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孤児準爵と聖(性)戦発動

「商会公、あそこ近辺で隊商を派遣する予定はないですかな?」

「辺境伯、いきなり何を・・・・・・・・・・・・ははぁ、あの子達が気になるのですな。」

「うむ、隊商を派遣するのならば護衛を売り込もうかと思いましてな安価で・・・・・・・」

「あそこには隊商派遣しているし、これ以上は経費の無駄だな。」

「ふむ、どうもいらん手出ししてきそうで嫌な予感がするのだ・・・・・・・・・・・王室顧問(おとうと)を捕まえて査察自体を無効化したり、借金の無視を要求したり・・・・・・・・・」

「それ以前に王室顧問自体を血祭りにしようとせぬか?」

「それだけならば別に二度と日の目を見られない程度のことをすれば良いのだが可愛い姪っ子たちがいるのでな。」

「なるほど、あの子達はワシも引き抜きたいと思っているのだが、王室顧問への忠誠心が強くてなぁ・・・・・・旨く手懐けた者だよ。」

「まぁ、今日は失礼した。とりあえずあそこの領主達が兵を集めているらしいから同行している隊商たちにも気をつけるよう願いますよ。」

「うむ、その情報は入っているし対策として護衛をわんさか連れた隊商をあの近辺をかするように通しておいている。

「さすが商会公手抜かりがない・・・・・・・・・」



商会公と守護辺境伯の会話。




「開放公、おぬしの兵は余ってないか?」

「いきなりどうした騎馬公?」

「うむ、あの近辺で家畜の売買の可能性がないか人を寄越そうと思っているのだが騎馬の民だけではとっつき辛いだろう。だから王国民を間に挟もうかと・・・・・・・・・」

「とは言え我等も王国の民から見ればとっつき辛い分類だぞ。」

「ふーむ、人外達も馴染みがないし・・・・・・・守護辺境伯の連中も集めるか・・・・・・・・」

「なるほど・・・・・・・・・・・そういうことか。ついでだから、商会公に人を借りて仲立ちしてもらうか。」

「それが良い。商売には専門家が必要だしな。」

「うむ、商売だしな・・・・・・・・・・護衛がいないと盗賊とかが怖い者な。」

「うむ、慣れぬ土地だからどんな危険があるかわからぬからな。護衛としてきてもらえぬか?」

「勿論喜んで、その途中で公爵令嬢(むすめ)達の一行に会って同行しても偶然だろうしな。」

「あのなぁ、刃物で考えようとするな。我等は商売の可能性を探りに行くのだ。決して孤児弟達に合流するのではないのだぞ。それは禁じられているからな。」

「わかったわかった。ついでだから人外公達に商売の可能性を探りに行かないか誘うとするか。」

「うむ、儲け話に対して仲間はずれするのは宜しくないからな。」


騎馬公と解放公の会話。

篭城というよりも挟撃を受ける形になっているのか、しかし城館から何の応答もないのが疑問だ・・・・・・・・・

向こうに集められた兵達に聞いてみるか・・・・・・・・・・


「はははっ!査察と称して我等を蹂躙する積りだろう。この際だから王室顧問一行を捕らえて身代金を貰うとしよう。」

「いや、なぶりものとして憂さを晴らすのが良い。」

「あの娘達は中々楽しめそうじゃないか・・・・・・・・・・」

「あれも守護辺境伯家の者だから手出ししないで身代金の上乗せに使えるだろう・・・・・・・・」

「それに加えて借金も無視してしまうとしよう、ちょうど商会公の部下達もいるみたいだし・・・・・・・」

「あの数だとすぐに終わるかな。半日といったところか?」

「一時間だろう。何なら金貨を賭けてもいいぞ。」

「はははっ、前もそれで損していただろう。懲りないなぁ・・・・貴公は。」

「煩い!」



なんとも寄せ集めっぽい雑多な兵だ。

聞こえてくる会話も下品だし・・・・・・・・数は多いが、私兵達だけならば逃げることも可能か・・・・・・・・

後は足手まとい・・・・・・・・・・王室顧問一門(われわれ)、難民達、性愛神殿信徒集団、王弟殿下(はげ)か・・・・・・・・・・

「だんな、孤児娘達の装備を計算に入れてないんですかい?」

「あのなぁ、いくら強力な装備を持っても戦いに慣れていない孤児娘たちを即戦力になると思わないほうがよかろう。あの装備自体も微妙なものが多そうだし・・・・・・・・・」

