酒盛酒場と氷売り
温泉町に着いた。
何で道中馬車の中で書類整理をさせられていたのだろうか?
補佐見習は諦めと共に問いかける。
「うん、使えるものは親でも使えっていうじゃない!」
「旅費払うといったじゃないか!どうして普通に監禁して書類整理させるんだ!」
「だって・・・・・・・・・・・私一人じゃ面倒だったんだもん☆ てへっっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・痛い。」
「うん、確かに。てへぺろっ☆が許されるのは(ぴー)才までだよな。」
「五月蝿い!ちゃんと報酬払っているじゃないの!」
「俺たちは休暇中だ!」
会計女史は糠に釘だった。
「・・・・・・・・・・・・・・諦めて報酬を上乗せしてもらったほうが良いのかも・・・・・・・・」
「商会公宛に抗議文書くか・・・・・・・・・・・会計女史に無理やり仕事させられてしまいました・・・・・・・しかも年も考えない【てへ、ぺろっ☆】が痛々しくて見ていられなかったです。・・・・・・・・・と綴ってやる。」
「うぐっ!」
「年を考えろおばさん!」
「おばさんいうな!補佐見習君の母親くらいの年じゃない。」
「・・・・・・・・・・・・・お義母さんは二十代。」
「ぐはっ!(吐血」
「・・・・・・・・・以外と傷跡娘容赦なかったな・・・・・・(汗」
「・・・・・・・・・・・・・さてと、街に行こう。」
「そだな。」
崩れ落ちて灰となっている会計女史を放置して二人は温泉町に向かうのであった。
「お二人さんのたっしゃでぇ~。」
犬耳の御者の別れの挨拶を背に町へと進むのであった。
「傷跡娘、腐れ賢者の紹介状見せないほうが良いのかなぁ?」
「利点はあるけど、もれなく仕事付と言う落ちがつきそうなんだけど・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・だよなぁ・・・・・・・・・・・。」
紹介状は見せなかった。でも、連絡は先に届いていて二人に対して領主と療養神殿からの招待状が二人が泊まる宿宛に来たのは次の日のことであった。
「あの腐れ賢者ぁぁぁぁ!!」
「また補佐見習の叫びが聞こえるようですわ。」
「今頃、温泉町についた頃であろうな。伯爵と療養神殿長が歓待してくれているだろう・・・・・・・・・・・」
「白い山脈を用意してですか?」
「まさか、美味珍味を取り揃えてだよ。流石に子供だから酒は用意していないだろうがな。」
我等主従は・・・・・・・って、私と孤児姉だけになったのだが市場にいる。
久しく市場にも寄っていないしな既知の者にも不義理しているだろう・・・・・・・・・・
あいも変わらず賑やかでいろいろ雑多な雰囲気だな。
アリウム一つでも長いの玉の小玉が幾つも連なっているもの・・・・・・・・青い葉っぱを茂らせているもの・・・・・・・・・
粉末になっているのもあるなぁ・・・・・
どれがどれだか・・・・・・・・・・・・
「ご主人様は私に任せていただければ宜しいですわ。」
「うむ、期待しているぞ・・・・・・・・・」
孤児姉は嬉しそうに頷く。愛い奴だ。
市場の衆も我等の顔を見ると嬉しそうに席を用意してくれたり、色々試してみてくれよと持ち寄ってくれる。
「王室顧問の旦那、こいつを試してみてくれ!今年の新物よ!」
「貴族様、うちの塩蔵肉はどうだい?」
「久方ぶりじゃないの!うち等のような下賎の者はお見限りだと思っていたがな・・・・・・・・・」
「はははっ!この娘と温泉でしっぽり楽しんでいたのさ!」
「・・・・・・・・・・・・・///」
「隅に置けないねぇ・・・・ だんな!」
「でも、手出してないだろ?」「勿論だとも、可愛い従者を無碍にする趣味はない。」
「そういえば黒髪の小僧っ子は?」
「孤児弟か、男爵位を貰って色々忙しいみたいだぞ。」
「ああ、あの時の凱旋行軍をみたみた。」「ちっこい嬢ちゃん、はどうなったんだい?」
「孤児院で見たぞ。」
わいわいがやがや・・・・・・・・・・・
そういえば、あそこの一角は何故開けているんだ?
「あれですかい?よく旦那方が酒盛するもんだからその場所を巡って問題があったんでな。だったら、酒盛する場所を作ってしまえって・・・・・・・・・・旦那のお付にいたろう、小売婦人の息子で活きの良すぎるのが・・・・・・・・・・彼が一区画を押さえて酒盛専用区分としたんだよ。」
ふむ、補佐見習も中々やるようではないか・・・・・・・・・・・・
「おかげで、酒盛するといって場所を取られる店主もいなくて済むし、酒盛してくれる貴族達が一箇所にいるから宣伝に困らないのさ・・・・・・・・・気に入ってくれると買いだめしてくれるし・・・・・・・・」
酒盛区画には身分の上下の差がなく酒盛を楽しんでいる・・・・・・・・・・
ところでいつぞやの絨毯職人の一団、昼間から良いのかな?
