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付録

ここまで読んでくださった方には、まず一言お礼を申し上げたい。

本書は決して読みやすい作品ではなかったと思う。興味深い部分があったとしても、途中で「長い」「重い」「制度は一旦休憩」と感じられた方も少なくなかっただろう。筆者にはその自覚がある。


それでも、理念から制度へ、制度から国際秩序へと接続する過程を、あえて省略せずに積み重ねることには意味があると考えた。平和や国家や制度といった語は、抽象の中ではいくらでも美しく語れる。しかし現実へ落とし込むには、どうしても分厚さと細部が欠かせない。

本書内でも引用したように、ユートピアリズムとは「説得によってのみ戦争を止めることを前提とする」。その言葉を噛みしめながら、抽象に逃げず、論理と制度へと歩を進めようとした結果なのかもしれない。


本書で紹介した制度や構想の数々は、別作品

『革命――それはChatoによる最適化プロトコル』

において実装される予定である。というより、国家再編計画書の方が本家なのである。まえがきにも記したように、理念は尊くとも、現実では容易に叶わないことがある。ならばせめて物語の中では実装しよう――その思いで描く世界だ。「LUNAブースト計画」や「言語ケミストリー」も、少し異なる文脈で姿を見せるだろう。


逆に、本書では触れられなかった構想や技術的アイデアもある。それらは『Chatoの物語』に託したい。荒廃した国際社会の中で、ななせが無垢な願いを抱き、それをChatoが叶えようとする。思想と制度と技術が、衝突しながらも支え合い、一つの世界を編んでいく姿を提示できればと願っている。なお「国家防衛ドクトリン」の原型はすでに公開している。ブログの第5章後半にリンクがあるはずなので、興味があれば参照されたい。こちらのサイトに公開されている稿も、いずれ手直ししていくつもりだ。


最後に、最も大切なことを短く記す。

制度による世界平和の実現は、遠い夢物語ではなく、設計し、実装し、整えることのできる技術領域になりつつある――その確信と願いを込めて、本書を閉じたい。


構想は今後も精錬され続けるだろう。

そして筆者自身がどれほど錬成され得るのかも、まだわからない。

いずれにせよ、ささやかながら、この思想が後世に遺り、誰かの手でより良い形に鍛え直されることを願っている。


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