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ルーム・ノヴァスの伝説  作者: オクサス
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ルーム・ノヴァスの伝説 その8

タブレットの解読の8日目


講師オズメクは言う。


「遊牧民達は大陸の東から西へと、絶え間なく移動してゆきました。一つの部族が西へ移動すると、


その空いたスペースに新たな部族がやってくる、という状態でした。


彼らの一番の武器は馬でしたが、その馬は広い放牧地を必要としていたのです。


その為、草原が枯れてしまうと、次の草原を求めて移動を繰り返すのです。


西の方では、東からくる遊牧民の為、まるで玉突きのようにさらに西へと移動して、ついに海岸までやってきました。


ジームラ・ウントの人々も、海岸へと押しやられたのです。


海の向こうには、海上貿易や漁業をする人々がいました。彼らもまた、大陸の人が動物や植物から


エネルギーを得たように、魚や海藻を利用していました。


彼らの移動手段は船でした。これは遊牧民の知らない乗り物でしたので、海岸まで追い詰められた


ジームラ・ウントの人々は遂に海を渡る決意をしたのです。


海の向こうの人々はルーム人と呼ばれていました。


実は、この人々もかつては大陸にいたのですが、はるか以前にやはり、海を渡ってきたのでした。


この人々のことは、伝説となっていて、メサスやジームラ・ウントの人々の間では、


『西の海にルームと呼ばれる大国があり、人々は平和に暮らしている』


と言われていたのです。


この頃、メサスでは、唯一神ハジュに対して疑う人々もいました。


かつて帝国だったメサスも今では小さな都市の一つとなり、メルキト・サラカン連合軍に支配されていたからです。


そのような時代の中で、一人の予言者が現れました。


予言者はケマルと言い、解放奴隷の一人でした。


古代には戦争で負けた国の人は皆奴隷となっていました。


これは、奴隷の労働力が必要とされていた為で、現代のような差別的な意味合いではありません。


これは大事なことなのですが、古代の文明では現代よりもむしろ合理的で、エネルギーを得るという


目的を第一に考えられていて、その為に最も合理的な方法が選択されていたのです。


人は第一に労働力として考えられていました。


そして、一定の労働の成果を上げれば、解放奴隷として自由を得られたのです。


ですから、都市の富裕層にも政治を行う議会にも解放奴隷がいました。


その出自は、問題とはされなかったのです。


そのような解放奴隷の一人であったケマルは、宗教改革を行いました。


新しい予言を得たのです。そして、中世を特徴づける信仰の時代を開いたのです。


次回は、ケマルの宗教改革について学びたいと思います。」


私は、ケマルの宗教改革もそうだが、むしろ海の向こうのルーム人というのが気になった。


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