酒盛市場と目隠し布
あらすじ 魔法使い氏は連行された・・・・・・ かなしきは一人身たちの嫉妬心。醜くも悲しい彼らの行動は幸せになりたいという叫びなのかもしれない。
話が脱線した。たぶん作者の脳みそが酒精に浸っているせいだろう。
あれほど酒は控えろと・・・・・・・・・・・・
「それはご主人様もですわ。さすがに一晩で一瓶開けるとなれば体に毒ですわよ。」
おやおや、私にもとばっちりが・・・・・・・・・・・・・・・
良いではないか孤児姉、今度一緒に飲むかね?
「後の介抱をしていただけるのでしたら・・・・・・・・・・・・」
で、話を戻そう。
市場は寒いのである。魔法使い氏が放った冷気魔法の影響で・・・・・・・・・・・一時もすれば戻るのだが・・・・・・・暖かいものがほしいな。
温かい汁物とか手に入るかな?
少し離れたところに温かい汁物を扱っている露店がある。
そこで、汁物と雑穀の湯掻いたのを買い、孤児娘と小売婦人の三人で体を温める。
他にもつまみがあるから、普通に食事しているようなものだろう。
他の市場の衆や飲んでいた連中も夫々に温かい食べ物を扱っている露店を見つけて、暖を取っているようだ。強者となると火鉢と土鍋を買って酒を燗しているのがいる。これは良いなぁ・・・・・
この後この市場で◎型の鍋が流行るのだが別の話。丸の中心部で酒を燗して、周辺部は鍋とかをするのだ・・・・・・・・・
寒くなる季節にはもってこいだな・・・・・・・・・・・・・
この一件で今日の氷売りの売り上げはあまり良くなかった・・・・・・・・・・
「そんな日もありますって、寒くなるから温かいものでも扱いますかね。」
季節商売だったのか・・・・・・・・・・・・
驚いたが別にそんなもんかとも納得。
「で、話は戻しますけど賢者様。何を企んでいたので?」
「ああ、小売婦人。たいしたことじゃないんだ。うちの子供たちのうち何人かをこの酒場で働かせようと思ってね。」
「なるほど、身内で固めて呑み易くするのね。でも、そうなると孤児姉ちゃんとかに話が届いて逆に呑めなくなるのでは?」
「それは、またおいといて・・・・・・・・・・・王宮で使うには資質が足りなくても良い子はたくさんいるからな。」
「王宮で働く資質って何かは聞きたいような聞きたくないような・・・・・・・・・・・」
「なに、腹黒な大人と馬鹿な大人に潰されない程度の図太さが・・・・・・・・・・・」
「なるほどね・・・・・・・・・・・近衛の小隊を率いてうちの馬鹿息子を迎えに来るような連中に押されたらだめですものね。」
そんな事をしていたのか、馬鹿官僚ども!
「あれは、宰相閣下と法務副長様の差し金だと・・・・・・・・・・・・・一応息子の賃金として銀貨をもらいましたが・・・・・・・(汗」
上からそんなことをしていたのか・・・・・・・・・・
後で釘を刺しておかないと・・・・・・・・・・・・孤児娘達も時間になったら迎えにいかないとまずいかな・・・・・・・・・・・一応荒野の民にお願いして遅くなるようなら回収してくれと頼んでいるが・・・・・・・・・・
それは兎も角として小売婦人と打ち合わせをしてその日は帰ることにする。
灰髪の兄妹を市場で働かせることによって、目隠し布の存在を認知させるのが目的なのだが兄妹も稼げるところを作って自活してもらわないと・・・・・・・・・・・・
「ご主人様、どうして孤児弟の従者にしないので?」
「うーん、灰髪少年と孤児弟を並べているところを見た貴腐人達がどんな反応するかな・・・・・・・・」
「それは灰髪少年に辛過ぎる事でしょう。」
「だろう、孤児弟が家でも持っていれば下働きの口があるのだろうけど寮生活で必要もなかろう。ついで言えば孤児弟に従者付けるならば世慣れた者が相応しいしな。」
「それを言うならばご主人様だって・・・・・・・・・・」
「まぁ、成り行きということで・・・・・・・・・・・・・実際仕事の手伝いとかは助けになったから従者と言うより官僚の見習いを育てた気もしないでもないが・・・・・・・・・・・・・」
「なんか、流れと違っていたようですわね。ご主人様。」
「違いない・・・・・・・・・・・」
ままならない流れの激しさに苦笑するわれら主従であった。
数日後、孤児弟から兄妹を貰い請け私の配下とする。
とはいえ、それまでは孤児院で色々経理とか学んでいただけなんだが・・・・・・・・・・・
灰髪少女、目隠し布の実験を兼ねて市場で働いてもらうけど大丈夫かね?
