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メクラ娘と強力兄弟

はい、差別表現でました。

作者はメクラは目が暗いという意味で捉えてそのものの状態を表しているという考えでいます。



療養神殿に向かう。

結局のところ、女神官は二日酔いで使い物にならず性愛神殿の面々も其処まで出来る者がいないということで・・・・・・・・・・


「貴族様、私はいいですから・・・・・・・・」

「実は折られるのが怖いのだろう。」

「はい!」


実に正直な少年だ。王宮には向かないだろうな・・・・・・・

どこかで徒弟として働かせたほうが宜しかろう・・・・・・・・



「だんな、おいらが図太いみたいな言い方じゃないか!」

「国王の面前で主に向かって銀扇の一撃をかましたのを繊細とは言わない!」

「・・・・・・・・・・・・・・」



へこんだ孤児弟は放置して神殿に向かおう・・・・・・・・・・

少年の妹の様子が心配だ・・・・・・・・・

主に馬鹿兄弟が案じているぞ・・・・・・・


「馬鹿兄弟言わないでくださいよ。」「旦那酷いですぜ!」

貰った給金すぐに食いつぶすのを馬鹿といわずして何というのだ?

「「・・・・・・・・・・・・・」」


強力兄弟沈黙。

「御主人様、往来の邪魔になるので強力兄弟を潰さないでください。」

うむ、気をつけよう・・・・・・・・・・





そして神殿。

少年の妹という目病少女を見てみると、一晩休んで心身ともに落ち着いたのか血色が良い。

ただの栄養失調というか空腹で倒れかけただけなんだろう・・・・・・・・

神殿の女衆に身支度を整えさせられた少女は銀灰色をした髪を持つ大人しめな少女であった。


我等の来訪を知ると、兄である少年の無事を喜び我等に礼を言う。

何れ何か出来る事があれば礼をしますといった律儀な発言に親御さんの躾が宜しいのだなと感心する。

まぁ、実社会では損をするのであろうが、我が庇護下にある間に教えておこう・・・・・・


神殿の担当に聞いてみると

「・・・・・・・・・・・今まで体力が落ちていたのが痛いですね。今のところ回復するのは難しいでしょう・・・・・・・・・」

という。

他に治療法がないのかと聞けば

「誰かの目玉を移すとか・・・・・・・・・・・それは誰かの生きた目玉を必要としますし・・・・・・・・目玉くりぬくとなれば激痛で常人は耐えられないですよ・・・・・・・・・・・・・・」

そんな方法があるのか・・・・・・・・・・確かに非実用的だな・・・・・・・・・

他にはないのか?


「取敢えずは洗眼薬を用意しましたので、朝晩この薬で目を洗ってください。後は滋養に富んだものを食べて体力をつけていけば、これ以上目が悪くなることは防げるでしょう・・・・・・・・・・・」


我等は担当に礼を言うと、少女を連れて宿に戻るのであった。

少女は目が不自由だからなのか足元が歩くに不自由している・・・・・・・・・

成程な、これで歩みが遅れて路銀が足りなくなったのか・・・・・・・・・・・


あまりにもおぼつかない事に痺れを切らした強力兄が少女を肩に乗せて進むのであった。

でかい男に小さな少女・・・・・・・親子というには似てないし、恋人というには年が・・・・・・


絵的にも対照的過ぎる両者が普通に居るから目立つ目立つ!


少女のほうも、いきなり足元がすくわれたと思ったら高いところで腰掛ける羽目となりびっくりしている。

すぐに慣れて強力兄の頭に体を摺り寄せて、わずかに映る光を楽しんでいるようだ。


今までの旅路も先に進むことだけが大事で周りを見ることができなかったのだろう。

灰髪の少女は失いかけた光を必死にかき集めて町並みを心に刻み込もうとしている。



路上に漂う湯気に其処から流れてくる食べ物の香り

街路樹の緑は柔らかくて金と銀とを散りばめたよう・・・・・・・・

空は青色絵の具をぶちまけたようで雲は灰色とか白とかで其処だけ錦を放り投げたよう

路傍の花は小さくても生きている色がして

石畳の隙間という世界は色鮮やか・・・・・・・・・・・・・


灰髪の少女は泣いていた。

自分は何時か盲してしまうのだろう。

でも、今日という景色とその優しさを刻み込む事ができて嬉しいと・・・・・・・・・・・・



少年は何もいえなくてそばをとぼとぼ歩き、孤児姉弟は黙って主である私を見ている。

ふむ、私とて万能ではないから神殿の療養担当の言うとおりに薬を与え安静にさせるくらいしかできない。


人というのは無力だな・・・・・・・・・・・・


そんな仲でも強力兄は少女に幸いな記憶を与え続けようと、少女が耳で聞いて鼻で嗅いで気が向いた方向にかだらを向けてこういうものだよとか色々話しかけている・・・・・・・・


「貴族様、私は妹に対して無理強いしていたのでしょうか?」

うなだれた少年の一言。


「いや、お前がここまで連れてきたからこそ今楽しめているから問題ない。」

「それでも、故郷の町とか目に焼き付けさせておけば・・・・・・・・・・」

「まだ、完全に盲しいてしまうと決まったわけではあるまい。帰り道にでもよればよかろう・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・すいません貴族様。なにからなにまで・・・・・・・・・・」

「急ぐ旅ではないからな。」


とはいえ、暫くは私の怪我の療養だな。

少女のほうは身の振り方をどうするかな?

身を立てることを第一に考えないと・・・・・・・・・・


宿に帰ってから考えて見ますか・・・・・・・・・・

犬猫ではないのだから子供を拾ってくるんじゃないよ。


「「面目ない・・・・・・・」」

「御主人様、この兄弟にそれを求めても・・・・・・・・・」



「そういえば、だんな・・・・・・・・・・・魔具で視力を補助する者とかないんですかい?」

「ふむ、視力を与える魔具といえば・・・・・・・・初代庭園公が鉄丈の従者に下の世話をされるのを嫌って目隠し布に魔方陣を縫いつけたのがあるが・・・・・・・・あれは、形とかを見る程度で使い勝手良くないと手記に記されていたなぁ・・・・・・・」

「だんな、手に入りますかい?」

「それならば聖域守護辺境伯魔術師団で手品用の冗談玩具として作っていたのが・・・・・・・・・・・」

「それだよ、だんな!色とか感動することは出来ないけど日常生活に役立つじゃないか!」


ふむ、違った視点から見ることができるとは面白いな孤児弟は・・・・・・・・・・


ものは試しだ!取り寄せて上手くいくかどうかみてみよう・・・・・・・・



手紙を書き書き、路銀も請求。ついでに子爵様(笑)を回収する人手とか・・・・・・・・・

上手くいけば儲けの種だな・・・・・・・・・よく気が利くな孤児弟よ。



あっ!そういえば少年の腕を癒すの忘れていた・・・・・・・・・・・

「忘れていて欲しかった。」


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