胃痛宰相と書類雪崩
あらすじ 宰相閣下のタタミイワシが焦げた。 閣下涙目。
宰相閣下と別れた後、法務官勤務室にて書類整理をする。
宰相府から送られてくる仕事は多岐にわたり、各地からの陳情や法令の不備に対する意見書、司法各局からの問い合わせ・・・・・・・・・・・・・
その他にも司法当局の判例に対する書類査察依頼・・・・・・・・
なんか他の仕事がまぎれているのは気のせいではないな・・・・・・・・・
王兄殿下が物陰から見ていて気持ち悪いです(侯爵令嬢12歳)
王太子殿下が南方都市連合に居るから引取りに来てください(南方都市連合理事)
護衛官の鎧を磨いてください血がついて情操教育に悪いです(女官長)
街灯のガラスが割れています(南参番街某雑貨店店主)
どう考えても私の仕事ではないなぁ・・・・・・
王兄殿下の病気は後数年もすれば興味が失せるから我慢してといえばいいし、王太子殿下は誰か適当なものに迎えにいかせればよい・・・・・・・・って、いうか西方荒野伯のところに遊びに行くのにどうして南方都市連合?あそこまでここまでは半月かかるぞ!一昨日出たばかりなのに?
護衛官のは自分で言えと言いたいし、街灯の硝子は衛士隊経由で街灯担当に言え!!
孤児院の子供が病気持ちみたいで気持ち悪い駆除して欲しい・・・・・・・・・・(王宮士爵某)
該当の孤児院は孤児姉弟の居たところか・・・・・・・・・病気もちみたいでとなると昨日の状態からしても栄養状態が悪かったからなぁ・・・・・・・・・実際に病気にかかっている可能性もあるな。後で診断してもらうか・・・・・・・・・・・
寮母王宮伯の事だから今頃見せているかもしれないが、期待しないでおこう。
孤児院の管理は誰だったかなぁ・・・・・・・ 王室出資で管理はどこかの貴族にまかされていたはずだから・・・・・・・・・・・財務官の支出台帳を見たほうが早いかな?あとで財務官のところに行くとするか・・・・・・・・・・・・
あと、士爵某 お前は民草のことをゴミのよう表記したから地方への栄転依頼を宰相府人事宛に出しておいてやろう。ありがたく思いやがれ(にやり
仕事が一息ついたし、宰相閣下に書類を渡しながら紛れ込ませた仕事に対して文句を言うとしよう。
「うむ、良いところに来た。これもやってくれ!!」
「待ってくださいどう見ても私の職務外の仕事も混じってますよね?さっきも二割くらいは他の者の仕事ですよ!!」
「大丈夫!!君なら出来る! このまま宰相の仕事を任せてもやっていけるからワシが保障する!!」
「宰相補佐、秘書官さーん ここの胃痛宰相が人に仕事押し付けて逃げようとしてますよ!!」
「無駄だ、法務官!ここに居るのはワシの手の者ばかり、君に逃げ場がないのだよ(邪笑」
「閣下、人育ててくださいよ!!」
「だから育てているではないか、君と言う人材はとても得がたい資質を秘めている優秀な人材だよ。十二分に教育して次期宰相として・・・・・・・」
「だから私でなくても人はいるでしょう!! 御子息とか甥御さんの中に結構優秀なの居たじゃないですか!!」
「世襲役職は腐敗の元だ!それ以前に息子は武官だし、甥達は技官になっている。どうもワシの血族は現場向けらしいからな。ワシも現場に戻りたいよ・・・・・・・・・・ そういうことで宰相命令!! これを処理しろ!!」
「わかりましたから宰相府の人間使わせてくださいよ。うちの人間はこれ以上こき使ったら苦情来ますんでね・・・・・・・・・・」
「わかった、適当に人を引き抜いてくれてかまわない、次期宰相府の人事の参考にもなるだろうし、何ならタタミイワシも持っていくか?ついでに南方国境伯令嬢とか東方建国公令嬢もつけるぞ!!」
「さらっと、勝手な役職とか見合い話をつけないでください。しかもこの二人の令嬢は王妹殿下の会派で腐っているじゃないですか!!せめて腐ってないのをお願いします。」
「いやぁ、国境伯からも建国公からも娘の縁談どこかないか相談されてのぅ・・・・・・・・・・・・君ならば家柄も悪くないし将来有望で人格的にも酷すぎないからなぁ・・・・・・十分いけると思ったんだが・・・・・・・・・ 綺麗なお嬢さんだよ。腐っているけど。まぁ、人は遣すから頑張ってくれ給え。」
こうして私は午後も雪崩れそうなほどつみあがった書類の山と格闘するのであった・・・・・・・・・・
書類の間に見合いの覚書が混じっているがこれは処理不可・時効待ちの棚に放り込む事にする。
ところで書類の間にタタミイワシの欠片が挟まっているのだが、誰が食べながら仕事しているのは?
宰相閣下のタタミイワシ 残り23枚。宰相府のおやつとして大人気です。