表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/248

強力兄弟と療養院

あらすじ 王室顧問一行は観光客にクラスチェンジした。



ふぅー!


温泉というのは良いものだな。

貴族家でも湯を張った風呂というのは余程のものじゃないと作れないし、お湯を張った桶で体を洗うか水浴びか・・・・・・・・・街だと公衆浴場があるから、それを利用するのが普通だな。


色町の風呂を毎晩利用していた馬鹿もいたが、それは又別の話。


広い風呂を独り占めにするのは王侯貴族でも中々出来るものじゃない。

お湯を沸かすのが手間だからな・・・・・・・・・・・



月と星の天蓋に風が流すは虫の詩 ああ天土全てが我が庭で 出会う者皆我が家族

いつぞやの詩人神が歌った昔語りの一節が出てくる。

後は酒があれば言う事なしなのだが・・・・・・・・・・・・


怪我人には酒はダメだと・・・・・・・・・・女性陣の厳しい事厳しい事。

殆ど傷もふさがっているのだがなぁ・・・・・


体を伸ばして暖かさに身をゆだねて・・・・・・・・・・





隣の女湯からは


「ほら幼女ちゃん、ちゃんと体洗いなさい!」

「あらったもん!」


「良い湯ですわねぇ・・・・・」「本当・・・・・・・・」

「私達だけこんなにいい思いして良いのかしら・・・・・・・・・・」


「ふぃー、のぼせた・・・・・・・・」

「水飲んで孤児娘ちゃん!」

「ごくごく・・・・・・・・・・・ぶはぁ!」


賑やかなもんだ・・・・・・・・・・


「うーん、温泉で月見て一杯。最高だわ!」

「冷えた酒も悪くないですわねぇ・・・・・」

「後はつまみが欲しいわね。」



「ふぅ、老骨にも染み入るようじゃ。」

「またまた、婆様元気有り余っているのに。」

「そう言ってもな、旅なんて始めてじゃから緊張するぞ。」

「王都についたらどうするんで?」

「何も考えておらんというか、都見物をして遊んだら帰るだろう。あの馬鹿息子達次第だな。」

「強力兄弟も何も考えていないようですしね。」

「まいったもんじゃ・・・・・・・・」



女湯は芋洗い状態だな。見て見たいけど後が大変だ・・・・・・・・色々な意味で。




さて、強力兄弟が拾った子供はどうなったかな?

私は風呂から上がり強力兄弟のところに向かうとする。


しかし、私に酒を与えないで自分達だけで酒を飲むとは・・・・・・・・・許しがたし!


強力兄弟の元に行ってみると薄汚れたガキは綺麗に洗われて見れる程度になった。

しかし子供の行き倒れとは珍しいな。親はどうしたんだ?


「王室顧問の旦那、この子は孤児で妹が一人いるらしいんでさぁ。妹が目を患ったんで治療のために金をためてこの療養神殿に向かったまでは良いんですが路銀が思ったよりかさんで・・・・・・・・・・ まぁ、後はお約束というかなんというか・・・・・・・腹をへらかせて兄妹ともどもへたり込んでいたんですよ。」

「まぁ、よくある話だな。で、妹のほうは?」

「目のほうはどうか判りませんが、衰弱していたんで神殿に投げ込んできましたぜ。」

「で、神殿に治療費として渡してお前等は一文無しと・・・・・・・・・・・・」

「「面目ない・・・・・・・・・・」」

「馬鹿だろう、お前等!一応ここにいる面々は誰だと思っているんだ?」

「性愛神殿の・・・・・・・・・・あっ!」

「そう言う事だ。目の病は兎も角、応急処置も栄養失調も手当てできるじゃないか!」


「「・・・・・・・・・・・・・すんません。」」

「まぁ、良いさ。お前等が立て替えといた分払ってやるよ。」

「助かります・・・・・・・・・」「旦那、いいんですかい?」

「これが色町ですったとか、飲み代が嵩んでというんだったら見捨てるが人助けだろう・・・・・・・・・仕方ないさ。ほれっ!」


私は孤児弟に命じて金を持ってこさせて、療養神殿に払ったと思われる分を渡す。

「旦那、こんなにいいんですかい?」「明らかに貰いすぎですぜ?」


銀貨10枚程度でそんなに言うとは・・・・・・・・・遠慮深い奴等だ。

「強力兄弟、いくら払ったんだい?」

「銀貨3枚ですが・・・・・・・・・・」

「今までの分として結構支払ったと思うんだけど・・・・・・・・・・・」


孤児弟が笑顔のままで聞いている。


「いやぁ、この街の飯が思ったよりも旨くって・・・・・・・・・」「観光地価格というんですかねぇ・・・・・」


訂正、遠慮深いのではなくて・・・・・・・・・計算の出来ない馬鹿だ!