「はい、王室顧問様。私のために骨折っていただきありがとうございます。」
「まぁ、目隠し布が売れてくれれば投資した私の懐も潤うからね。気にすることではないよ。」
「で、王室顧問様。私達は何をすればよいので?」
「市場で酒と肴の売り子でもしてもらおうとおもってね。深く考えなくても良いさ、いつも市場にいられない近隣の農家とかから品物を買って、お前らが売りさばく。農家は生産に集中してたくさん作れるし、お前らは売り上げから自活に必要な費えを得る。後は、目隠し布の存在を広めるためにお前らが看板代わりになるんだよ。」
「ご主人様、最後のが一番の目的では・・・・・・・・・」
「そうだがな、一応後見として市場の顔役の小売婦人と世話役の方々にお願いしているから何かあったら相談すればよい。」
「「はい!王室顧問様!」」
良い返事だ。時機を見て、目隠し布の店(露店)を兄妹に願うのも悪くない。
こっちはあくまで民草のために安価で提供する店にして、金持ちや貴族連中にはもっと高級感を出したものを用意すればよいか。目隠し布の陣自体は療養神殿か専門の治療院にお願いするとして・・・・・・・・
そして、兄妹が露店で働くのであった。
初めは売れ行き自体はそれほどでもないのだが、段々に客もついてくる。
小さい兄妹が一生懸命に働いている姿は微笑ましいのだろう・・・・・・・・・・・
「小僧っ子、こっちに酒をもってこい!」
「はいっ!旦那!今日はこの酒がうまいですよ。」
「ぷはぁー!」
「目隠しちゃん、おじちゃんに酌して!」
「はい、ありがとうございます。」
「かわいい子の酌は酒がうまくなる。」
まぁ、ついでに婆様にも一緒についてもらって睨みをきかせてもらおう。
「なんじゃ、この婆にも一肌脱げと?」
「脱がなくても良いですから、婆の裸は見たくないですし・・・・・・・・・・ごふっ!」
いい一撃だ!
「これはご主人様が悪いと思いますけど・・・・・・・・・婆様、この兄妹が店を離れたときの店番をお願いしたいのですよ。」
「孤児姉ちゃんやわかったよ。で、何でこの老骨にまで目隠し布を付けさせるのかね?」
「店の売りだとご主人様が申しておりましたわ。」
「ふむ、この食えない貴族様はワシらを出汁に目隠し布の認知を図ろうというのだな。」
「そんなところでしょうか、暫くしたらご主人様も目隠し布を付けて酒盛すると思いますのでそのときは目隠し布のことを宣伝お願いいたします。」
「わかった。」
「で、王室顧問様。目隠し布自体は売らないので?」
「売っても良いよ。ただ、陣自体は悪用される恐れがあるから指定の場所で買ってくれと説明してほしいが・・・・・・・・・・」
「なるほど・・・・・・・・・・・・・暗がりでも見えますからね。」
「そういう事だ、詳しく説明する必要はない。陣は個人用に調整がいるのでと説明すれば納得してくれるだろ。」
「犯罪に使えることを教えて実行されないための手ですね。」
「灰髪少女、よくわかっているじゃないか。」
灰髪少女の頭をなでるとうれしそうに微笑む。
そばで孤児姉がやさしげに微笑んでいる。
そうして、目隠し布自体の販売も始めるのである。
その頃には酒盛市場で働く目隠し少女として市場の看板娘みたいなものになっている。
灰髪少女も働き者でかわいいから同業者からも客からも可愛がられる。
引き抜きにかかる店とか、代わりに売ってくれといってくる農家の衆もいるのは笑い話だ。
中には真似をして村一番の娘っ子たちを売り子にして張り合うのもいたり・・・・・・
市場は華やかになる。
あまりに灰髪少女が呼び止められて注文が裁ききれないから、強力兄弟を棒手振りさせて灰髪少女の後ろから付いてこさせる。灰髪少女が注文を受けて棒手振りの強力兄弟が持つ商品を渡すのである。
力だけは有り余っている兄弟だから多少色々持ってもびくともしない。
「目隠しちゃん。こっちに白を一単位。」
「はい、ただいま!一緒につまみはいかがですか?酒だけだと体に悪いですよ。」
「なら、こっちの肴を貰おうか・・・・・・・・・・」
「ありがとうございます。」
「こっちは火酒の果実割で・・・・・・・」
「はいはーい!強力兄さん果実お願いします。」
「はいよ!」
強力兄弟が素手で絞る果実は中々見栄えがするらしく、市場の客もやんややんやと面白がって注文する。これはさすがに真似できないらしい・・・・・・・・・・・
棒手振りで売り歩くのは真似されているが、これはこれで面白いからよしとしよう。色々頼めるし。
って、言うか強力弟その棒手振り用の棒は・・・・・・・・・・・
「ああ、旦那、これですかい?勿論鉄の六尺棒ですが・・・・・・・・・・」
「それは武器だろう!」
「勿論、灰髪少女に不埒なことをする輩をこれでぶちのめす為に持ち歩いているんでさぁ・・・・・・・・・」
「えっと、それを使うのは色々飛び散るから素手にしなさい。」
「理由はそっちですかい!」
でも、強力兄弟の稼ぎ出るかな?