「御主人様、戦の前の交渉で市民達だけでもはずせないでしょうか?」

「孤児姉、とりあえず声がけをしてみるか無理だろうな。四席、拡声呪文を!」

「はっ!」



拡声呪文で貴族軍に対して声を上げる。

「其処に見られるは近隣の貴族諸氏とお見受けする。本日は沢山引き連れてこの子爵への舞踏会でもあるのだろうかな?」

「はははっ!そうだな踊るのは貴様等だろう。我等はそれを見て楽しむというわけよ。愚民上がりのガキ貴族もどきに色物貴族・・・・・・・・・・・それに嫌われ者の王室顧問。面白い踊りが見られるだろうな。」

「我等は踊りは得手ではないので楽しめるかどうか判らぬがお相手いたすとしよう。その前に嗜みとして非戦闘員を逃がしたいのだが如何だろうか?」

「ふむ、動けそうもない愚民に女子供か?お前等の死出の供にちょうど良いだろ、これは我々からの餞だ有難く受け取られるが良い。」

「後、我が陣営に王弟殿下が居られる。流石に王族を手にかけるのは宜しくないだろうから殿下だけでも退避させる事は出来ぬか?」


ざわざわとする貴族軍・・・・・・・・・・

雑兵の中には反逆?などという声が聞こえる。

その中から貴族達の一人が声を上げる。


「王弟殿下なんていたか?」

「そんなのいたの?」

「三兄妹だと思っていたが・・・・・・・・」「あの禿が王族?」

「似てないよなぁ・・・・特に頭髪・・・・・・・・」

「見たことも聞いたこともないぞ。」

禿げ禿げ発言に王弟殿下(はげ)は抜けて地肌が見える部分を真っ赤にして怒っている。

髪・・・・・・・・もとい、影が薄くて兄弟達(へんたいたち)に存在感を食われているからなぁ・・・・・

でも、貴族達一応王族なんだから顔と名前くらいは覚えておこうよ。


「で、この抜けかけ(頭頂部脱毛)の貧相な中年が王弟だって?騙るのはお前等の身分だけにしろ色物たちが!」


一言の元に否定されてしまった。そのやり取りで市民達の間で殲滅させられるのかと諦めが走り、商会公の隊商たちはなにやら魔法具を弄って連絡を取っている。農園公の御者達は其々の武具を手にとっているし、其々の兵達も装備を整えている。数の差は数倍程度か・・・・・・・・・・・・一人当たり10人程度か。ちょいと割り当てとしては多いかな。

「いやいや、馬鹿にして居るだろうよ!我等極北のツワモノならば、一人当たりその倍は欲しいところだ!」

「何がツワモノだ際物の間違いだろう!そのまま突っ込んで戦場を間違えてしまうのがオチじゃないのか?」

「何を言うか、際物はそっちだろう。どうして戦場に裸で来るんだ!常識で考えろ。」

いつものような極北戦士と奴隷戦士団のじゃれあい・・・・・・・・・・どっちも色物だなぁ・・・・・


奴隷戦士団(はだかにくさり)・・・・・・色物

荒野の民(もひかん)・・・・・・・・色物

人外兵(きちく)・・・・・・・・・・色物

自由戦士(びんぼう)・・・・・・・・色物

農園公の御者(えろおやじ)・・・・色物

商会公の傭兵(きぞくしょうにん)・・・・色物

極北兵団(よっぱらい)・・・・・・・・色物

性愛神殿(娼婦達)・・・・・・・・色物

王弟殿下(はげ)・・・・・・・・色物

孤児貴族達(可愛い子供)・・・・・・色物


うむ、王室顧問(わたし)以外色物ばかりだな。ここまで色物ばかりだと逆に清清しく思う。

《自称》正統派貴族からすると分けのわからぬのがこの国の頭だから嫌なのだろう・・・・・・・・

頭の堅い奴等だ!!


「一番の色物が何一人言っているんだ!」

「色ボケの酔っ払いが!」「王室顧問貴様にだけは言われたくないぞ!!」「そうだそうだ!」

「誰が禿げだ!」「ひどいですわ、少なくとも私だけは奴隷兵団の中で一番まともなのに!」

「腐りきっているのが何を言う!!」「だんな、あんただけには言われなくない!」

「けんじゃさまひどーい!」

「少なくとも全裸で王都を歩き回る奴には言われたくないよな。」

「色物貴族の中で一番存在感を放っているのが何棚にあげているんだ!!」

「貧乏言うな!」



何か敵味方一緒になって私を非難している。酷い言われようだ!