兵舎で居れば飯には困らないからついついあるだけ使いたくなるのだろう・・・・・・・・・

早くこいつ等に嫁でも何でも見つけて財布の紐を握らせないと・・・・・・


「だんな、兄弟の俸給は婆様に渡しときますか?」

「半分くらいは本人に渡してやれ・・・・・・・・・・いくらなんでも不憫だ。 でも、これは婆様に直接預かってもらえ!」

「そんなぁ・・・・・・」「無体な・・・・・・・・・」

崩れ落ちる強力兄弟、男がへたばっても可愛くないぞ。



「あ、あのぅ・・・・・・・・・・・・・・ ありがとう御座いました!」

「良いって事よ!」「ガキが気にするな!」

「このお金は働いて必ず返しますんで・・・・・・・・・・・・」

「ガキが細かい事気にするんじゃねぇの!」

すごむ強力弟・・・・・・・・ おいおい、子供相手に何しているんだい!

「おめぇのような細っこい奴じゃ、何時までたっても返せないだろう!ここは大人しく大人の面子を立てやがれってんだ!」

強力兄も言葉選べ!

「それでも、それでも・・・・・・・・・・・」

「ほらほら少年、この強力兄弟(ばかども)が良いって言っているんだから甘えておきなさい。」

「貴族様にもご迷惑掛けてしまって・・・・・・・・」

「迷惑のうちにならんよ。私は貴族だ!そのくらい簡単だよ。」

「まぁ、だんな。少年を雇ったら如何です?細かい事をするのが足りないですし、どうせ金の事をなしにしても明日からのつなぎがないんだろうし・・・・・・・・・・」

「ふむ、孤児弟お前の従者として使え。」

「ちょ、だんな!おいらはだんなの従者ですよ!従者が従者を使うなんて・・・・・・・・・・」

「あのなぁ、お前も最下級とは言え貴族なんだから人の使い方を覚えないとな・・・・・・・・・・・どうせ、騎馬公か開放公あたりがお前の事を狙っているからこの少年で練習しけ。少年、お前も文句あるか?ないよな!一文無しで拾われた身だ、ここで放り出されても行き倒れる事間違いなしだろうし拒否権はない!」


「・・・・・・・・・・・・すいません、お世話になります。」

「・・・・・・・・・・・・・おいらに配下?待ってくださいよ!」


実直そうだし、面構えも悪くない・・・・・・・・・・・孤児弟と組ませたら公爵令嬢あたりが鼻血たらたら喜びそうだが、気にしたら負けだ。


「本当にありがとうございます・・・・・・・・・・・」

少年は深々と頭を下げる、親御さんの仕込が良かったのだろう・・・・・・・・

「強力の兄さん方もご迷惑おかけしてしまって・・・・・・・・・」

「いいってことよ!」「困ったときはお互い様だ!がははははっ!」

「このお金はちゃんと返しますんで。」

「要らないといっても返す積りだろ、充てにしないで待ってるから無理せず返しな。」「兄貴の言うとおりだ。」

「ところで少年、腕が伸びきっていないようだが・・・・・・・・・・」

「ああ、これですか前にやったときに医者にかかれなくて・・・・・・・・・・」

「骨が曲がってやがるな。」

少年の腕を掴んで強力弟が唸ると、

「一度、折って繋ぎなおしたほうがよいかな?旦那、神官様は骨接ぎの神術とか使えるんですかい?」

「如何だろうかね?そろそろ風呂から上がるだろうから聞いたらどうだい?」

「わかりやした。」

「って、折るんですか!嫌ですよ!」


涙目の少年・・・・・・・・益々公爵令嬢対策が必要になりそうだ。

そりゃ骨を折るといわれれば怯えもするよな・・・・・・・・・・・

まぁ、急ぐわけでもないから余裕が出来てからやればよいさ。若いから回復も早いだろう・・・・・・・・・


「しかし、遅いですなぁ・・・・・」「女は長風呂だからじゃないんですかい?」

「急ぐわけでもないんですが、待つのは手持ち無沙汰ですね。」

「治療は別にしていただかなくても・・・・・・・・・・」

「いかんぞ少年、骨が曲がったままつながると・・・・・・・・・・(説明略」

強力弟が丁寧に説明している・・・・・・・其処、骨折の痛みまで丁寧に描写するな!


結局のところ、我等男性陣は待ち飽きて先に床に着いた。

ちなみに女神官が風呂から上がったのは夜半も過ぎた頃だったと宿の人から聞いた。

何してやがるんだ!


酒盛りか・・・・・・・・・・・混ぜて欲しかったなぁ・・・・・


どういー(by酒精神)


今宵は酒が切れたのでこれまで・・・・・・・・・

健康診断受けないと・・・・・・・・医者に飲みすぎといわれるんだろうな・・・・・・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