二話
キャラ崩壊注意!
印紋の設定はさらっと流して大丈夫です。
「おい、どういうことだ。しっかり説明しろ」
「どういうことも何も、そのままです。結婚しましょう、イーハ。僕も伊達に勇者としての務めを果たしてないですからね、これからはイーハに守られるのではなく支えます。まずは街で過ごす用の家を買いましょう。二人っきりで過ごすためなのでこじんまりした家でいいですよね。寝室と浴室だけは広い方がいいですが、ちょっと郊外の場所にしましょう。いっそのこと森に家を建てましょうか。夜は思う存分愛し合いたいですから多少、というかおもいっきり声が漏れても気にならないような場所がいいですね。あ、もちろん夜だけでなく日中もあなたと愛し合いたい。僕の異界の知識を遺憾無く発揮してイーハ、あなたを余すところなく味わいたい。寝室、浴室、台所、居間、玄関、庭、厩舎、どこであろうとあなたを愛すると誓います。もちろん森でも。森に住む全ての生命達に見せつけるんです、僕たちの愛を。あそこは精霊も亜種も多い。皆が皆イーハを気に入っていますからね、イーハは僕のものだと遍く知ろしめさなければならない。光と闇の主をそれぞれ呼び寄せて森の中心で儀式を行いましょう。彼らの目の前で愛し合うのです。儀式によってこの世界全ての存在に僕たちが愛し合っていることが因子レベルで刻み込まれます。そうすればイーハにちょっかいを出そうとする愚物もいなくなるでしょう。そしてあなたの胎に印紋を刻んで子を成すのです。ああ、あなたの子はさぞかし可愛いでしょうね。子供は少なくとも二人は欲しいですね。やはり男女で欲しいですがこればからりはさすがに授かりものですか「待て待て待て待て、ちょっと待て!」」
「はい、どうしました?何かありましたか」
「何かもなにも、全く意味がわからない!俺たちは男同士だろう!結婚も子供も無理だ!」
「大丈夫ですよ、先日女王即位の報がありましたでしょう?その際に同性婚と異種族婚が正式に認可されました。また同性間、異種族間でも子供を作れることが発表されました。現に女王の王配は女性ですし、女王は人族、王配は鳥人族です」
「、、、、、、は?」
「僕が闇王を倒したのは知ってますよね?正確にいうと、倒したというより話し合って解決策を見つけたのです」
「解決策?」
「ええ。だいたい百年に一度異界から勇者がやってくるというのは、この世界で闇の主が自身だけでは許容できないほどに闇の因子が集中してしまうからです。この世界は光と闇の主が協力しあって作り上げました。創世神話は知っていますよね?」
「ああ、俺がお前に教えたやつだろう」
「そうです。神話が物語るように、この世界の命に限りあるもの光の主が司り、反対に命に限りのないものを闇の主が司っています。しかし人が、光の主に属するものが増えすぎてしまったのです。光が濃くなれば闇も濃くなる。バランスが取れていればいいのですが、そのバランスが崩れてしまいそうになると、闇の主は闇王となって暴走してしまう。その闇を払って落ち着かせるために、この世界に属さない異界からの勇者が呼ばれるのです」
「ああ、知っている」
「ええ、イーハは初代勇者と共に戦った狩人の末裔です。初代から数代までは必ず勇者に付き従っていた。ですから事情はご存知でしょう」
「もちろんだ」
「ふふ、王宮から僕に付き従うよう命令された人々は誰も知りませんでしたよ。魔法使いや僧侶の末裔達でさえもです。綿々と伝えてきたイーハの一族とはあまりにも違う。旅の間も苦労しました。皆獣を倒せても捌けない、血抜きできない、料理もできない。毒草を食べようとする、どんな生物がいるか分からない水を飲もうとする、生木に火をつけようとする。僕が最初に出会ったのがあなたで本当によかった。あなたとの日々が僕を生かしてくれた」
「、、、おう、、、」
「ああ、照れたイーハは本当に可愛い。好きです。あなたを愛しています」
「、、、いいから話を続けろ、、、」
「ふふ。実際のところ、あなたがくれた知識と技術のおかげで旅の行程は順調でした。おかげで、闇王のもとにたどり着いた時、彼はまだ理性を持ち合わせていた。だから話し合えた。光と闇のバランスを保つための方法を。光に属するものが増えるならば、闇に属するもの達も増やせばいい、と。ならば、これから生まれてくる命に限りあるもの達、特に人族に闇の因子を付加してしまえばいい。光と闇の属性を付加した印紋を母体に刻み、闇の属性を受けやすいようにしておく。そうして母体の魔力と授体の魔力を混ぜあわせることで闇の因子を持つ命を生み出していくのです。この方法ならば自然に子を宿せる動物などはそのまま生殖できるので闇の因子が増えすぎることはなくなりますし、闇の主一人に闇の因子が集中することもなくなる。上手く機能すれば今後は異界から勇者を招く必要もないくらいに世界が安定する。そしてこの方法ならば同性や異種族など今まで子を成せなかったパートナー同士であっても子を成せる。そのために同性婚と異種族婚が可能になりました」
「なるほど。しかし、実際に上手くいくのか?」
