚呼空しいは娼婦の子 君は非力で技もなく

拳一つで帰り討ち 無力噛み締め立ち上がる

例え命が尽きるとも 不幸に鞭打つ無体する

屑に屈するわけいかないと・・・・・・・・・・・・


怒り隠せぬ盾の末裔(すえ)

優し娘を詰られて 愛し子供を馬鹿にされ

どこに怒らぬ親のいる どこに嘆かぬ親がいる

血の繋がりはあらずとも

尊き血筋にあらずとも

不幸を糧に前進む 子供を損なう屑を見て

さぁ 仕事にて示せと言う


白山白山積みあがり

貴族の筆は動けない

一つ崩して二つ増え 二つ崩して十が増え

何時しか貴族の目の前は

部屋をも埋める白い山


それに嘆くは優しき娘 それを憂うは娼婦の子

山の一つに民の汗 山の一つに民の血が

籠められ其処にあることを

骨身に染みて判るから

慈悲にあらずと孤児が言い

情けをかけると子供の言い


嗚呼 愚かなる貴族の子 嗚呼 愚かなる貴族の子

己が無力を身に染みて 己が非才を嘲られ

恥じかきその場を逃げ出した


白山崩して子供達 民に不憫を背負わせじ

一つ遅れて村が消え そんな悲しみどこにある


どこぞの酔っ払いが聞き覚えでわめいた戯れ詩【傷跡娘の物語】

その後、流石に痺れを切らした事務官達と宰相閣下が国王夫妻を執務室に連行して・・・・・・・・

王家に対する扱いではないな。


「御主人様には言われる筋合いはないと向こうも思っているでしょうが。」

「否定はせぬけどね」

「其処は形だけでも否定する部分だと思う・・・・・・・・・・」

「仕方ないだろう、旦那は王室に好印象もっていないんだから。」

「・・・・・・・・・そうなんだけど・・・・・・・・」


とりあえず孤児院に行こうか・・・・・・・・・・

その前に土産は孤児達の分は・・・・・・・・・

足りそうにないか・・・・・・・・・仕方ないな市場に行こうか・・・・・・・・


「ああっ!丁度良いところに補佐見習。仕事手伝ってくれ。」


嗚呼、無視無視・・・・・・・・・・・ここで心を強く持たないと仕事押し付けられるぞ。




王宮の中では補佐見習の顔を見知ったものが多いが傷跡娘に気がつくのは・・・・・・・・・・・・

然程多くないな、いつも補佐見習にくっついている傷のある娘くらいにしか思われていないのだから、傷跡がない傷跡娘を見たことがない・・・・・・・・・・・・・って言うか傷跡がなかったら傷跡娘じゃないだろうとか言ってくる傷跡愛好家とかいそうで怖い。どう見ても王宮は変態の巣窟だし・・・・・・・・・

上からして変態となれば下も変態と・・・・・・・・・・・・


「御主人様王宮から逃げたくなるようなことを言わないでください。」


悪い 自重しよう。


それでも補佐見習が傷跡娘を連れていると新しい子を連れ歩いていると勘違いしているみたいだし・・・・・・・

「補佐見習卿が新しい子を・・・・・・・・」

「捨てたんか・・・・・・・・・・・」「酷いわね・・・・・・・・」

「そういえば傷跡を治すために金貨を・・・・・・・・・」「だとしたら?」

「あの可愛い子は傷跡娘か?」

「なると、戻ってきたのか・・・・・・・・」「勿体無いことをした・・・・・・」

「今から粉かけようにも・・・・・・・・・・」

「どう見ても補佐見習にべったりだよなぁ・・・・ 」「もげろ」



宮廷すずめは五月蝿く鳴いているな。

ざわざわ・・・・・・・・・・・

モテモテだな補佐見習。


「だから俺は静かに過ごしたいんだ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・大丈夫、皮一枚しか見ないのには靡かないから。」

「それは嬉しいのだが・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・大丈夫人の噂なんてすぐ消えるから、大事なのは私が補佐見習のことを好きであるという事実。」

「・・・・・・・・・・・・・・恥ずかしい事言うな。」



誰か、誰か・・・・・・・・・・・・・熱いから空気入れ替えろ!

「そこの小姓、この二人のやり取り食えるか?」

「もげろ!喰えるわけないだろう!それに俺は犬じゃない!山鼬(オコジョ)系だ!」

「さっぱり判らん。」




ほんとうにおうきゅすずめどもはびーちくぱーちくうるさいものだ。(棒読み


「賢者の旦那、なんか冒頭がむずがゆいのだが・・・・・・・・・・」

「補佐見習よ、諦めろ・・・・・・・・・お前達は噂の恋人達なんだから・・・・・・・・・」

「静かに過ごしたかったのに。」

「でも、この一件がなければお前等は引き合わなかったんだ、幸運を獲た代償に思え。」

「そりゃ、傷跡娘が付いてくれるのは嬉しいが・・・・・・・・・」

「煮え切らない奴だな。」


「・・・・・・・・・・・・・・賢者様大丈夫。補佐見習は私のモノ。私が彼のモノであるように・・・・・・・・・・」

「ぶっ!」

「傷跡云々でがたがた言うならば俺は世界に喧嘩を売るとまで言ってくれた。」


「うわぁ、だいたーん。」「羨ましいね傷跡娘。」「補佐見習もやるじゃない!」

「そ、そんなことは人に言うことじゃないだろう!」

「補佐見習覚悟を決めなさい。傷跡娘が本気なのですから、それに本気で応じなさい!」

「孤児姉厳しいな。賢者の旦那に対してあてつけているのか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そ、そんなことはなきにしもあったりなかったりもしないでもなかったりするようなないような・・・・・・・・・・・・・・」

「こらこら、お前の一生が決まるからといって私まで巻き込むな!私は常に性愛神と共にあるのだから。」



うんうん、正確には性愛神殿の綺麗所と共にだけどね。(by性愛神)


「で、本音としては?」「はっきりしなさいよ補佐見習。」「もう少しこの甘酸っぱい雰囲気を楽しみたいの?」

「周りとしてはおなか一杯なんだけど・・・・・・・・・・・」






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