「はははっ!王室顧問様じゃねぇかい!かかあが怖くて酒が飲めるかってんだ!」
「そりゃ構わないが、後ろを確認したほうが・・・・・・・・・・・・」
「うしろ?後ろに何があるって言うんですか? うおっ!かあちゃん!」
「中々、面白い事を言ってくれるねぇ・・・・・・ お前さん」
「え、えっと・・・・・・・・・・・・」
絨毯職人の親方の後ろにはおかみさんが・・・・・・・・・・
「親方終わったな・・・・・・・・・」
「懲りてないよなぁ・・・・・・」
若衆たちは平然と親方夫婦のやり取りを肴に飲んでいるけど・・・・・・・君達の後ろにも・・・・・・・・・・
「仕事もせずに昼間っから・・・・・・・・・・・」
「良い度胸ですわねぇ・・・・・・・・・・・」
絨毯職人のところの女衆か・・・・・・・・・・・普通に皆を誘って呑めば良いものを・・・・・・・・・・・
広場中に響き渡る悲鳴、市場の衆は笑っている。
いつもの光景なのだろう・・・・・・・・・・
「おらっ!其処だ!一撃が軽いぞ!」「耐えろ!耐えるんだ!衛士が来るまで!」
「良いの喰らったなぁ・・・・・ この分だとおいらの銀貨が・・・・・・・・・・・・」
えっと、何しているんです?
「勿論賭けですが。」
そうこうしているうちに衛士が来て、絨毯職人の男衆を回収する。
女衆もその頃には落ち着いて受け答えしている・・・・・・・・・・
これって夫婦喧嘩で処理されるの?
「それが一番角が立たないでしょう。」
「そもそも、そんなのに関わりたくない・・・・・・・・・・・・」「働きたくない・・・・・・・・・・」
こんな時、どこからともなく現れる氷売りが・・・・・・・・・・・・いない・・・・・・・・・
「御主人様、そんな定番みたいに言わないで・・・・・・・・・ って、あそこにいるみたいですねぇ・・・・・・」
「あーん。」
「あーん。むぐむぐ・・・・・・・・・・美味しいねぇ・・・・・君がいるからかな?」
「恥ずかしい事いうわねぇ・・・・・ もう一つどうだい?」
「貰おうか・・・・・・・・・・・・お前も喰っていないじゃないか・・・・・・・・ほら、あーんして・・・・・・・・」
「あーん☆ 」
「ほら、其処に食べかすが・・・・・・(ぺろ」
「人前で恥ずかしい事しないの(こつっ」
狼頭の氷売りは極光神に紹介された狼娘さんと仲良く仕事している?
仕事なのか?遊んでいるようにしか見えないぞ・・・・・・・・・・
「氷売り、一つくれ!」
「あいよっ! って、溶けてやがる!」
「大丈夫だよ、【氷結呪】!」
かきーん!
ガシガシガシガシ!
狼娘が作った氷塊を氷売りが砕いて・・・・・・・・・・・・手頃な大きさにしている・・・・・・・
見事な連携だ!
でもなんで溶けていたの?
「そりゃ、あいつ。嫁さん貰ってから暑苦しいくらいにべたべたしててさ、それで溶けたんじゃないのか?」
「暑い、暑いねぇ・・・・・・・・・・・・誰か氷くれないか?」
「あいよっ!」
「よりにもよってお前が売りつけるのか!」
氷売りは今日も繁盛している。
「あっしをネタに使うなって・・・・・・・・ あっしらの愛が極北の氷をも溶かすくらいだから仕方ないか・・・・・・・・・・」
「恥ずかしい事言わないの!」
狼娘に軽く小突かれて、氷売りが照れ笑いをしている。
ふむ、相性はよさそうだな。(by極北神)
わらわの見立ては間違いなかろう。あの二人には子宝にまぐまれる祝福を与えるとするかの(by極光神)
そんなことせんでも、普通に沢山生まれそうだが・・・・・・(by極北神)
まぁ、仲良きことは美しきかな・・・・・・・・・・
さて、我等もどこか席を取ろうかね?
「はい、御主人様。」
私達も席に着き、市場の衆が持ち寄ってくれる酒肴を楽しむのであった。
あっ!酒を忘れた・・・・・・・・・・・
「たまには素面でいるのも宜しいのでは御主人様。」
「そんなに呑んでいるかね私は?」
酒が切れたので今日はこれまで。