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【番外編】魔方陣と魔法陣

 いきなりではあるが、魔方陣とは正方形のマス目に数字を並べ、縦・横・対角線のいずれの列を足しても、その合計が同じになるように構成した図のことである。


 これは紀元前の中国で亀の甲羅の模様(洛書)として見つかったものが起源とされ、古くから魔除けの象徴としても使われてきた。


 今では数学的パズルの 数独ナンプレのルーツの一つとも言われているらしい。


 方や魔法陣とは ファンタジー作品などで魔法を使うために描かれる幾何学模様のことである。


 これは正に似て非なるものなのである。


 何故、こんな話をしているかと言うと変換ミスに気付かずにずっと"魔方陣"を使っていたからである。


 既に一話から訂正してあるが、自戒の念を込めて魔方陣の話を作ったしだいである。


 断っておくが変換ミスをしていたのはユウイチではなく作者である。




「うーーーん……」


 煮詰まったユウイチが研究所の開発室で唸っている。


「バーコードは再現できたんだが、QRコードになるといきなり難易度が増すな」


 国王のカンニング大作戦で活躍したバーコードシステムはリーネお陰で普及の兆しを見せ始めている。


 そこでユウイチは二匹目のドジョウを狙ってQRコードの再現に力を入れていると言うわけである。


 バーコードとは黒い線と白い線の組み合わせによって、数字や文字を表現した符号で、情報を横方向のみに記録するため一次元コードとも呼ばれている。


 一方のQRコードは、正方形のマトリックス内にドット(小さな正方形)を縦横二方向に組み合わせた符号で、情報を縦横どちらの方向にも記録できることから二次元コードとも呼ばれている。


「先ず、記録できる文字と情報量が違い過ぎるんだよな」


 ユウイチが呟いた通りバーコードでは数字とアルファベットで数十文字程度なのだが、QRコードになると数字、アルファベット、漢字、ひらがな、カタカナ、特殊記号など数百〜数千文字になる。


「だが、QRコードはバーコードより少スペースで済むんだよ」 


 QRコードに付いてあれこれと考えていたユウイチはふと思い付いた。


「魔法陣をQRコード化できないか!」


 ユウイチが転生して勉強したこちらの世界の魔法陣は円形で魔法語がこちらの世界の文字で書かれている。


 因に、こちらの世界の文字はアルファベットなどと同じ表音文字である。


 だが、前世で日本人であったユウイチは表音文字と表語文字、更には表意文字までも組み合わせ使う日本語が使用可能である。


 その前世の日本語を駆使すれば魔法陣に組み込める情報量がQRコード並みにすることができる。


 更に円形を止めて方形にすれば少スペース化も可能である。


 バーコードからQRコードになったのなら、魔法陣も進化できるはずだとユウイチは踏んだのである。


 QRコード化した魔法陣は日本語を使った方形である。


 こちらの世界の魔法陣と区別する意味で、本来の定義とは異なるが見た目だけでユウイチは魔方陣と呼ぶことにした。


 そこで、ユウイチはQRコードの再現は後回しにして魔方陣の実現に邁進することになったのである。


 だが、魔方陣実現に向けて大きな問題が一つ立ちはだかっている。


 それは、ユウイチが転生の際に得た言葉と文字が自動変換される特典である。


 これはユウイチの頭の中では日本語なのだが、書いたり話したりすると全てこちらの世界の文字と言葉に自動で変換されるものである。


 それを防ぐには頭の中の日本語を魔方陣にして現実世界に写し出さなければならない。


「取り敢えず、試行錯誤の日々だな」


 ユウイチは研究の長期戦を覚悟した。


 いや、これは勝算のない不毛な戦いかもしれない。


 そう思いながらも魔導具のクレームの言い訳や建国祭のイベントの準備に忙しい中でユウイチは魔方陣の研究を始めた。


 だが、そう簡単に頭の中の魔方陣を現実世界にそのまま写し出す方法は見つからない。


 お陰でユウイチは出向組が加わって行われる初めての対策会議に寝坊してしまうと言う大失態も犯してしまった。


「うーーーん、創造のスキルと付与のスキルが一度に使えればなぁー」


 暫くするとユウイチは魔法陣を方形の日本語で書くイメージはできるようになったのだが、それを現実世界にそのまま写し出すことは難航している。


「頭の中のイメージを現実世界にコピーすれば……

 もしかして、いけるか?

 駄目元で試してみるか!」


 ひょんなことから前世のコピー&ペーストを思い出したユウイチは一か八か試してみることにした。


 ユウイチは頭の中で創造した魔方陣の頭とお尻の文字を指でタップしてみた。


 そして現実世界の紙に"チョン"と指で触れて付与スキルを発動してみた。


「おぉー、できたじゃないか!」


 見事にコピーされた魔方陣を見てユウイチは感嘆の声を上げ、暫く悦に入っていた。


 だが、興奮が覚めくるとしだいに冷静なっていく。


 そして、ユウイチは魔方陣が写し出された紙を"クシャクシャ"にして丸めて捨てたのである。


「フッ、この方法は永久に封印だな……

 こちらの世界のイメージが台無しだ」


 ユウイチが封印した理由は、横書きの日本語で方形に記された魔方陣が魔導具に貼ってあれば、まるで前世の家電に貼ってある操作説明シールそっくりなるからであった。


 後日、捨てられた紙をたまたま見たミレイは「失敗した魔方陣」だとユウイチから聞かされて、暫く首を傾げて固まっていたのであった。


 "魔方陣は決して魔法陣に有らず"


 ユウイチも作者もこの事を深く肝に銘じるのであった。

 

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