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序章1 民主主義と世界平和の両立を目指して

近年、世界は再び軍拡の道を歩み始めている。

その背景にある脅威の本質は、もはや平和的な外交手段だけでは対処しきれない局面をも含んでおり、「いかにして平和を維持するのか」という問いは、すべての国家が避けて通れない人類共通の課題となっている。


日本もまた、その渦中にある。

周辺諸国が保持する「核兵器」という圧倒的な暴力と対峙せざるを得ず、とりわけ国際社会の厳しい警告を顧みず、権威的な論理に基づき核保有を続ける国々の姿勢は、「自国防衛」という名の下に非人道的破壊兵器を正当化するものであり、平和国家を志す日本の理念とは到底相容れない。


一方で、現代世界は自由貿易を基盤とし、国家体制の違いを越えて、モノやサービスだけでなく、思想・文化・情報さえ国境を越えて交錯する時代へと変貌した。

人々の生活は豊かさを増し、特にIT(情報技術)の発展は社会構造そのものを変えるほどの力を持つに至っている。軍事分野においてもAI技術の導入は急速に進み、もはや不可欠な国家基盤の一部とさえなった。

だが、この潮流に乗り遅れることへの焦燥感や、価値観の画一化、地域固有の価値観の喪失といった懸念も存在する。それらへの過度な拒否は、逆に国際社会における孤立を招きかねない。


したがって今、日本はこの変動の時代にふさわしい「バランス」を見定めることが求められている。



民主主義とは、民意に基づき国家の方向性を定める仕組みであり、民意を公共的に反映させる制度でもある。

しかし現実には、各国がそれぞれ採用した主義・思想のもとで国家運営を行っており、軍拡する世界情勢のなかで日本がどのように向き合うべきかは、単なる外交課題にとどまらず、民主主義の枠組みそのものを問い直す重要なテーマである。


高度成長を経た社会に生きる私たちが、持続可能かつ平和的な国家運営の理想像を実証的に示すことができれば、その歩みはやがて他国の指針となり、国際社会全体の平和構築に資するはずだ。

多様性を尊重しつつ、民意に基づいた国家モデルを構築すること。

それこそが、真の世界平和へつながる現実的な道である。


そのためには、「貿易」「外交」「文化交流」といった国家間の結びつきを、相互の信頼を土台に豊かに育む姿勢が欠かせない。



歴史を振り返れば、20世紀後半に覇権を握ったアメリカも「世界平和理念」を掲げた。

しかしその実践は、「善か悪か」「自由か抑圧か」といった単純化された二項対立の論理を押し広げるものであり、他国固有の事情や文化を軽視した結果、多くの反発と対立を招いてきた。


この教訓は、戦勝国家主義とも言える発想――

「覇権国家だけが世界平和の実権を握る」という国際認識の危うさを示している。


なぜなら、戦争によって築かれた国際秩序が依然として世界の基盤として機能しているという事実こそ、人類の構造的な盲点であり、戦争を“手段として肯定”する無意識の論理を温存しているからだ。



平和の追求が容易ではないことは、歴史が幾度も証明してきた事実である。

強者の論理によって形づくられた国際秩序のもとでは、弱い立場の国々は「従う」以外の選択肢を持てず、そこには常に不均衡が存在する。

しかし、相手を力によって変えようとするのではなく、まずは相手を受け入れる寛容さの中からこそ、共存の可能性は開けるのではないか。

武力による現状変更は、すなわち戦争に他ならない。

対話を重ね、時間をかけて関係を築こうとする姿勢――

その不断の営みの先にこそ、民主的で持続可能な平和が実現する世界がある。


この思想の根底には、白黒で断じる西洋的思考ではなく、曖昧さの中に調和を探る東洋的な知恵が静かに息づいている。

「善悪」「勝敗」という軸ではなく、「共存」「調和」という別の軸で世界を捉える発想である。


民主主義と世界平和を両立させることは容易ではない。しかし、それを日本が挑むことには大きな意味がある。

日本が歩む平和の道は、他国に強要する理念ではなく、

“示す”ことで世界に影響を与える新しい国家モデルの可能性である。

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