何の個性もない反乱貴族に色物兵団、この板ばさみで私は心が痛いよ。


「「「「「「「黙れ椎の実!!」」」」」」」」


敵味方そろって声を上げてくる!


なんて見事な総突込みだ(by演芸神)


私は椎の実じゃない!世界樹だ!!

「世界樹?ぷぷっ・・・・・・・・!」

其処、女神官!笑うな!

「だって、どう見たって・・・・・・・・・・・・」

神官がそんな事言うと本気にされてしまうじゃないか!

「御主人様、大丈夫です。椎の実だろうと千年樹だろうと私はついていきますので・・・・・・・・・」

孤児姉、その短小前提の発言は止めて・・・・・・・・・・

そっちの貴族軍の皆様も生暖かい同情の視線は・・・・・・・・・・うわぁぁぁぁぁ!!


「王室顧問、大事なのは大きさじゃないんだよ。ワシは大棍棒だから問題ないけど・・・・・・・・・・」

「お互いを思いやる事が大事なんだ。俺のは長茄子だから関係ないけど。」

「おらは椎の実じゃないからわからねぇだ。」「おらの大根はむすめっこひぃひぃ言わせてるしなぁ・・・・・・」

「こらこら我が精兵達よ、いくら敵だからといって王室顧問の椎の実をネタとするのは男として如何だと思うんだが・・・・・・・・・・・・」

「領主様、以外と懐が広いんですねぇ・・・・」

「ぶわはっはっはっはっはっ!!」


「でも椎の実でよかった。賢者様の大きかったら私達の体じゃうけとめきれないもの。」

「そういえば孤児弟のは大きかったわよ。」「それで姐さん達が懐いてしまうわけか・・・・・・・・・」

「あらあら、それは興味深いわね。」

「公爵令嬢様、聞いてらしたんですか?」

「そりゃ、可愛い弟のことですもの・・・・・・・・・・・」

「って、言うかまだ捕食してなかったんですか。」「あらあら私はふしだらな女じゃないですわよ・・・・・・・・・」

「でも、裂けちゃいそうで怖いですよねぇ・・・・」

「孤児娘たち、ちゃんとほぐせば結構すんなり行くんですよ。」

「女神官様!」

わいわいがやがや・・・・・・・・・・・



えっと、この猥談どうすればいいの?



我はこれを記録するのか?とても嫌だ(by記録神)

王室顧問が絡むと下に走ってしまうのだからねぇ・・・・・(by歴史神)



だまれ!!ごげしっ!(殴打

私は神秘緋金属張扇(オリハリセン)で敵味方神人関係なくドツキ回る!!

「このどたわけどもがぁぁぁぁぁ!!」


背後からイカヅチが乱舞し、殴り飛ばされた者たちは星となって消えていく。

一人殴ればそれが砲弾となって十を弾き飛ばし、十を殴れば焔と供に打ち上げられて百を吹き飛ばす。

この一団を殲滅するのにそんなに時間がかからなかった。


ハァハァ・・・・・

つかれた!どうして私の周りには色物と酔っ払いと変態と馬鹿ばかりなんだろう・・・・・・・・・

一度人生について考えたくなる。



あんだけ派手な突っ込み無双して言う科白じゃないよなぁ・・・・・(by戦神)

見事な突込みだ!我が神器(おりはりせん)をあれほどまでに使いこなすとは精進を重ねているなぁ・・・(by演芸神)

戦の気配がしたのに見る前に終わらせているか。(by戦神)

いやいや、これは突っ込み。まだ前座だよ。(by演芸神)


吹き飛ばされてしっちゃかめっちゃかな状況、どうしたものかと思いきや正面から孤児弟が神秘緋金属張扇(オリハリセン)で私の顔面に打撃を叩き込む!

私は民家の壁にのめりこむ・・・・・・・・・・


「この腐れ賢者がぁぁぁぁぁぁぁ!!」


主人に対して何たる非道。天地人これを許しても我が・・・・・・・ごふっ!


