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宮仕えと王室顧問

「宰相閣下、貴族緒家から孤児達について問い合わせが・・・・・・・・」

「なんだ?」

「書式は様々ですが『当家で雇い入れたい』という文面です。」

「それは王室顧問か孤児本人に言ってくれと返答しておけ・・・・・・」

「それが・・・・」

「なんじゃ?」

「王室顧問通すと怖いとか条件で難癖つけられると、出来ればと言うか絶対に王室顧問抜きで雇いたいとか。」

「あの子達は王室顧問の教え子達だからムリだろう。」

「ですよねぇ・・・・・・後は孤児達を攫って使おうとかしているのが居るんですが、返り討ちにあって・・・・・・・・・・申し上げにくいことなんですが。」

「はっきり言わんか!」

「裸に剥かれて城壁の飾りに・・・・・・・・」

「朝晩の冷え込みが辛いだろうに風邪でもひくだろう。」

「それよりも王城管理官から美観を損ねると・・・・・・・後は侍女や女性陣が・・・・・・・性的嫌がらせだとか言ってきているのですが。」

「それは孤児達に釘を刺しておけ。」

「はいっ! 次は何をしでかすのですかね?」

「損なのは王室顧問に丸投げだ。それよりも孤児達が見つけた横領とか会計処理の間違いがたくさんあるのだ。そっちの処理をしろ!」

「畏まりました。って、言うか、この量は尋常じゃないんですけど・・・・・・」


どちゃ!


「一度、孤児娘達が配置換えしているからこの量で済んでいるけど、それでもこの量は酷いな・・・・・・・・・・・・」

「って、言うかある程度古いのは見逃しません?」

「陛下に上奏して期限を区切ってもらうか名乗り出た部分に関しては減免処置とかしてもらいたいのだが・・・・・・・・・会議で紛糾しててなぁ・・・・・」

「先に槍玉に上がったところにしてみれば不公平だと言いたいでしょうしなぁ・・・・」


「さいしょーさまー これもおねがいしまーす。」

どすっ! どすっ!どすっ!


・・・・・・・・・・・孤児が持ち込んだ書類の山に心が折れた宰相閣下であった。

宰相府、機能停止・・・・・・・・寸前。

半月程が過ぎる。

子供達も慣れて、色々な所に貸し出される。会計精査だけをさせたら貴族緒家が潰れると泣きつかれただけだが・・・・・・・・・・・


子供たちは元気に仕事して、市場で大いに飲み食いして、孤児院の弟妹分に沢山の土産を持ち込む。

そして貴族達が涙目になる。


でも、そこまで酷くないだろう。

「賢者様それがね、一家辺り金貨10枚から100枚程度の誤差があって、それを払ったら破算なんてところもあるし、何十年も前の事で当時の責任者が誰も居ないのに応対できないと・・・・・・・・・ごねているんですよね。」

「気持ちはわかるな。期限を区切るとか時効法は・・・・・・・・今現在無いからなぁ・・・・単純に処理できないから未解決扱いにされているだけであって・・・・・・・・・」

