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酒盛市場と小売婦人

温泉町に来て暫し、俺たちに招待状が届く。

領主と療養神殿連名である。

俺達二人は其処まで素晴らしい働きをした覚えはない、寧ろ普通の官僚と同等かそれ以下の働きしてしていない・・・・・・・・・・・・・・


腐れ賢者の差し金か?


招かれていかないのは非礼だから招待を受ける。

せいぜい、仕事の手伝いをと言われる程度だろう・・・・・・・・・・

それならば断っても何とかしてくれるはずだ・・・・・・・・・・・紹介状に王都における事務仕事の守護神等というふざけた一文を書き込んだ我が師父にして王都の危険人物である王室顧問が・・・・・・・・・



領主館に招かれて、通された部屋は一地方貴族としては過ぎたる豪華な物であった。

そして、俺たちの待遇も・・・・・・・・・・・奴隷崩れとか雌犬の息子と呼ばれた俺たちには過ぎたる者である。


「よくきたねぇ・・・・・・・・・・法務副長補佐見習君に傷跡娘嬢。話に聞いているよ。王室顧問が国内外をほっつき歩いている間に王都の仕事を取りまとめて国内外に支障がないようにまわしていたことを・・・・・・・・・・・君達のような本当に年若い者が、裏方に回ってなんて普通は嫌がるのだろうに率先して行うなんて敬意に値するよ。」

「いえ、滞って困っている者が出たのを身をもって知っていただけですから。」

「それでも師父の呼びかけに逆らってまで立ち上がったのは法務副長補佐見習君だけだろう。王都のものは見る目が無い。私が直々に引き抜きたいくらいだ・・・・・・・・・・」

「能力的には手伝いに毛の生えた程度ですよ温泉伯。」

「能力は伸ばせば良い、気概と気風は伸ばせないからな・・・・・・・・・聞いて居るぞ、其処の傷跡娘嬢を馬鹿にした貴族に対して単身挑んだと言う事を・・・・・・・・・・更には王室顧問達がいない間に弱者保護を上奏した時却下しようとした国王に胸倉掴んで直談判したなんて若さとは言え私は君を買っているよ。」

「いえ、あれは本当に怒りに流されただけで・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・あの時補佐見習は泣いていた・・・・・・・・・・・路上で朽ちた子供に対して悔し涙を流していた・・・・・・・・・・・あの時取り成しがなかったら、私もついていくつもりだった。」

「傷跡娘嬢の言うとおりだ。我が地において朽ちる者がいないのが自慢だ!路上で朽ちる子供に対して涙を流せない者を怒りを持たない者を私は認めない。」



温泉伯は茶をすすり、俺達に本気の目で相対してくれている。

子供だからって侮らず、一人前の貴族として認めてくれている目だ。

この目で相対してくれているのは少ない。

官僚達、宰相、国王陛下・・・・・・・・そして我が師父である腐れ賢者くらいだ。


俺は青臭い言葉を発しているだけなのだが・・・・・・・・・・

「俺は・・・・・・・・・・・路上で朽ちた子供になっていたかもしれない。そして、俺を育てるために体を損ねた母を誇りたい・・・・・・・・・・・傷だらけになっても誰かの幸いの為に生きる傷跡娘を認める世界を造りたい・・・・・・・・・・・・俺は馬鹿だから何も出来ない・・・・・・・・・だから出来る奴に力を貸して幸いなる世の中を作る手助けをしたい!」


俺はなんて青臭く馬鹿な叫びをしたのだろう・・・・・・・・

でも温泉伯はそれを笑って受け入れてくれた・・・・・・・・


「ふむ、補佐見習卿の見事な宣誓よ。小さな温泉町でさえ苦労するのに世界を相手にとは・・・・・・・・・・大それた大馬鹿者よ、人生の先達として助力せねばなるまい・・・・・・真、王室顧問卿の言うとおり愛すべき大馬鹿者だというのは良く判った。何かあったら助力いたそう。そして、この地にいる間は我が眷属としているが良い。もしよければ我が養子でもよいぞ。」




どうも買いかぶられているようだ。



市場に常設された酒場にいる・・・・・・・・・・・・

孤児姉と二人、ゆるりとした時間を過ごすのも悪くないな。


可愛い従者にして、可愛い義娘・・・・・・・・・

彼女にしてみれば他の見方もあるのだろうが・・・・・・・・・・・・・


「おや、賢者様・・・・・・・・・・」


補佐見習のご母堂が其処にいた。

「久方ぶりであるな。ご婦人、補佐見習は温泉町に言っているのにどうして残られたので?」

「あの子たちの旅立ちに親がついていく必要はないでしょう・・・・・・・・・ついていくのは野暮と言う者ですよ。」

「くくくっ!帰りには傷跡娘の腹が膨らんでいるかもしれないぞ。」

「それはそれで仕方ないですわね・・・・・・・・・・・・そうだったら、あのこを折檻しないといけないですけど。」

「お手柔らかに・・・・・・・・・・・・・って、ご婦人は何故ここに?」

「ええ、息子に頼まれてここの世話役の一人に・・・・・・・・・・・・なんでも酒盛する貴族たちがいるから押さえの効く誰かが欲しいと・・・・・・・・・・・・・最悪息子の名前出せばたいていのものは・・・・・・・・・・・・・って、あの子何やっているのかしら?」



ふむ、如何考えても会計で泣かしまくっているだけだろうというのは眼に見えて判っている。

どこの貴族家を泣かしているかは気にしない方向で・・・・・・・・・・・


「この酒場自体の予算も法務副長様が、息子の仕事だといってつけてくださいましたし・・・・・・・・・・・・・市場の役付の方々と一緒にやらさせてもらってますわ。」


公私混同だなとおもうけど、婦人ならばうまくやれるだろう。

そして些少なれど公役についていれば旨みがあるから婦人一人の身を立てるために役に立つだろう・・・・・・・・・・


以外と旨い汁のすすり方を知っているようだ。

そのくらい生活力がないとやっていけないからな。




婦人の差配は中々で適度に問題を起こしては対応と称して改善をしている。

一歩引いて考えさせる立場でいるけど、うまいことやっているようだ。



そうなれば、こっちとしても何人か身内を入れたいな・・・・・・・・・・・・・・・・

婦人とは身内みたいな者だし・・・・・・・・・・・・・・・・・






「何たくらんでいるのですか王室顧問様?」

ばれているようだ

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