「少し黙れ!」

孤児弟は私の発言を封じると立ち上がってきた貴族連合軍に対して一礼する。

「我が主である王室顧問が失礼致しました。おいらは孤児弟準爵、この査察隊の束ねをしております。今日ここに来た目的は皆様方もご存知で御座いましょうがこの子爵領から難民が出ているという報告を受けて現状の視察と対応策をとることなのですが、皆様方に不都合を押し付ける予定は御座いませんのでこの場は引いてもらえませんでしょうか?」

「ふむ、決の青い小僧かと思ったら、骨があるじゃないか。そうは言ってもな義理もあるし、芋づるという可能性があるから見させるわけには行かないのよ。降伏するならば心身ともの安全を保障するが如何だ?」

「申し訳御座いません。この査察はおいらの貴人聖域法(アジール)が原因ですが、王命でありますので退くわけには参りません。寛大な申し出感謝いたしますが使命は果たしたいと思います。で、厚かましいかと思いますがこの場にいる市民や非戦闘員、女性達を戦いの場から離したいのですが許可願いますでしょうか?」

「市民については問題なかろう。女性陣は爵位持ちや自ら戦いの場に赴いた者であろう、女だからと手加減する謂れはない。それにここの女性陣は男性よりも手ごわそうだ、逃がしたら後が怖い。」


確かに経理の鬼である孤児娘達に素手で熊を伸した極北大使夫人、性愛神殿の女性陣は神聖魔法の使い手で場所柄情報に通じているし、公爵令嬢は腐っても(どっちの意味かはあえて言いたくない)奴隷の娘といえる戦闘能力を持っている。

なんか、女性のほうが強くない?


「そうですか、もう一度お尋ねいたしますがこの査察を妨害するという方向で軍を集めたのですか?」

「そうだ。地縁血縁義理のあるここの侯爵の息子である子爵の査察は彼の前歴に不都合だから止めたいのだ。」

「10日と持たずに王都から逃げ帰った者にあくまでも義理立てするのですね。」

「そういうことだ、黒髪孤児準爵。貴様だって其処の幼子のためにここまで来たのだろう。両者平行線という事で力のある者が押し通すのが手っ取り早かろう。口で争うても時間ばかりかかる。剣の身分ならば剣で語れ!ではいくぞ!」

「しかたありません。最後に貴方様の名前をお聞かせ願えますか?」

「名乗っていなかったか、それは失礼致した。我は青麦候の呼びかけに応じた燕麦男爵。黒髪孤児準爵よ、きさまをガキと思わず本気でいくぞ!」

「丁寧な名乗りありがとう御座います。数の不足ゆえ物足りないかもしれませんがその辺は前もって謝罪いたします。」

「おもしろいガキだ!もう一度言うぞ、今降伏するならば名誉ある扱いをいたそう。詫びを入れるならば今だぞ!」

「同じことをおいらも繰り返します。下手すれば王弟殿下のいる中で戦いなぞ起こしたら反逆罪の適応となりますけど今ならばまだ間に合いますので子爵領の査察を邪魔しないでもらえますか?」

「何度か降伏を勧告するのは礼儀上故、引けぬと判っているのに言葉を繰り返すのは逆に非礼か・・・・・・・・・・」

「戦わずにすめばそれが一番。流す血が少ないならばそれは良い事。なれど引けぬとなれば躊躇いを捨てさせてもらいます。」


「「いざ、まいる!!」」



おーい、お二人さん。何で無駄に息が合っているの?



正史にはこのやり取りを残そう、流石に前半のやり取りは酷すぎるから。(by記録神)


捏造?ひどいのは認めるが。


いや、編纂だ。ちなみにこの場面は連作黒髪孤児の一幕で【燕麦男爵との語らい】として名画の題材となる予定だ。(by歴史神)

「商会公、例の隊商たちから連絡がありました。孤児弟達が青麦候を初めとする初期族連合と交戦開始。数は約数百、劣勢です。配下は確認されるだけで十数家・・・・・・・・・・」


「六大公と守護聖域辺境伯家に連絡を!傭兵隊の準備を隊商の救援に向かう。」

「はっ!公は?」

「ワシは王家に出向いて陛下と掛け合ってくる。」

「了解いたしました。」

「ワシの可愛い隊商たちをなぶりものにしようとして儲け話の邪魔をするとはただで済むとは思うなよ・・・・・・・・・・・くっくっくっ」



「まるで悪役の科白だな・・・・・・」

「商会公の趣味だから突っ込むな。」

「うちらは悪の幹部?」

「いや、せいぜい下っ端だろう。」

「「商会公!!」」




商会公とその配下の会話。

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