「賢者様からは上奏しないのですか?」

「する気は無いね。異世界人の法学者から時効に対する考え方を学んだことがあるが、罪を償わないで時間で見逃すという思考が嫌いだし。」

「賢者様法学の徒なのにえり好みするんですか?」

「孤児娘よ、えり好みと言うよりも法が受け入れられるかどうかと言う面から考えて居るのだが。」

「確かに人死にが出ている件もありますからね。」

「処理が出来ないならば、近接数年とか人的被害が出ている件を優先して置けばよかろう。多少の計算間違いとか小額の物ははじいておけば良かろう。」

「そうする、これ以上の処理は私達の体が持たないし・・・・・・・・・」


そういう孤児娘たちの目元には隈が薄っすらと出来ている。

官僚達は兎も角、年頃の娘にこの扱いは無いだろう。


「そういえば孤児達はどうしている?」

「ご主人様、今頃は近衛の訓練場にて目隠し布の実用実験しております。」

「まぁ、部屋の中で縛り付けておいたら不健康だしな。ちょうど良い運動だろう。我等も見物しに行くか。」

「はい、ご一緒します。」

「孤児娘達はどうする?」

「私達は休んでます。」「もう、限界・・・・・・・」「白い山の夢が・・・・・・・」

「ゆるりと休んでおけ。お前らも休日出勤しているのだから・・・・・・・・・・」

「「「はーい」」」


これが終わったら孤児娘達も何日か休ませないと使い物にならんな。

孤児達の面倒で慣れない気を使っているのだろう。

ふらふらと歩いている娘達を見ながら可哀想になってくる。

近くに居る近衛兵に娘達の護衛を願って、訓練場に行く。



訓練場では奇才魔術師に四席、孤児弟に灰髪少女が目隠し布をつけた子供たちの動きを見ている。

追いかけっこをしたり、ちゃんばら遊びをしたり・・・・・・・・・

女の子たちも近衛兵達相手に護身術を習っている。


所で股間抑えて転がっているのが居るけどどうしたのか?


「護身術教えるときにどんな技知っているのと試したら・・・・・・・・・・いきなり金的を・・・・・・・」

「うわぁ、それは災難だな。」

「あれは護身術じゃなくて本気でつぶすつもりでしたよ。」

「まぁ、孤児院の子供というだけで狙われることが多かったからな。ちょっと性愛神殿に教えてもらったことがあったし・・・・・・・・・」

「私らの訓練いらないじゃないですか!」

「まぁ、遊びだと思って付き合ってよ。」

「金的の防具を用意しておきます。」


「そんなものもあるんですね。」

「私も始めて聞いたぞ。」

「めったに使わないのですが貞操帯の流用ですね。金的の部分を覆って下帯を巻きつけるだけなんですが・・・・・・・・・・・・」

「普段使わないだろうな。」

「そうですね、女性や子供向けの護身術の受け役のときに使う程度で・・・・・・・・・・やつはつけてないで油断しただけの馬鹿なんですが・・・・・・・・・・」


馬鹿というには可哀想だ・・・・・・・・・・・まだ転がっている。医師の所に連れて行けば?

等と思っていると、同僚に引きずられて運び出されている。

大丈夫だ、潰れても温泉町に行けば再生してくれるぞ!高いけど・・・・・・・・


追いかけっこしている子供達は・・・・・・・・・自重してないなぁ・・・・

暗黒神術で影を伸ばして立体的な移動をしているし、近衛兵達を盾にして逃げていたり・・・・・・・・・・

追いかけるほうも影の中に忍び込んで移動するとか・・・・・・・・・


「王室顧問様、私の中の常識が・・・・・・・・・・」

「心配するな、自覚があるだけ常識は残っているから。」


しかし、よく見えているなぁ。


「子供達、見えているのか?」

「ううん、賢者様。暗黒神様の術で感じているだけだよ・・・・・・・・・・」

「おーい!実験中止だ。この子達は目隠し布じゃなくて暗黒神様の神術で情報を得ているぞ!」

「なんだって?」「ふむ、近衛隊の諸君に協力願うか。」「まさかそんな方法で把握していたとは・・・・・・・・・以外だった。」



「私も暗黒神様の術学べば見えるようになるかな?」



我が術法は『見る』のではなくて『感じる』術だからな。眼は光を感じ取る器官であって闇の具現たる我の術とは違うだろうよ。(BY暗黒神)

我が術に光を与えるのがあるが・・・・・・・・・使い手がな・・・・・・・・・・・居たかな? 嗚呼、あの腐れ聖女か・・・・・・・・・流石に年端も行かない少女に合わせてよい人物ではないな。それに文学神に譲ったからその術も使えないはず。(by光明神)


光明神様、元とは言え自分の信徒筆頭にその表現は・・・・・・・・・・・

否定はしませんけど。


あれは文学神に譲り渡した。何で光と闇でまぐわう本を作るんだ!(by光明神)

