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鳳凰
あたりの大気が
はじめは琴の糸が
弾けているようで
愈々(いよいよ)と欣然として
まどかになり
清らかな白磁色に染まっていく
煌びやかな水晶をこぼしながら
その黄金の翼
七色の尾
薔薇色の嘴
神の全能を讃える冠羽で
周囲を艶麗に包み込み
ときどき
燦然の光を放っては
ひるがえし
この一天四海を飛翔する
斯くして
聴くものの至高の感覚と
その果てしない憧れを
呼び覚ます鳳聲で
鳴く、鳴く、鳴く
これぞ、玲瓏の響
これぞ、天国の御使い
これぞ、とこしえのうた
地に泉が湧きいずる
地に泉が湧きいずる
生命の泉が!
太陽と星々の光が
最も旺然なる時に
雲間から虹の橋が現れ
ふたたび
鳳凰は天国に消えていった