「ええ、方法の確立に五年以上かかりました。協力してくれたのが女王、当時の王女です。彼女は自身の護衛騎士だった鳥人族の女性を伴侶にしたいと思っていたので積極的でしたよ。子を宿す母体と、魔力を注ぐ授体との双方の同意のもとで印紋に名前を刻むこと、双方とも生涯に一度しか印紋を刻むことはできないこと、双方の同意のもとでしか魔力を注ぐことが出来ないようにすること、印紋を消した場合は二度と刻むことはできないようにすること。他にもたくさんの誓約がありますが、それさえ守れば実際に同性間、異種族間でも子を成せることが証明されました」
「事実なのか、、、」
「はい。王女自身が実践し証明して見せ、議会の承認を得て、女王として即位されたのです」
「なるほどな。同性婚と子供については理解できた」
「ありがとうございます。では僕達の結婚式はいつにしましょうか。女王も参列したいと言っていましたが、僕は二人っきりの厳かな式にしたいんですよね」
「待て。そこだ。百歩譲ってお前の同性婚は認めても、なんで相手が俺なんだ」
「え?だって約束したじゃないですか。必ず戻ってきますって」
「確かに言っていたがそういう意味では」
「そういう意味でしたよ、あの時から」
「、、、は?」
「僕はあなたと過ごした十日足らずのあの日々で、あなたに恋をした」
「、、、おう、、、」
「あなたが世界を救ってくれと言うから、世界を救おうと思った」
「、、、ああ、、、」
「必ず戻ると言った時あなたが微笑んで頷いてくれたから、あなたの元に戻るための方法を必死になって見つけた」
「、、、うん、、、」
「何度も何度も周囲からは王女と結婚して百年後の勇者のために血を繋いでくれと言われたけれど、王宮の人々と森のあなたとの差に何度も絶望した」
「、、、んあ、、、?」
「愚物ばかりのこんな世界なんていっそのこと滅んでしまえばいい、滅ぼしてしまえばいいと思ったけれど、あなたがいるからと踏みとどまった」
「、、、え、、、?」
「この世界を救うためだとか何とか言いながら、どうしたらあなたを僕だけのものにできるのかを考えるようになった」
「、、、おい、、、?」
「王女とも何度も意見がぶつかり合いましたよ。お互い母体になる相手への思いと授体になるための意思の強さがありましたから、譲れないことも多かった」
「、、、なっ、、、」
「でもやっと、やっと、実現できた。王女は王配を得て女王になった。僕もあなたという伴侶を得てこの世界に根付きたい。だからイーハ、僕と結婚して僕の子を産んでください」
「、、、俺が生むのか、、、?」
「はい!僕はあなたを抱きたい!」
「、、、ヘあ、、、?」
「あなたの全身を愛撫してあなたをトロトロにしたい!」
「、、、ぐ、、、」
「あなたの胎に印紋を刻み、あなたの体に僕の魔力と精液を溢れるほど注ぎ込みたい!」
「、、、ちょっ、、、」
「朝から晩まであなたと裸で過ごしたい!一日中繋がっていたい!」
「、、、いい加減にしろ!」
「イタイ、イタイです!ハンドクローはやめてください!あなたの握力尋常じゃないんですからね!」
「だったらその口を一旦閉じろ」
「ヒャイ、、、」
「はぁ、、、俺みたいなおっさんのどこがいいんだよ」
「全てです」
「いい加減なこと言うな」
「本気です。僕を生かしてくれたあなたの知識、技術。僕を見つけて森から連れ出してくれた優しさ、厳しさ。あの森を生き抜いてきた力、肉体。八年前、あなたの全てに惹きつけられた。そして今日、歳をとったあなたを、僕のためにここで重ねた年月を見て、惚れ直しました。イーハ、結婚しましょう」
「、、、別にお前のためじゃねぇ、、、」
「ふふ、街の人たちはそうは言ってませんでしたよ?」
「あいつら、、、」
「八年前まではこの街が定宿ではなかったんでしょう?季節によって街々を移動していたと聞きました。僕が戻ってきたときにすれ違わないように、長期間拘束される依頼は控えていたとも聞いています」
「そんなことまでバラしたのか、、、」
「王宮にやってくる行商人からあなたの情報を高く買い取っていましたからね。あなたの八年間はかなり知っていますよ」
「お前、、、それスト「あなたへの一途な愛ゆえです」物は言いようだな」
「イーハもすでに38歳ですから、高齢出産になります。万全のサポート体制は整えますから、安心して産んでください」
「いや、だから何で俺が産む側なんだよ。体格的にも年齢的にも俺が抱く側だろう」
「却下です。僕は印紋の開発に携わってきましたから、どのように魔力を注げばどう反応するのか熟知しています。僕があなたを抱いてあなたに魔力を注ぎ込んだ方が安全性が高い」
「いやいや、お前の方が一回り近く若いんだからお前が産んだ方が安全だろう!」
「却下です。僕があなたを抱く」
「お前俺で勃つのかよ!」
「愚問ですね。お見せしましょうか?」
「おう、見せてみろ!」
「わかりました」
「あ、や、待て、ちょ、お、あーーーーーーーーー!」
「おーい、イーハ!早速うるせーぞ!」
「まぁまぁ、八年ぶりだもの。盛り上がっちゃうわよ」
「親父、店の酒ありったけ出せ!祝杯だ!」
「くそ、足りねぇ!街中の店に酒と食い物出させろ!」
「うえーーん、イーハが、イーハがとうとう嫁に行っちまう〜!」
「俺たちのイーハがー!」
「ララ〜、勇者は跪きー狩人に愛をー乞いました〜」
「乞いました〜」
「号外、号外ー、とうとう勇者がイーハを迎えにきたよー!」
「一部ください!」
「今読むのと、保存用と、王都の親戚に送る用と、あー、持ってるやつ全部下さい!」
「ルル〜、狩人はー自ら勇者の胸にー飛び込んだのです〜」
「飛び込んだのです〜」