ちょ!それは神の権限で止めろ!(by暗黒神)

・・・・・・・・・・すまん暗黒神、止める間もなく・・・・・・・・・(by光明神)


光明神が・・・・・・・・・へこんでいる。

気持ちは良くわかる。

子供たちに肩(?)を叩かれて慰められている・・・・・・・・・・


いいのか?神がこんなに打たれ弱くて・・・・・・・




世界に降り注ぐ光が弱くなっている。

また、神職達が騒ぐぞ。




「所で王室顧問様、神々が降臨しているのは良いのですが、如何して子供達に慰められる程度の打たれ弱さしかないんですか?」

「近衛の小隊長。それはお前も犠牲になったから判るだろうが、光明神様は聖女の腐妄想の餌食になって・・・・・・・・・・・」

「うわぁ、おいたわしや。」「ひでぇ!」「普通神に対してやるかそれ?」


まぁ、それが普通の反応だよな。

間違っても、神様萌えー だの どっちが受け攻めだの言うほうがおかしいのだ。

異世界人は世界すべてをそんな目でしか見れないのだろうか?


ごく一部だから誤解しないでくれ!(by異世界の神の一柱)


その割にはこっちにその一部が来る頻度が高いけど・・・・・・・・・・


そんな突っ込みはすると作者の脳内環境に話が及ぶからおいといて・・・・・・・


ほっとけ(by作者)


今日の所は仕事させないで、子供たちを遊ばせるか・・・・・・・・・


「子供達おいでー!今日は仕事これくらいにして市場に行くぞ!」


はーい!と口々に返事する声は元気があってよろしい。


「ご主人様、仕事のほうはよろしいので?」

「いや、子供達に仕事させると仕事が増える・・・・・・・・・・・・流石に精査をさせると政府機能が止まるぞ。他の仕事も粗方済んでいるし・・・・・・・・・・外務とか資料室とかの分類とか終わっているし・・・・・・・・後は財務の会計精査くらいだ。流石に企画立案なんてさせたら恐ろしいことになる。」

「大丈夫でしょう。」

「流石に、『食堂でピーマン使わないで』なんて議題を出されたら目も当てられない。法務副長が嫌いだから尻馬に乗る。」

「・・・・・・・・・・・そこまで大人気ないことはしないと思いますが・・・・・・・」


孤児姉の問いに答えられるものは居なかった。



官僚部屋。

「今日は子供達は居ないのか?」

「なんでも目隠し布の実験するという事でこっちには来ないらしいぞ。」

「そっか、街道の見積もり計算願うつもりだったんだが・・・・・・・」

「こっちも色々頼もうと思っていたんだが・・・・・・・」


「しかし、各領地の税収だの請求の間違いがこんなにも多いとは・・・・・・・」

「これでも一部なんだよなぁ・・・・・・」

「あまり古いのは見なかったことにするか?」

「人的被害の無い部分は注意文書だけ作るという事で・・・・・・・」

「人的被害のある場合は?」「勿論、被害者と遺族を探して・・・・・・・・それすら消されているようならば・・・・・・・・・」

「成程、直轄地に組み込むわけだな。」

「そんな婉曲表現しなくとも良いではないか(ニヤリ」


「おい!お前ら!早く通常業務を済ませてこっちにまわせ!滞って苦情が来るぞ!」

「宰相閣下、使える人間を入れてくださいよ!」

「お前らが孤児達を通常業務に使えばよかっただろうに!」

「ああっ!そうか! 孤児娘達のノリで使っていた。」

「おい!」


その後宰相の怒鳴り声が響き渡ってうるさかったと通りすがりの貴族は日記に記している。


「結局のところ、人がありすぎても仕事の量は変わらないのだろう。ならば当家に迎えれてくれる手はずをとってくれれば良いのに・・・・・・・・・」(by通りすがりの貴族)

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