「大丈夫じゃよ、結構売り上げもあるし市場の用心棒的な意味合いで給金も出ているしな。」
「あれ?婆様いつの間に・・・・・・・・・・」
「そこの小売婦人が、市場の顔役達と話し合って決めたそうじゃ・・・・・・・・・・」
「まぁ、あの兄弟の風貌を前にして悪いことはできないよな。」
酒に肴~
なんて、声を上げる娘さん達と酔っ払い達が楽しげにしているのは良いことだ。
私等は余り儲け過ぎないように気をつけて、彼らの取り分を残しておかないと・・・・・・・・・・
「ほらっ、竜のおじ様もう一杯いかがですか?」
「うむ、貰おうか・・・・・・・・・・」
「流石お強いのですね・・・・・・・・・・」
「ぐわははははっ!我ら竜の一族は酒が好きで樽で開けてこそ一人前と・・・・・・・・・・」
「ねーちゃん、こっちにも頂戴な。」
「鬼のおにーさんも流石ですわ・・・・・・・・・・」
「先の国対抗の酒合戦で先陣を任されたのは俺だからな!」
「それを言うならば抜け駆けして一気飲みしただけだろ!呑みたかったのに・・・・・・・・・」
「ひげのおじ様も一杯いかが?」
「うむ、頂こう。王国の酒は色々あって良いのぅ・・・・・・・・・・・・・のぅ、霜降の?」
「ですなぁ・・・・・魔国の。」
「ぷはー!染みるねぇ・・・・・」「もぐもぐ、野外で食べる焼き立ての肉というのも野趣あってよろしい。」
「わが国でも取り入れましょう姫大使様。」「ごきゅごきゅ・・・・・・灰髪の妾にも一献頼む。」
「はい、姫様。」
「ふむ、美少年の酌と言うのも悪くない。国許では貴族の親父ばかりで潤いがない。」
「姫大使様、言いたいことはわかりますが付き合いですから・・・・・・・・・・・」
えっと、そこの皆様方は各国の大使の皆様方ではないですが・・・・・・・・・
「おおっ!王室顧問じゃないか!こっちに来い!一緒にやろうではないか・・・・・・・・・・」
「この灰髪のはお主の配下か?妾に呉れぬか?」
「王室顧問殿、この酒盛市場の運営について教えてくれぬかな?我が国でも取り入れたい。」
混沌としているなぁ・・・・・
「旦那、売り上げが上がるのは良いんですが・・・・・・・・・・ 市民達があきれてますぜ。」
大人数でしかもでかいのやら大酒喰らう連中やら・・・・・・・・・いかにも貴族様ですといった雰囲気に遠巻きにしている他の酔客たち。
流石に売り子娘達は自ら棒手振りして売り込んだり、呼び止められて酌をしたり・・・・・・・・・・・
中には飯屋に行ってできたて熱々の料理を供する者も・・・・・・・・・・・
強力兄弟の果実絞りに誘われたのか鬼族や岩妖精が自らも試して目に果汁を浴びて転げまわっている。
「目がぁぁぁ・・・・・・・・・・・目がぁっぁぁあぁぁっ!」
馬鹿だこいつら・・・・・・・・・
つける薬は
びゅん!(匙を投げる音)
「はいはい、皆様方余り棒手振り娘さん達を独り占めしないでくださいね。そんで娘さん達も他の顧客様をかまってあげるようにね。ここに入り浸りだとあそこのおじちゃんたちがいじけているから・・・・・・・・・・・」
「はぁい!賢者様。あそこのかまってチャンをいじってきまーす☆」
「その前に酒を樽で置いといてくれ!」
「雷竜公、呑みすぎですよ・・・・・・・・」
「何、樽でないと呑んだ気がせぬわ!」
「そこの目隠し娘。ワシにも一献呉れぬか?」
「はい、おひげの貴族様。」
「おひげのか・・・・・・・・・・・そのような呼ばれ方は初めてだな ぶわはははははっ!」
「目隠ししていて良く見えるのぅ」
「いえ、これは王室顧問様が下さった魔具で私のように盲いた者に視力を与えるものだそうで・・・・・・・・・おかげで市場で働けるようになりました。」
「面白いものがあるものだな。」
「おいっ!王室顧問、これの話を聞かせてくれ・・・・・・」
ぐいぐいと大使達に方を捕まれて連れ込まれてしまう。
そうして、私も酒宴に参加させられるのであった。
何で酒盛の話になるのだろう?
そうか、酒が足りないのか・・・・・・・・・・
椅子を買う金を酒に回せば・・・・・・・・・・・(マテ